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Unity 2022.1 ベータ版、公開

2021年12月9日 カテゴリ: Engine & platform | 10 分 で読めます
Unity 2022.1 beta
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Unity 2022 の最初のパブリックベータ版である Unity 2022.1.0b では、Unity 2022 の新機能をいち早くお試しいただけます。これからご紹介する機能を実際にお使いいただき、ユーザー体験とイテレーション速度の向上を実感してください。私たちは、品質、生産性、パフォーマンスに引き続き注力しています。アーティストのワークフローに関すること、プログラマーの体験に関することなど、どのような分野についても、皆さんからのご意見をお待ちしています。

最新のベータ版は Unity Hub またはダウンロードページから入手していただけます。この記事を公開した時点で、ベータ版には 2000 を超える修正と 600 を超える新機能と変更点が盛り込まれています。ベータ版は本制作段階のプロジェクトでの使用を想定していないことにご注意ください。常にお伝えしている通り、既存のプロジェクトをベータ版でご利用になる際は、必ずバックアップを取るようにしてください。

ベータ版期間中のフィードバック提供方法

皆さんからのフィードバックはベータ版のリリースにおいて最も重要なものです。感謝の気持ちを込めて、再現性のあるオリジナルのバグのレポートを提出するほど当選する可能性が高まるベータ版の懸賞をご用意しております。詳細はこのブログ記事の最後でご説明いたします。

2022.1 ベータ版のバグ報告

まずは新機能に触れ、存分にテストしてください。問題が見つかった場合は、Bug Reporter を使ってご報告ください。Help > Report a Bug... をクリックしてご報告いただくことで、Unity チームはご報告いただいた問題を調査し、開発チームがより素早く問題を解決できるように、私たちのシステムでチケット化し、担当者に割り当てるまでの手続きが迅速に行えるようになります。バグレポートを送信する前に、公開のイシュートラッカーで、同じ問題がすでに報告されていないかをご確認ください。

フォーラムで Unity スタッフとやり取りする

Beta and Experimental フォーラムは、Unity コミュニティとスタッフがつながり、ベータ版やプレリリース版のテクノロジーについて議論を行う場所です。皆さんにフォーラムに参加していただくことで、Unity チームはベータ版の状況を評価しやすくなり、また製品ロードマップの立案や開発者のニーズや体験を理解する際の精度が上がり、Unity のツール群の進化を加速させることができます。ベータ版に関するフィードバックを 2022.1 ベータ版フォーラムにぜひご投稿ください。

Unity 2022.1 ベータ版の新機能

イテレーション時間を短縮する

高速なイテレーションを可能にすることに注意しつつ、エディターのパフォーマンス最適化に向けた意義のある進歩を続けています。今回のリリースでは、シーン保存の高速化による再生モードへの移行時間の短縮、マルチスレッドの使用による静的バッチとパーティクルの事前ウォーミングアップの高速化、一部のパッケージの初期化時間のコスト削減などが大きなポイントとなっています。

また、イテレーション時間に関連して、コードを変更してからエディターに反映させるまでの同期を改善するための取り組みも行っています。待ち時間が発生する理由とその対策については、このフォーラムの投稿をお読みください。2022.1 ベータ版のコードに対するイテレーション時間は、今後のベータ版リリースでさらに改善される見込みです。

スクロールやオブジェクトの選択が高速化され、テクスチャのプレビューやゲームオブジェクトの複数選択も可能になりました。これらの最適化は、大きなプロジェクトに取り組む社内外のパートナーとのコラボレーションの成果の一部です。もう 1 つ、小さなファイルのインポート時間を最大 60% 短縮する重要な最適化が施されています。最後に、大規模な配列を対象とした取り消し操作が最大 100 倍速くなりました。また、取り消し操作を行うシステムに多くの根本的なパフォーマンスの改善が加えられ、UI も Unity 2021.2 にバックポートされています。

大きなスプライトの読み込みやスプライトのアウトラインの抽出が速くなりました。Unity 2021.2 で導入された、Windows、Mac、Linux、WebGL、Android 向けのインクリメンタルなプレイヤービルドのプロセスが、iOS や Xbox 向けのビルド作成にも対応しました。

