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Unity 2020.2 TECH ストリームがダウンロード可能になりました

2020年12月15日 カテゴリ: テクノロジー | 9 分 で読めます
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Unity 2020.2 TECH ストリームでは 400 を超える改善点が盛り込まれました。引き続き、ワークフロー、安定性、およびパフォーマンス改善に関する取り組みを進めてまいります。この記事の続きの部分で、重要なポイントをいくつかご紹介していますので、ぜひご一読ください。

Unity は 2020 年に向けた計画を立てていました。この計画において、皆様にとって Unity がより良いものになるよう、様々なことをより良い形で進めていこうとしました。そして私たちは実際にそうしました。私たちは優先順位を見直し、皆様からの声に耳を傾けるようにしました。すべてのユーザーのために、パフォーマンスと Unity を使った開発体験を向上させるために努めてきました。そうすることで、皆様がより素早く、ビジョンを現実にできるようにしたかったのです。

Unity 2020.2 TECH ストリームには、本制作より前の段階のプロジェクトに取り組んでいる方、あるいは最先端の技術を駆使して競争力のある製品を作りたい方のための、最新機能がすべて盛り込まれています。本バージョンの Unity では、スムーズなアップグレードパスも確保されています。こちらのウェブサイトからダウンロードして、すぐにご利用を開始していただくことができます。

皆様の開発時の体験を向上させるというお約束のもと、2020 年に Unity はリリース体制を変更しました。私たちは量より質を取ることにし、年ごとのリリース回数を 2 回に減らし、エンジニアがより長い期間安定化に力を注げるようにしました。

特定のバージョンの Unity で本制作を進めようとされている場合は、Unity としては、最新の長期サポート(LTS)バージョンの Unity をお使いいただき、最も安定性の高い環境で作業をしていただくことをおすすめしています(このため、Unity Hub のデフォルトのダウンロードバージョンは LTS となっています)。現在の最新の LTS バージョンは Unity 2019 LTS です。Unity 2020 LTS は、この記事の残りの部分で概要をお伝えする機能セットに加えて、さらなる安定化とバグ修正を搭載した形で、2021 年の春に皆様にお届けできる見込みです。

Unity 2020.2 TECH ストリームに搭載されている機能

Unity 2020.2 TECH ストリームが本日よりダウンロード可能になりました。このバージョンには、皆様の生産性を向上させ、クリエイティブプロセスに集中していただけるようにするためのワークフローに対する改善が満載されています。ワークフローはよりスムーズになり、皆様はより多くの成果をより早く挙げられるようになります。加えて、プロジェクトを最適化するためのツールもさらに搭載されています。ここでは、いくつかの機能について掘り下げて解説し、皆様がそれらの機能の利用を開始するための詳細とリソースを提示したいと思います。より詳細なことを知りたい方は、下のティーザー動画をご覧いただくか、または Unity の概要ページに移動して、その内容をご確認ください。

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グラフィックスレンダリング

Unity 2020.2 TECH ストリームでは、ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)の新機能や改善が追加されています。これにより、ビルトインのレンダーパイプラインとの機能パリティにより近づきました。スクリーン空間アンビエントオクルージョン(SSAO)によって、シーン内の環境光のビジュアル品質が向上しました。ビルドデータのサイズが軽減され、読み込み時間も短縮されています。また、新しい Complex Lit シェーダーによって、クリアコートマップを使ってカーペイントのようなマテリアルをシミュレートすることもできるようになりました。

HD レンダーパイプライン(HDRP)に、改良されたライティングデバッグツールが搭載されるようになり、デカールシステムも改良されました。パストレーシングは有機的なマテリアルについて、フォグによる光の吸収とサブサーフェススキャッタリングをサポートし、新しい被写界深度モードでは、高品質なデフォーカスぼかしなどを適用した、パストレーシングによる画像を生成できるようになりました。最新バージョンの HDRP には、レイトレーシングの改善も取り込まれています。

最後にお伝えするのは、新しい HDRP サンプルシーンが搭載されたことです。このシーンには、複数の物理ベースの光の強度設定が含まれています。現実のようなシーンを HDRP で作ろうとするときの最初の足掛かりとして最適です。

アーティスト、映像制作向けツール

創造性が高まるフロー状態に留まり続けていただくために、制作時の体験を向上させる修正、パフォーマンスの改善、アーティスト向けワークフロー全体を改善するための安定性の向上など、いくつかの改善を加えました。映画的な表現や、その他動画や映像コンテンツを制作するために、アップデートされたツール群をご利用していただけるようになりました。

