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Meta Quest 3 におけるクロスプラットフォーム混合現実(MR)開発

2023年11月1日 カテゴリ: Engine & platform | 7 分 で読めます
Meta Quest 3, Meta’s next-generation mixed reality headset and their most powerful yet
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XR テクノロジーは進化を続け、より優れたセンサー、グラフィックス、性能を備えた新しいデバイスが登場しています。このような改良により、クリエイターはイノベーションをもたらし、自身の想像力の深みを十分に探求することができるようになりました。

今年の初め、当社はツールプレビューによる Meta Quest 3 向けの混合現実(MR)開発が可能になったことを発表しました。最近の Meta Quest 3 のリリースを受け、Meta Quest 向けのクロスプラットフォーム混合現実(MR)開発ツールが、実験的なプレビュー段階から、Unity 2022 LTS においてフルサポートされるようになりました。

開発パッケージの内容

Unity の AR Foundation は、モバイルおよびヘッドウェア AR/MR デバイスにおけるアプリケーション開発用のクロスプラットフォームフレームワークです。AR Foundation では、複数のプラットフォームで機能する統合 API の提供により、プラットフォームごとの実装が不要になり、AR および MR アプリ開発が簡易化されます。コードを書いて、Meta Quest、HoloLens 2、iOS や Android などのモバイルデバイスを含むプラットフォームへデプロイすることができます。

当社の Meta Quest 3 向けの AR Foundation サポートは、OpenXR を基盤として構築されています。数年間にわたり、当社は Unity エンジンにおける OpenXR 標準の実装を提供し、XR ハードウェアとソフトウェアの共通インターフェースを構築する OpenXR プラグインの維持および配布を行なってきました。OpenXR を使用することで、業界標準に従う開発を継続していきます。

Unity Editor Project Settings menu. Single Pass Instanced\Multi-view, Oculus Touch Controller Profile, and the Meta Quest feature group are selected in the Android tab in the OpenXR section of the XR Plug-in Management heading.

このたび、新たな OpenXR: Meta パッケージのバージョン 1.0.0 が、Unity 2022.3 LTS 以降でサポートされることになりました。本パッケージには、Meta 専用の OpenXR 拡張機能と、Meta Quest 向けの Meta の AR Foundation プロバイダープラグインが含まれています。さらに、OpenXR: Meta パッケージは、プロジェクトへの追加時に、AR Foundation および OpenXR プラグインを依存関係として自動的に取得します。

XR Hands と XR Interaction Toolkit の統合

AR Foundation は、XR Hands および XR Interaction Toolkit とネイティブに連動するよう設計されています。

XR Hands は、新たな XR サブシステムで、Unity でハンドトラッキングを有効化するための API を追加します。これには、OpenXR パッケージを介した Meta Quest デバイスのビルトインサポートが含まれ、さらに HoloLens 2 のような OpenXR を介したハンドトラッキングに対応しているその他のデバイスへのサポートも提供します。

XR Interaction Toolkit(XRI) は、VR や AR 体験を創出するためのハイレベルなコンポーネントベースのインタラクションシステムです。ポーク、レイ、グラブインタラクションの仲介や、ハプティクスの統合、ハンドメッシュの視覚化、アニメーションやブレンドシェイプ、スケールの変化を使用したプレイヤーの選択への反応など、インタラクションに対する共通フレームワークを提供し、クロスプラットフォームでの制作を効率化します。

テンプレートを使用して開発を迅速化

Peek of the Unity Editor interface with the MR template in action.

テンプレートは、仕事を始めたばかりのクリエイターと経験豊富なクリエイターの両者が、簡単に開発を開始できるようにし、XR 制作用の確立したインタラクションパターンを促進する拡張可能なコンテンツを提供します。当社は、XR クリエイターの皆さまとの対話を通して、よりリッチなコンテンツ、改良されたプロジェクト設定、詳細な機能へのアクセスが求められていることを発見しました。

このたび、Unity 2022 LTS の Unity Hub にて、新たな VR と MR テンプレートが導入されました。両テンプレートは、現時点でダウンロード可能です。

新たな混合現実(MR)テンプレートには、平面判定、パススルー、シンプルインタラクション、空間 UI、ハンドおよびコントローラープレゼンスなどの機能が含まれます。パッケージ管理が厄介なことを考慮に入れ、テンプレートには事前に AR Foundation、OpenXR、XR Hands、XR Interaction Toolkit のパッケージが設定されています。

さらに、このテンプレートでは、Object Spawner を使用して物理的な環境の表面に触れることで、さまざまなインタラクタブルの例を生成する方法を紹介しています。Object Spawner は、有効視野(FOV)に対する衝突位置や、表面に対する手のひらの角度など、さまざまな条件を考慮します。

新たな混合現実(MR)テンプレートでは、完全没入型のバーチャル環境と MR パススルーの切り替え機能も可能です。シンプルなフェードトランジション、ユーザーの位置に反応する平面ビジュアル用の設定可能なシェーダー、手の動きと連動したメニューなど、他にもさまざまな機能が使用されています。

Demo of interaction with the hand-coupled menu in the new mixed reality template.

始めるには

Preview of the new mixed reality template “getting started” screen.

Unity 2022 LTS(バージョン 2022.3.11.f1)以降をダウンロードすれば、AR Foundation と OpenXR を使用して、Meta Quest 3 用のアプリ開発を今すぐ開始できます。新しいプロジェクトを開始する際は、Unity Hub を起動し、混合現実(MR)テンプレートを選択してください。

パッケージは手動でプロジェクトに追加することもできます。Unity 2022.3.11f1 以降へとアップグレードした後、Unity Package Manager(UPM)で OpenXR:Meta を検索し、プロジェクトに追加してください。あるいは、UPM の左上にあるプラス(+)マークをクリックし、「Add package by name」を選択して、「com.unity.xr.meta-openxr」と入力することもできます。ダウンロードが完了すると、自動的に OpenXR プラグインや AR Foundation などの依存関係がインポートされます。

Unity XR チームは、AR Foundation やテンプレートの改良に向けて常に尽力しています。開発を継続するにあたり、是非皆さまからの意見をお聞きし、これらのツールを使用して開発された作品を共有いただきたいと考えています。

2023年11月1日 カテゴリ: Engine & platform | 7 分 で読めます

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