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テクノロジー分野の女性先駆者たちを称えよう

2022年3月18日 カテゴリ: ニュース | 12 分 で読めます
Three-paneled image showing people, an underwater scene, and a person using a VR headset
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女性史月間は、歴史、文化、社会における女性の見過ごされしまいがちな貢献を称えるための期間であり、毎年さまざまな行事が行われています。

女性史月間にちなみ、テクノロジーを使って世界を変えようとしている 4 人の先駆的な女性 Karen Williams 氏、Gayatri Parameswaran 氏、Kat Cizek 氏、Susanna Pollack 氏にインタビューしました。以下、偏見を乗り越えた経験、リアルタイム 3D とテクノロジーの世界に飛び込むためのアドバイス、そして彼女たちがインスピレーションを得た瞬間について語っていただきます。

Image of Karen Williams and her work

Karen Williams 氏はゲーム開発者であり、ジョージア州アトランタを拠点とする受賞歴のあるインディーゲームスタジオ、Hiccup Interactive の創設者でもあります。

クリエイターとしての経験をたずねたところ、彼女はプログラミングを大学入学直前から始めたと話してくれました。しかし、当時の Karen は、同世代の女性たちと比べて自分が遅れていると感じており、同じように感じている女性たちとの出会いを重ねていました。彼女は、そのような不全感を解消し、包摂性を広めるために、何かをすることを決意したのです。「今、私は自分のしていることをできるだけ声に出すようにしています。私は自分の成長を示し、業界の他の女性を励まし、黒人の若者にも手を差し伸べています」と彼女は言います。彼女はこの包摂的なアプローチにこだわります。「自分の情熱が導くものが何であれ、私は他人を巻き込み、共に成長してもらうようにしています」。また、意図的に目立つように制作活動を行うことで、「今まで考えもしなかったことに情熱を感じ、すぐに取りかかる人がいるかもしれない」と考えています。

Karen は、リアルタイム 3D に興味を持つ女性に対して、辛抱強く学習することを勧めています。「開発には、どんな問題に対しても 100 万通りものアプローチがあるのが魅力です。ただ、初めはアプローチする方法が多彩すぎて圧倒されてしまうこともあるでしょう。あれこれ試してやることが大きくなりすぎてしまう前に、自分自身を成長させ、どのような選択肢があるのかを理解する時間を設けましょう。小さく始め、質問し、同じ道を歩む仲間を探すのです」。

Karen は、職場の上司がゲーム業界に関する大きなインスピレーションを与えてくれたと語ります。「私の上司は、私の会社で唯一の黒人女性開発者で、素晴らしい開発者であり、私たちの部署のリーダーでもあります。私がいつも手に入れたいと願っている自信と技術を、彼女が体現しているように感じました。スキルを持つ彼女を直接見ることで、参入したばかりの業界で威圧感を感じなくなりました。挫折したり、取り残されたりすることなく、失敗しながら成長していけると感じました」。Karen と彼女の上司は、インクルージョンを実践しており、私たちは、彼女たちが技術やリアルタイム 3D の分野で他の未来のリーダーを支持していることをとてもうれしく思っています。

Image of Gayatri Parameswaran and her work

Gayatri Parameswaran 氏はインパクト志向のクリエイターで、没入型コンテンツのディレクターでもあるという人物です。彼女は、パートナーの Felix Gaedtke 氏と共同で、NowHere Media を設立しました。このスタジオは、ベルリンでバーチャルリアリティ体験や拡張現実体験のデザインで高い評価を得ています。このスタジオのポートフォリオには、インドのティーンエイジャーに「性の健康(Sexual Health)」について教育するための AR 体験『Teenbook India』などが含まれています。

「アートと技術、それに社会的影響との絶妙な交差点」での創作に興味を持つ人たちに向けて、Gayatri は、「常に自分自身に『なぜ、その作品を作るのか。誰がその作品から恩恵を受けるべきなのか今の風景にどんな付加価値をつけているのか』を問いかけること。これらの問いに対する答えは、必ずしも簡単に見つかるものではないかもしれませんが、クリエイティブなプロセスの指針となります」とアドバイスします。

技術分野で女性クリエイターとして活躍する上で、Gayatri は偏見を持たれた経験があると言います。「テクノロジーの世界で活躍する女性アーティストとして、少しずつ自信と余裕を持てるようになってきました。これまでは、耳を傾けてもらうために意識的に戦ってきました」。Gayatri はパートナーの Felix と一緒に仕事をしていますが、両者の間にはクリエイターとしての扱われ方に微妙な、しかし意味のある違いがあることに気づいています。「Felix と一緒に、しばしばクリエイティブなことや技術的なことに関してミーティングに参加することがあります。そして、しばしば、その場に多くの偏見があることに気づきます。ミーティングをしている相手は、技術的な話をするときは無意識のうちに Felix に視線を向け、技術的でない『ソフトな』テーマでは、私に視線を向けるんです。これは私たちのシステムや振る舞いに深く根付いているのです」。彼女は、仕事場でこうした矛盾を訴えることが、恥じることなく偏見と向き合い、より安全な職場環境を作ることにつながると考えています。

Gayatri は、公正で公平、かつ持続可能な世界、つまり自分が住みたいと思う世界を築くことができると信じています。彼女は、「社会から疎外された人々や正しく評価されていないコミュニティと協力し、多様性のあるチームや視点を選んでクリエイティブなプロセスで発言し、最終結果が私たちみんなが住む世界にポジティブな影響を残すようにする」ことによって、これらの価値観をクリエイティブな作品に融合させています。

