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Soft Not Weak と Broken Arms Games が語る、小さなスタジオの成功の秘訣

2022年11月21日 カテゴリ: ゲーム | 13 分 で読めます
Soft Not Weak and Broken Arms Games share tips for small studio success | Hero image
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成功を収めているインディーゲームスタジオにおいて、ゲームを作ることは成功の方程式の一部に過ぎません。インディークリエイターというものは、起業家、コミュニティマネージャー、会計士、営業マンなど、さまざまな帽子をかぶりわけています。

8 月にインディーによるイノベーションにフォーカスしたイベントの際には、成功した 3 人のインディークリエイターを招き、「The Business of Being an Indie」と題したラウンドテーブルを開催しました。Xalavier Nelson Jr. 氏(Strange Scaffold 社)、Yves Hohler 氏(Broken Arms Games 社)、そして Réjon Taylor-Foster 氏(Soft Not Weak 社)です。プロジェクト資金の確保から、ジャーナリストやパブリッシャーへの売り込み、発売前の強固なコミュニティ作りまで、Unity の Antonia Forster と共に語り合いました。

今回の Unity ブログでは、Réjon Taylor-Foster 氏と Yves Hohler 氏から、プリプロダクションからローンチまでどのようにビジネスを構築したかについてさらなるヒントをいただいたので、その内容をご紹介します。

まず、インディーズにとって最大の障害の 1 つである資金調達の話から始めましょう。皆さんがスタジオを開きたいと思ったとき、資金面ではどのようにアプローチしたのですか。投資家やパブリッシャーを探したのですか、それともすべて自己資金でまかなったのですか。

Réjon Taylor-Foster 氏(以下 Réjon) Soft Not Weak は、自己資金と『Spirit Swap: Lofi Beats to Match-3 To』の開発の初期に受け取っていた助成金でスタートしました。クラウドファンディングの計画は常に練っていました。資金調達先の開拓という面では、これは最優先事項だったと言えますね。

Yves Hohler 氏(以下 Yves):当初、Broken Arms Games は会社ではなく、非公式なチームとしてスタートしました。3 人とも日中は仕事をしていたので、夜間や週末に Adobe Flash を使って自分たちのゲームを作ったり、ときどき B2B 広告向けのゲームの制作をしたりしていました。私たちは、できるだけ早くモバイルゲームを制作して発売し、キャッシュフローを生み出して非公式の会社に再投資できるようにしようとしていました。ローカライズやグラフィックアーティストを雇うなど、できることは何でもやってみたいと考えていました。

収入が増え始めると、日中にゲームの仕事をし、夜はバーやレストランで働くようになりました。給料から最低限必要なお金を引いた残りは、すべてゲームのために再投資しました。こんなことをするにはとても強い規律が必要です。そしてこれは、ゲーム開発会社を立ち上げる上で、本当に重要な資質とスキルなのです。

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Yves さん、Kickstarter のようなクラウドファンディングのプラットフォームにアクセスしなかったスタジオとして、同じような状況にあるスタジオにどのようにすることを勧めますか。

Yves:自分たちのお金、時間、資産を使って自己資金を調達するだけでなく、家族や友人にも声をかけて、参加することに関心を寄せてもらいました。起業の最初の段階では、自分自身に完全に正直になり、次のような質問をすることが非常に重要です。

  • 私は、自分のビジョンを実現するために、求められている以上のことをする覚悟があるだろうか。
  • 私は、これに自分のお金と時間を喜んで投資できるだろうか。
  • すべてを賭ける覚悟がないのに、なぜ出資してくれる人がいるのか。

またあまり言われることがないのですが、メンターを探してみるというのも非常に有効な投資です。メンターがいれば、成長を妨げる初期の落とし穴を避けることができ、大きな資金の節約にもつながります。

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スタジオを立ち上げる際に考慮すべきもう 1 つの重要な点は、チームのサイズと雇用のニーズです。当初、チームには何人くらいいらっしゃったのですか。また、メンバーの数はどのように増え、最初のゲームを世に出したときには何人になっていましたか。