シェーダーグラフにテクニカルアーティストのためのワークフローを改善するための新機能が複数搭載されました。これには、グラフエディターのパフォーマンス向上などが含まれます。

Visual Effect Graph が更新され、Output イベントが搭載されました。ユーザーはこれを使って、光、音、物理的な反応、C# のデリゲートインターフェースを介したスポーンイベントに基づくゲームプレイなどを同期させることができます。

Animation Rigging パッケージが検証済みに移行しました。これにより、アニメーション化されたスケルトンに対して実行時にプロシージャルな制御を加えたり、新しいアニメーションクリップを Unity エディター内でオーサリングしたりすることが可能になります。

グローバルイルミネーションについて、GPU ライトマッパ―と CPU ライトマッパーの扱う光の反射回数の上限が引き上げられました。加えて、これらのライトマッパーでは、ライトマップの品質の向上を目的としてブルーノイズサンプリングが使用されるようになり、Unity 2020.2 に合わせた複数の改善も同時に盛り込まれました。

2D のメニューの項目が合理化され、オブジェクトやアセットを作成するための専用の最上位メニューが設けられました。2D Animation はバージョン 5.0 において、以前はスタンドアロンのパッケージだった 2D IK を取り込みました。これによって、アニメーターは 2D スケルタルアニメーションを使って、連鎖したボーンの位置と回転を、その親のボーンに従う自然な形で自動的に計算させることができるようになり、作業時間を節約することができるようになりました。加えて、2D のデフォルトアセットにさまざまなプリミティブ形状と、その形状に応じたをコライダー、およびオプション群を持つ 2D のゲームオブジェクトが追加されました。

エディターとチームのワークフロー

Unity Hub バージョン 2.4.2 では、プロジェクトの管理、ダウンロード、Unity エディターのバージョンおよびモジュールに関するワークフローが改善されました。Quick Search にはさらに多くのサーチトークンと、クエリのタイプ時に文脈に応じた補完を行う機能を搭載した便利なパッケージとなっています。また、検索はこれまで開いているシーンのみを対象としていましたが、プロジェクト内のすべてのシーンとプレハブを検索の対象とするようになりました。

プレハブのインポートに関する改善には、パフォーマンスの向上、スケーラビリティ、キャッシュ可能性に関するものが含まれます。たとえば、私たちのテストでは、検索の速度が 50 倍向上しました。また、その他のユースケースではさらに速度が向上することもありました。加えて、プレハブが AssetPostprocessor をサポートするようになりました。これによって、ポストプロセッサーがプレハブに変更を加えられるようになりました。

アセットインポートパイプラインの最適化も複数盛り込まれています。また、より大規模なチームやプロジェクトのサポートに焦点を置いた関連技術に対する改善も加えられています。

PhysX に関する改善も複数行われ、本バージョンで利用可能となっています。この改善には、PhysX を使って、Rigidbody の階層を ArticulationBody の階層に通常のジョイントでリンクする機能が含まれています。

このリリースには開発時の体験を全体的に向上させるための改善も多数盛り込まれています。配列とリストの要素の並び替えをインスペクター内で行えるようになりました。必要のない場合は、[NonReorderable] 属性を使ってこの機能を無効にすることもできます。シーンの移動・回転・拡大縮小ハンドルの線が太くなりました。この線の太さは設定により変更することができます。2D Array と 3D テクスチャへのテクスチャインポートパイプラインを使うときに、フリップブック配列またはフリップブックになった 3D テクスチャをインポートできるようになり、また、カスタムの C# コードを書かなくても直接プレビューできるようになりました。ブレンドシェイプが存在する時、それをメッシュインスペクターで可視化できるようになり、また、複数のプレハブを同時にシーンにドラッグして取り込むことが可能になりました。私たちがこれらの微調整についてどのように優先順位を付けているか、またこの微調整に関わる作業をしているチームについて詳しく知りたい場合は、最近公開したブログ記事をご覧ください。

最後に、Unity Distribution Portal へのアップデートが加えられ、プロジェクトレベルの権限を設定できるようになりました。これにより、チームが UDP プロジェクトで作業する時により広い選択肢を提供できるようになります。