エディターワークフロー

Unity 2022.1 では、視覚的な検索クエリにより、Unity エディター全体で複雑な検索クエリの構築と検索の両方において、一貫した直感的なユーザー体験を提供します。これは、検索機能をより有効に活用して、プロジェクト内の適切なアイテムをより早く見つけられるようにすることを目的としています。

開発体験の向上にも引き続き力を入れています。たとえば、今回のリリースでは、プロジェクトを開くときのプログレスウィンドウにキャンセルボタンを追加しました。また、ショートカットマネージャーが改良され、コンテキストに応じたショートカットが優先されるようになりました。この機能では、定義したフォーカス領域内でのみ有効なショートカットを設定することができます。

また、パッケージマネージャーに 2 つのワークフローの改善を導入しています。2022.1 では、キャッシュの構成と設定を選択できるようになりました。また、パッケージマネージャーのウィンドウ内で、追加、更新、削除したいパッケージを複数選択できるようになりました。 

配布パッケージの増加に伴い、すべての Unity パッケージにパッケージ署名を追加しました。このバージョン以降、ウィンドウまたはマニフェストから直接プロジェクトにパッケージを追加する際に、検証用パッケージの署名が認証がかけられるようになりました。このような仕様とした目的は不適合なパッケージをすべて見つけられるようにすることで、これによって修正が加えられた Unity パッケージをプロジェクトに追加してしまうことを避けることができます。

アセットを変更した場合の影響や、まったく参照されていないアセットを把握するために、依存関係のグラフをたどるのは骨が折れる仕事です。しかし、予期せぬ結果を招く変更を避けたり、プロジェクトから不要なアセットを切り捨てたりするために、これらの情報は非常に重要です。新しい実験的パッケージ Dependency Viewer は、プロジェクトの依存関係をすばやく確認する方法を提供します。その仕組みを詳しく知り、フォーラムでチームへのフィードバックを共有してください。

エディターの拡張

UI Toolkit の目標は、エディターツールやランタイム時のインタラクティブな体験に携わる開発者やデザイナーのあらゆるニーズを満たす、たった 1 つのユーザーインターフェース作成ソリューションを提供することです。今回の 2022.1 ベータ版のリリースは、そのツール開発者のための目標に向けた大きな一歩となります。UI Toolkit を使って、より多くの UI ウィジェットにアクセスしたり、プログラムでカスタムシェイプを描いたり、プロパティドロワーを書いたりできるようになりました。

新しいスプラインオーサリングのためのフレームワークは、プレリリース版パッケージとして提供されています。川や道路などを生成するカスタムコンポーネントを作ることで、機能を拡張することができます。スプラインにも新しい編集モードが採用されており、標準的な編集ツールやショートカットを使って、スプラインのポイントや接線の編集に没頭することができます。ぜひお試しいただき、感想を World Building フォーラムでチームにお伝えください。

プロファイリングと実行時パフォーマンス

IL2CPP スクリプティングバックエンドは、すべての汎用メソッドの完全な共有バージョンを常に生成するようになりました。これにより、コンパイル時には存在しない汎用型の組み合わせを使用できるようになり、実行時にしか発生しない検出困難なエラーの全体像を回避することができます。

Frame Timing Manager がすべてのプラットフォームに対応し、エディターで動作するようになり、フレームタイミングに関するより詳細な情報を提供するようになりました。これらの機能を組み合わせることで、パフォーマンス適応、プロファイリング、およびレポーティングツールをあらゆるプラットフォームで構築することができます。詳細については、このフォーラムのスレッドでご覧ください。このスレッドではチームと直接やり取りすることもできます。

System Metrics Mali パッケージを使えば、プロファイリングや実行時パフォーマンスの調整のために、モバイルデバイスの低レベルのシステムまたはハードウェアのパフォーマンスメトリクスにアクセスすることができます。たとえば、このパッケージを使って、次のようなことができます。