Réjon:Soft Not Weak の社員は 4 人ですが、開発の各フェーズで定期的に専門分野に特化したコントラクターを雇っています。これまで 23 人くらいと仕事をしましたが、どなたからも貴重な専門能力(作曲、コンセプトアート、アニメーションなど)を提供していただき、そうして現在の洗練された『Spirit Swap: Lofi Beats to Match-3 To』が出来上がりました。なお、これが Soft Not Weak として出した初めてのゲームです。

Yves:チームメンバー 3 人でスタートし、短期間で 6 人にまで増えました。それからここ 10 年間は 6 人のチームでやってきましたが、最近さらなるチームの増強を始めました。最適なチームサイズを求める魔法の公式は存在しません。本当にスタジオによりますね。現在入手できるツールと技術があれば、どんな規模のチームでも、美しく収益性の高いゲームを作成することができます。

Hundred Days (Broken Arms Games)
Broken Arms Games 社の『Hundred Days』

資金調達と採用の戦略が決まったら、次はコンセプト作りに没頭されると思います。開発初期にどのようにアイデアを検証するのでしょうか。

Réjon Soft Not Weak の社員一人ひとりのアプローチはそれぞれ異なりますが、常時イテレーションを行う、コンセプトを検証する、できるだけ多くの質問を出すということは共通の軸として持っています。

Yves:ゲームを発売、あるいはそれ以上のことを成し遂げたなら、何がうまくいき、何がうまくいかなかったかを正直に振り返るのが一番です。そうすることで、時間をかけて上達し、学び続けることができるのです。

ここ数年、若い開発者が市場と向き合わず、孤独にゲームの改良をしようとしているのを見かけますが、私の意見ではこれは成長を鈍化させる行為です。最初から完璧を目指さず、まずは世に出すことが大切です。成長、知識、直感は時間と経験によってもたらされます。

次はプロトタイピングについてです。プロトタイピングの際に考慮するビジネスの要素は何ですか。

Yves:プロトタイピングは、小さなインディーズチームにとっては非常に贅沢なもの、って感じです。

捨てる可能性のあるものを試す時間があるということは、捨てるお金があるということですから、贅沢な話です。一方で、チームやビジネスの成長の根幹に関わることなので、必要なことでもあります。プロトタイピングは、ゲームプレイや最終製品に影響を与えるような特定の機能に対してのみ行われるべきです。

Réjon私たちはユニークなプロトタイプを作りました。また、それは Kickstarter キャンペーン用のデモと(仮の)バーティカルスライスとしても使いました。ゲームの手触りや仕組み、システム間の結びつきに磨きをかけながら、私たちは次のようなことを考えていました。

  • このゲームのフックは何だろう。私たちは何を目指して作っているんだろう。私たちのコミュニティは何を楽しいと思うんだろう。 
  • プロトタイピングの段階で惹かれる機能やツールからすれば、どのパートナーと組むのが合理的だろうか。 
  • 特にコラボレーションしたいプラットフォームに基づいて考えたとき、既存のゲームに見られる中で検討すべき要素は何か、そしてそれは自分たちのゲームにフィットするか。(例えば、BHYG モードでは Nintendo Switch™ のローカル Co-op や 8 人プレイを活用していますし、PlayStation®5 向けの開発では、DUALSHOCK コントローラーのハプティクスを活用するなど、さまざまな工夫をしています)
Spirit Swap: Lofi Beats to Match-3 To (Soft Not Weak)
Soft Not Weak 社の『Spirit Swap: Lofi Beats to Match-3 To』

制作中、主にどのような経済的要因を考慮して進めているのでしょうか。

Réjon私たちにお金が必要なこと、そして資本主義がすべてを恐ろしいものにしていること、ですかね。ははは。冗談です。でもバーンレートは王様です。私たちは頭の中で常に、「今どれだけお金があるのか」と「残り工程はどうなっているか」の 2 つを考えています。私たちの制作にどんな落とし穴があるのかを知るには、現在地とこれから向かっていく場所を比べることが唯一の方法です。

Yves:制作中に気をつけるべき主な経済的要因は、予算です。理論的には、ゲーム開発は永遠に続けることができます。完璧を目指すのは夢の話ですから、制作の終わりを決定する最大の要因は、予算の終わりです。残酷な話ですが、多くの場合、これが真実です。