Gayatri が尊敬する女性について尋ねると、「個人的なレベルでは、私は母を尊敬しています」と答えてくれました。「困難な時にどう手を差し伸べるか、保護することと自立を認めることのバランスをどうとるか、周囲からエネルギーを引き出し、同じエネルギーをコミュニティに還元する方法、仕事のあらゆる側面を丁寧に扱う方法、自分自身と周囲の人を尊重する方法、自分のアプローチに正直かつ信頼を持つこと、などなど。彼女に育てられたというだけで、私は多くのことを学ぶことができました」。また、Gayatri は、「Arundhati Roy、Gayatri Spivak、Ursula Le Guin、Donna Haraway、Margaret Atwood、Virginia Woolf といった思想的なリーダーたちのキャリア」からもインスピレーションを受けていると言います。ここに挙げられた名前は、すべて Gayatri のように、自分の仕事を活かして変化を起こそうとしている女性たちのものです。

Image of Kat Cizek and her work

Kat Cizek 氏は、カナダのドキュメンタリー映画制作者であり、MIT Co-Creation Lab のディレクターです。彼女はさまざまなメディアにおけるキャリアを積んでいますが、特に有意義でインパクトのある作品を作るために必要なコラボレーションに関心を持っています。

Kat はそのキャリアを通じて、「この業界、特に縦割りになっている技術的な組織での仕事において、『有害な男らしさ』に触れることが多かった」と話します。「孤独で怖い時代でしたね。しかし、私は数多くの集団や非常に緊密につながったチームを形成し、そこで働くことができたことに大きな喜びを感じています。それが、私が最も好きな働き方です。徹底的なチームワーク。そして、共創です」。

彼女は、特に技術やリアルタイム 3D に興味がある女性には、勇気を持つことを勧めています。「何事にも恐れず、挫けず。リアルタイム 3D と IRL(In Real Life; 実世界での体験)を組み合わせれば、空を飛びながら地上にいることだってできるんです!」Kat は、幼少期に一緒に暮らした祖母から常に影響を受けてきたと話します。「祖母は 1950 年代のチェコスロバキアで、医学の、そしてほとんどすべての分野の、最初の女性教授でした。彼女はとても自信に満ちていて、臨床にも、当時最先端の科学であった小児内分泌学の研究にも、献身的に取り組んでいたのです。退職してカナダに渡り、その後 70 年代には家族計画連盟のボランティアをしていたそうです。想像してみてください!」Kat の家系は、創作意欲と社会還元意欲が旺盛なようです。

今後について、Kat は Co-Creation Lab に注目しています。「ここは集団的創造とはどのようなものかについて、さまざまな輪郭を描いてきた場所です。それを記録し、正当性を与えたい。居場所を与えたいんです」。実際、Kat と彼女の同僚たちは、『Collective Wisdom: Co-Creating Media for Equity and Justice』という本を書いているところです。この本は、MIT Press から今年中に出版される予定です。ぜひ読書リストに入れておきましょう!

Image of Susanna Pollack and her work

Susanna Pollack 氏はテック業界のリーダーであり、Games for Change(G4C)の代表を務めています。G4C は「社会的影響の交差点にあるゲームとテック空間に根ざした非営利団体」です。

Susanna は、映画業界やテレビ業界で働いた経験を活かし、インタラクティブメディアの可能性に惚れ込んで、その分野で仕事をするようになりました。「ゲームを知れば知るほど、自分の未来がはっきり見えてくるようになったんです。ゲームはまさに 21 世紀のストーリーテリングのためのプラットフォームです」。Susanna は、2017 年に開始された G4C の取り組み「XR for Change」に特に関心を持っています。「没入型技術を活用することで、変化の仕方に大きな影響を与える機会」と捉えているからです。

技術と社会的影響の交差点で創作に関わることに興味を持つ女性へのアドバイスとして、Susanna は、自分がやっていることを好きになることが重要だと言います。「プロジェクトを選ぶときは、自分の情熱に集中すること。専門家でなくてもかまいませんが、情熱がなければ人を導くことはできないのです。技術を使って何かを作ることには長い時間がかかりますが、情熱があれば物事を成し遂げる粘り強さを維持することができます!」

Susanna の Games for Change での活動を見れば、彼女の行動に実際にこの哲学が表れていることがわかります。また、最近では 2 つの興味深いプロジェクトのエグゼクティブプロデューサーを務めています。1 つ目は Nobel Peace Center と共同で行っている『Minecraft:Education Edition』で、これは学生に 4 人のノーベル平和賞受賞者について学んでもらい、積極的に社会に変化を起こす人になる意欲を掻き立ててもらおうというものです。もう 1 つは『On the Morning You Wake (to the End of the World)』と題した、2018 年に誤ったミサイル警報を受けたハワイの人々となって、その体験に直に触れ、核兵器による暴力の恐怖について考えさせる、VR ドキュメンタリです。『On the Morning You Wake』は、受賞歴のあるクリエイター、Atlas V と Archer's Mark が制作し、サンダンス映画祭と SXSW で上映されました。

Susanna は、インパクトのある仕事をするためにもう 1 つ欠かせないのは、関わる人の価値を認めること、そして人との関係を大事にすることだと言います。「私は、変化をもたらす最良の方法は、パートナーシップを通じて行われるものであると確信しています。私にとって、人とつながること、つまり人間関係を培い、育てることは、期待以上の成果をもたらすものです。私は、話をする人すべてにそのようなアプローチをとるようにしています」。彼女にとって、どんな会話も新しいチャンスなのです。

Karen、Gayatri、Kat、Susanna の 4 人に対し、私たちと知恵を分かち合い、技術的な分野で活躍する他の女性たちを応援するお話をしてくれたことへの感謝の意を表します。

2022年3月18日 カテゴリ: ニュース | 12 分 で読めます

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