  • Unity Profiler で低レベルの Mali GPU メトリクスを監視し、パフォーマンスのボトルネックを評価する
  • 実行時に Recorder API を使用して同じメトリクスにアクセスし、現在のボトルネックに基づいてグラフィックス品質を調整する
  • 継続的に統合テストを実行する際、広範なパフォーマンス測定値を収集することで、パフォーマンステストを自動化します。

また、Unity 2022.1 では、ビジュアルスクリプティンググラフの初期化と実行が高速化されています。Unity では、実行時に MonoBehavior ベースのグラフを修正して実行する機能を維持しつつ、ランタイム時にビジュアルスクリプティンググラフの解釈された表現が含まれるようになりました。

Netcode

Netcode for GameObjects は、Unity エディター用に作られた、Unity ファーストパーティ製オープンソースのネットコードライブラリです。バージョン 1.0.0-pre のリリースにより、このパッケージは正式にプレリリース状態に移行しました。このバージョンは、実験的リリースで提供されていた機能を拡張し、クリエイターにとって適度なスピードの小規模な協力型ゲームを作りやすいバージョンになっています。さらに、新しい Relay サービスへの対応、Unity Transport の強化、新しいネットワークプロファイラーツールなどが含まれています。 

Netcode for GameObjects を使い始めるにあたっては、マルチプレイヤーネットワーキングのドキュメンテーションにアクセスして、インストール方法やチュートリアルを確認することができます。また、公式の教育用サンプルとして、完全な機能を持つ協力型マルチプレイヤー RPG『Boss Room』が提供されています。このゲームは、類似のネットワークゲームによく見られる、クライアント側ホストとリレーバックを採用した協力型のゲームプレイパターンの実装を紹介するための教育用サンプルとして作られています。

Netcode for GameObjects フォーラム公式 Discord サーバーに参加して、フィードバックを共有したり、Netcode for GameObjects を使い始めるためのヘルプを入手したりしてください。

テクニカルアーティスト向け機能の全体的な改善

Unity 2022.1 ではマテリアルのバリアントが追加され、テンプレートやマテリアルプレハブの作成が可能になりました。テンプレートとなるマテリアルから共通のプロパティを持つバリアントを作成し、異なるプロパティのみをオーバーライドすることができます。テンプレートのマテリアルの共通プロパティやオーバーライドされないプロパティの変更は、自動的にバリアントのマテリアルに反映されます。また、マテリアルの特定のプロパティをバリアントでオーバーライドできないようにロックすることもできます。

さらに複雑な設定では、バリアントのマテリアルからバリエーションを作成することもできます。このマテリアルの継承階層の概念は、再利用性を促進し、プロジェクトにおけるマテリアルのオーサリングのイテレーション速度とスケーラビリティを向上させます。

Visual Effect Graph では、パーティクルをカメラからの距離、カメラの深度、経過時間、その他のカスタム入力に基づいてソートする複数のモードが用意されているほか、マルチビュー編集機能により、サブグラフを含む複雑なグラフのオーサリングが容易になりました。

Visual Effect Graph のソートモード

Visual Effect Graph のマルチビュー編集

また、テクスチャのインポートをより細かく制御できるようになったので、皆さんの個別のニーズに合わせてより最適な結果を得ることができます。法線マップの Flip Green Channel オプションをチェックできるようになったほか、詳細設定に完全なスウィズルが追加され、テクスチャのカラーチャンネルを反転させたり、再マッピングしたりできるようになりました。

2D の改良

2D PSD Importer のレイヤー管理の改善

2D PSD Importer は、ファイル拡張子 PSD を持つファイルの読み込みに対応しました。また、PSD Importer のインスペクターに新しく追加されたタブからレイヤーを選択することで、Photoshop ファイルからどのレイヤーを読み込むかを制御することもできます。また、モザイクモードでは、スプライト間のパディングを設定できるようになりました。これに伴い、PSD Importer のインポート設定のための API セットを提供しています。