Hundred Days (Broken Arms Games)
Broken Arms Games 社の『Hundred Days』

ゲームを発売することについてお話を伺いたいです。ビジネスの観点から、ゲームを発売する準備ができたと判断するタイミングはいつなのでしょうか。

Yves:周囲がそのゲームについて十分に盛り上がってきた時です。世界が完璧なら、スタジオやゲームに十分大きなファンベースができ、リリースが成功すると予想される場合にのみ、ゲームを発売すべきです。

現実では、ゲームのアナウンスと同じ日にそのゲームを発売するような失敗を何度も目にすることになります。例えば Steam で発売するとして、大規模なマーケティングキャンペーンを打っていたり、大きなショーケースでの特別なスポットライトを受けていたりということがないなら、プラットフォームに自分の存在を知ってもらう時間を与えることで、プラットフォームがゲームのターゲットプレイヤーを理解し、潜在顧客に対するプロモーションを行う支援をする必要があります。アルゴリズムがあなたのゲームとターゲットを理解するのには時間がかかるのです。

Réjon繰り返しになりますが、ビジネスの視点とはお金に尽きます。お金がない?じゃあゲームを出さなきゃいけません。逆に、お金をつぎ込んでも必ずしも良くならないと感じたら、発売するべきタイミングだとも言えます。あくまで個人的な考えですが。自分たちが出したものに誇りを持てるかどうか、いつも考えるようにしています。私たちは永遠にゲームを作り続けることができますが、自分たちの作品に誇りを持てる段階まで来たなら、それはゲームを世に出すタイミングが来たことを知らせる強力な合図です。

Spirit Swap: Lofi Beats to Match-3 To (Soft Not Weak)
Soft Not Weak 社の『Spirit Swap: Lofi Beats to Match-3 To』

ゲームが発売された後も、やるべきことがたくさんあることはよく知られています。発売後にゲームを成功させるためのベストプラクティスやヒントがあれば教えてください。

Yves:今日の状況では(去る 3 月の GDC での講演で、私のビジネスパートナーの Elisa Farinetti 氏が言ったように)インディーゲームの立ち上げは短距離走ではなくマラソンのようなものになっていると言えるでしょう。最初に発売した後、ゲームをホストするプラットフォームを熟知し、最大限の露出を得るためにプラットフォームと協働する必要があります。売上を伸ばすことは誰にとっても最善の利益です。ですから、割引の計画はしっかりと立てましょう。割引はゆっくりと始め、時間をかけて割引率を増やしていくのがよいでしょう。

こうした戦略に加え、もし初期のユーザーの引きが良ければ、採算が合う限りゲームのアップデートを続けてください。プレイヤーは時間とともにファンになり、いずれあなたのゲームを広めてくれるようになります。口コミは、認知度や売上を上げるための非常に優れた方法です。

Réjon:『Spirit Swap』はまだ発売していませんが、過去に発売を行った経験から(特にマーケティング面で)やったほうがいいと思うのは、プレイヤーやインフルエンサーのフォローアップ、ファンアートのリツイート、プレイヤーからのコメントへの対応、プレイヤーが上げた動画のシェアなどです。ゲームを遊んでくれた人が、ゲームの発売を共に祝えたことを誇りに思えるようにしましょう。また、プレイヤーに Steam でレビューを残すようにお願いすることも有効です。

『The Business of Being an Indie』ラウンドテーブルのオンデマンド録画をぜひご覧ください。また、Soft Not Weak 社Broken Arms Games 社Strange Scaffold 社を Twitter でフォローして、さらなる知見を得ましょう。

Nintendo Switch は任天堂の商標です。

免責事項:これらのインタビューに含まれる情報および意見は、インタビュイーによるものであり、ここでは情報提供のみを目的として提供されています。Unity およびその関連会社は、不正確な情報、遅延した情報、不完全な情報、およびそれらに依存して行われたいかなる行為についても、一切の責任を負わないものとします。各個人および会社に関する情報は、Unity が確認したものではなく、当該の個人または会社から提供されたものです。
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