各機能の詳細な説明をする前に、Unity 5.5 のハイライトをまとめました:
まず最初に、私たちは、クリエーターが新しいユーザーに出会い、新しい市場にたどり着けるよう、その機会を常に広げ続けているということをお伝えしたいと思います。Unity 5.5 では、 Microsoft の Holographic (HoloLens) サポートがプレビューモードではなくなりました。これによって、皆さんは拡張現実 (AR)、混合現実 (MR) の機能を存分に探求することができます。また、アプリ内ストアを利用するために、 アプリ内課金 (IAP) 機能 を改良し、さらに、CloudMoolah を加えました。
アーティストの方々に Unity をもっと使いやすく感じてもらうために、アーティスト向けのツールを追加しました。Unity 5.5 では、 パーティクルシステム (Particle System) と ラインレンダラー (Line Renderer) コンポーネントに大きな改良を加えました。 Animation ウィンドウ ではワークフローを改善し、より早く信頼できるイテレーションを行えるようパフォーマンスを大幅に向上させました。新しい スプラッシュスクリーンツールを使うと、たった数クリックでゲームにご自身のブランドを設定することができます。さらに、実験的機能として、マテリアルの同一性を確認するプロセスを容易にする Look Dev というツールを導入しました。さらに先のことに目を向け、すべてのユーザーにとって有用な Unity Collaborate をベータ版として皆さんに紹介することができ嬉しく思っています。これを使うと、チーム全体で Unity プロジェクトの保存や同期が簡単にできます。
最後に、パフォーマンスを向上する多くの新しい機能が追加され、すべてのプラットフォームのユーザーに対して最高の体験を届けることができるようになりました。例えば、 Android と iOS 用に GPU インスタンシングが実装され、プロファイラーのCPU使用率に新しいタイムラインビューが加わり、物理エンジンを PhysX 3.3.3 にアップデートしました。
では、そろそろ Unity 5.5 の新しい機能について詳しい説明を始めることにしましょう!
Unity 5.5 から、Mirosoft の Holographic (HoloLens) に対するサポートが可能になりました。さらに、Holographic Emulation を Unity エディターに加えることにより、ワークフローも向上しました。開発者はHoloLens用アプリを作成中に、実際にビルドしたり HoloLens 機器にデプロイする必要なしに、直接 Unity エディター上でデザインのプロトタイプ、デバッグ、イテレーションを行うことができます。詳細は Holographic に関するマニュアルを参照してください。
複数のストアやプラットフォームにまたがってアプリ内課金 (IAP) を管理するのがいかに大変なことか、私たちもよく理解しています。皆さんがゲーム作りに集中できるように、そして収益を上げる機会を失うことがないようにするのが、私たちの務めです。
新しいプログラミング不要の IAP 機能は、アプリ内課金を複数のストアで簡単に設定でき、トランザクションフローをリアルタイムで自動化します。Apple App Store、Google Play、Amazon、Samsung、Windows ストア、Tizen Store に加え、 Unity IAP は新たにCloudMoolah とアジア地域で収益化をはかるために Xiaomi (近日公開)にもサポートを広げています。
Unity 5.5 ではパーティクルシステムに多くのアップデートがありました。
新しい ライトモジュール (Lights Module) はパーティクルの割合にリアルタイムにライトをアタッチすることができ、そのライトは、アタッチされているパーティクルからプロパティーを継承します。これによりパーティクルで周囲に光をあてることが簡単になりました。
以下はライトモジュールで行える新しいエフェクトの例です。
新しいノイズモジュール (Noise Module) では、パーティクルの動きに乱気流を適用することができ、クオリティ設定によって、負荷が少なく効率的なノイズからスムーズに動くハイクオリティなノイズまで、自由にノイズを設定することができます:
以下のノイズモジュールを使った例では、パーティクルの動きに乱気流を加え、一貫性のない、ノイズのある動き、または、スムーズな流れるような動きを作っています。
こちらの例では、改良されたライン/トレイルレンダリング機能を存分に利用し、新しいトレイルモジュール (Trails Module) で簡単にリボン状のトレイルをパーティクルシステムに追加しています。
トレイルモジュールにはさまざまなエフェクトを実現するための多くの設定があります。
さらに、カラーグラデーション (Color Gradient) システムでより柔軟な設定ができるようになったため、より幅広いパーティクルの色調整が可能になりました。新しいツールではグラデーションだけでなく、明示的な色を選択し、それぞれの色の配分を制御できます。