スプライトスワップのキーフレームと 2D Animation のプレビューの改善

2D Animation 8.0 パッケージでは、スプライトスワップ機能に焦点を当て、アニメーションウィンドウでのスプライトスワップのキーフレームを効率化しました。また、アニメーションプレビューウィンドウでのスプライト変形、スプライトスワップ、IK ソルバーのサポートや、スキニングエディターでのキャラクターピボットツールの導入により、2D でアニメーションを作るときの開発体験を向上させました。また、古い Sprite Library Asset やアニメーションクリップを最新版にアップグレードするアセットアップグレードツールを導入しました。

2D 物理におけるドロネーテッセレーション

2D 物理では、PolygonCollider2D、CompositeCollider2D、TilemapCollider2D のポリゴンとアウトラインが libtess2 を介して生成されます。このようなポリゴンは、細すぎたり小さすぎたりして、物理エンジンによってフィルタリングされてしまうことがよくあります。ドロネーテッセレーションは、このような場合に結果を大きく改善することができます。細すぎたり小さすぎたりするポリゴンを生成しないだけでなく、同じ面積をカバーするために生成するポリゴンの数も少なくなります。

2D レンダリング用のスプライトマスタースタックにブレンドモードが追加

ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)パッケージの Shader Graph 2D マスタースタックにブレンディングモードを追加しました。Sprite Lit、Sprite Unlit、Sprite Custom Lit のマスタースタックがさまざまなブレンドモードに対応するようになりました。これにより、アルファ、プレマルチプライ、加算、乗算の各ブレンドモードでブレンドできるシェーダーを作成することができます。また、今回のリリースでは、2D Pixel Perfect Camera が強化され、ブラーを抑えたアップスケールフィルターが追加されました。

2D Pre-release フォーラムでの議論にもぜひご参加ください。

シネマティックツール

Unity 2022.1 では、バーチャルカメラツールとタイムラインに複数のアップデートが施されています。 

インスペクターのプロパティフィールドに頼るのではなく、シーンオーバーレイや専用のシーンハンドルを使って、Cinemachine バーチャルカメラのカメラ制約のプロパティを変更できるようになりました。視野角、クリッピングプレーン、オフセットなどをシーンビューで直接調整できます。

また、今回のリリースでは、ライブキャプチャーにタイムコード同期機能が搭載され、Unity エディターに接続された互換性のあるライブキャプチャー機器を同期させることができます。

タイムラインでは、すべてのフレームを再生するオプションが追加されたほか、再生ヘッドがフレーム全体に一貫して配置されるようになり、映画や動画を作るアニメーターが必要とする正確性が確保されます。たとえば、Unity Face Capture と Unity Virtual Camera のコンパニオンアプリのデータキャプチャを同期させることができます。 

ノイズキャンセリングヘッドホンをもらおう

ブラックとグレーのコード付きヘッドフォン

抽選に参加するには、応募期間中に Unity 2022.1 のオリジナルのバグを 1 つ以上特定して報告する必要があります。懸賞への応募期間は日本時間 2021 年 12 月 9 日(木)23 時から 2021 年 3 月 7 日(月)16 時 59 分までです。

「オリジナルのバグ」とは、応募時点でまだ報告されていないバグであり、かつ Unity 側で再現され、バグとして認定されたものを指します。この抽選には、バグレポートに「#Beta2022Win_Headphones」を追加していただくだけでご参加いただけます。有効な応募の本数が増えるほど当選確率は上がりますが、1 人の参加者が 2 つ以上賞品を獲得することはありません。

コンテストに参加していただくために何らかの課金をしていただく必要はありません。コンテストのルールに違反する応募は無効となります。完全なルール(英語)はこちらをご覧ください。当選者の方には Unity から直接ご連絡いたします。

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以下の資料は情報提供のみを目的としたものであり、契約に組み込まれることはありません。以下の資料に基づいて購入の意思決定を行うべきではありません。Unity は、いかなる機能およびコードの提供を約束するものではありません。すべての製品、機能の動作、追加される機能の開発、タイミング、リリースは Unity の独自の裁量で行われ、変更される可能性があります。

2021年12月9日 カテゴリ: Engine & platform | 10 分 で読めます

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