加えて、サイズ、回転、速度などのカスタムデータをパーティクルシェーダーに送ることが可能になりました。また、接線をシェーダーに送り、法線マッピングを行うことも出来ます。
より多くのカスタマイズや設定を望むユーザーのために、主なパーティクル設定のすべてのプロパティがスクリプトでアクセス可能になりました。シェーダーを自作したいユーザーのために、カスタムのデータをパーティクルシステム頂点シェーダーに渡すためのサポートが加えられています。
最後に、エフェクトにサブエミッターを追加できる数の制限をなくしました。これにより、いくらでもエフェクトにサブエミッターを追加できるようになり、また、それらは親パーティクルから、色、サイズ、回転、速度などのプロパティーを継承します。
改善されたツールで、素晴らしい視覚エフェクトを作成してください。
Animation ウィンドウでは、より高速で信頼性の高いイテレーションが可能になるよう、ワークフローとパフォーマンスを大幅に改良しました。
最初に Animation ウィンドウに新しいボックスツールを追加しました。これを使用すると、ドープシートとカーブ両方で、アニメーションの移動、拡大縮小、キーフレームのリップル編集 (r ホットキー) がとても簡単にできます。
また、カーブエディターに Clamped-Auto 接線モードを加えました。これは、キーフレームが互いに近くにあるときにカーブのオーバーシュートを発生する傾向がある現在の Auto 接線モードを取り換える試みの 1 つです。キーフレームを Clamped-Auto 接線モードに設定すると、キーフレームが範囲外になった場合、接線は次第に平らになります。
並行して、内部のパフォーマンスの改善を多く行い、Animation ウィンドウを使ったレンダリングをスピードアップしました。詳細は、こちらのデモビデオをご覧ください。
Unity 5.5 では、線と軌跡のレンダリングの仕方が大幅に改善されました。指定した点を結ぶ線をレンダリングするラインレンダラー (LineRenderer) と、動いているオブジェクトの後ろにできる軌跡をレンダリングするトレイルレンダラー (TailRenderer) は両方ともアップグレードされ、より改善された線描画アルゴリズムを使用しています。Unity 5.4 とのレンダリングの違いを比較してみてください。
新しいスプラッシュスクリーン (Splash Screen) ツールを使うと、スプラッシュスクリーン (アプリを開くときに最初に表示される画面) に会社、パブリッシャー、ゲームロゴを容易に加えることができます。ロゴの順序付け、「Made With Unity」ロゴ との共同ブランド、背景画像、アニメーション、などのさまざまなオプションがあり、設定は簡単です。
Look Dev は HDR (ハイダイナミックレンジ) のイメージベース ライティングツールで、ビューアーを通してアセットを比較確認することができ、さまざまなライティング環境で正しくオーサリングされているか高速にチェック出来るツールです。
Look Dev は特に、テクスチャアーティスト、モデリングアーティスト、ライティングアーティスト、アートディレクター、外注担当マネージャー、その他、プロジェクトのビジュアルアートスタイルに携わり、アセットの視覚化と評価を行う必要がある人のために設計されています。
Look Dev はUnity のビルトイン機能として使えるので、物理ベース手法を用いるプロジェクトのいたるところで必要なマテリアルの同一性の確認が簡単にできます。
macOS と Windows に Visual Studio Codeのサポートを加えました。一度外部スクリプトエディターとして選択すると、スクリプトは直接 Visual Studio Code で開くようになります。デバッグも VS Code Unity デバッガ拡張機能を通じて可能です。
Unity 5.5 ユーザーの皆さんは、ぜひ、Unity Collaborate の公開ベータ版を使ってみてください。Unity Collaborate はチーム全体で Unity プロジェクトの保存、共有、同期などができるシンプルな方法です。使用方法はいたって簡単なので、どこにいようと、どんな役職であろうと、チーム全体がプロジェクトに参加できます。
Unity Collaborate ベータ版のフォーラムに参加してたくさんのフィードバックをお寄せください。
Unityを使ったプロジェクトの協力者を捜しているなら、Unity Connect がきっと役に立ちます。Unity Connect では、プロジェクトを実現するのに必要な才能や経験を探すことができます。まずはプロフィールの作成から始めてみてください。
いつものように、5.5の機能や改良を羅列するととても長いリストになります。リリースノートを見る前に、あと少しだけハイライトをご覧ください。
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