プログラマーツールとパフォーマンスの改善

プロジェクトの複雑度が増してくると、新しくコードに変更を加えたときのコンパイルに時間がかかるようになってきて、チームのワークフローや生産性に影響を及ぼし始めます。Unity 2020.2 に向けて、コンパイル時間を最適化するために役立つ複数の機能を設計しました。Unity 2020.2 では、Roslyn 参照アセンブリオプションがデフォルトで有効になっており、エディターで C# スクリプトをコンパイルする際に、asmdef 参照の不要な再コンパイルを避けるようになっています。コードと関係ない部分の変更、たとえばマテリアルやシェーダー、プレハブなどへの変更を行った場合、プレイヤーをビルドする際の IL2CPP による .NET アセンブリの C++ への変換はすべて省略されるようになりました。また、コンパイルのパイプラインで Roslyn アナライザーがサポートされるようになりました。

Unity セーフモードを使うことで、起動時にスクリプトのコンパイルエラーを解決することができるようになりました。この機能はアセットのインポートを省略し、最小限の機能のみが使えるエディターを起動することで、スクリプト以外のアセットのインポートを行う前にプロジェクトを動作する状態に戻すための環境を提供します。

Unity 2020.2 では、デフォルトインターフェースメソッドを除く、最新の C# 8 の機能と改善がすべてサポートされます。また、Time.deltaTime の返す値が一貫していない問題を修正して、ゲームプレイ中にオブジェクトの動きをぎこちなくなる現象が発生しないようにしました。

この他にも、最適化につながる改善をいろいろと盛り込んでいます。たとえば、エディターのスクリプト化されたインポーターの登録機能は最大で 800 倍の高速化を達成していることが検証されました。Camera.main のリファクタリングも行われ、メインカメラの検索にかかっていた時間を短縮し、一部のプロジェクトでは数百ミリ秒の時間短縮に成功しました。

Root 名前空間が asmdef インスペクターにおける新しいフィールドとして利用できるようになりました。Root 名前空間は Unity、Visual Studio、および Rider でスクリプトを作成するときに名前空間を追加するために使われます。

エディターコルーチンがプレビュー版ではなくなり、実行時に MonoBehaviour スクリプトの内部でコルーチンが扱われるのと同様の方法で、エディター内でイテレーターメソッドの実行を開始することができるようになりました。Configurable Enter Play Mode は実験的機能ではなくなりました。

Unity Linker にも API の更新があり、Mono IL Linker と同等の機能を搭載するようになったほか、link.xml ファイルの使用が必要になるケースを削減する一部のパターンを検出できるようになりました。

Profiler Window に図を追加できるようになり、既存のプロファイラー統計またはユーザーが生成したプロファイラー統計のどちらについても、より深いパフォーマンスに関する知見や文脈を読み取ることができるようになりました。また、レンダーおよびメモリのプロファイラー統計を、プレイヤー内の API を使って可視化することができるようになりました。

プラットフォーム

モバイルと拡張現実(AR)開発に特に重点を置いて、Unity 2020.2 ではプロセスをよりスムーズにするための新機能と改善が盛り込まれています。

Unity 2020.2 では、Unity の AR 開発向けマルチプラットフォームフレームワークである AR Foundation に、メッシュ作成のサポートが盛り込まれました。バーチャルコンテンツが現実世界の物体で隠されるようになり、また物理環境とリアルな形で相互作用を起こすようになることで、AR 体験は現実世界とよりシームレスに混じり合うようになります。

Samsung Adaptive Perfomance 2.0 に新たなサンプルプロジェクトが追加されました。これは Variable Refresh Rate、Scalers、および任意のデバイスで Adaptive Performance をエミュレートするための Adaptive Performance Simulator 拡張など、さまざまな機能を紹介するためのプロジェクトです。

スタンドアロンプレイヤーについて、Apple Silicon のネイティブサポートが搭載されているため、次世代の Mac ハードウェアをターゲットにすることも可能になりました。

2021 年へのロードマップ

2020 年の私たちの仕事は、これから私たちが歩を進めるための基礎を築くものでした。私たちはより少ないことに集中し、そしてそれらをより良い形で遂行するということを行っています。また、皆様にとって最も重要な機能の品質を向上させるために、より大きなリソースを割り当てるということも行っています。

2021 年に私たちが重点を置く領域について詳しく知りたい方は、最近公開したブログ記事をご覧ください。また、Unity の舞台裏や目標を達成するために仕事をしているチームについてみてみたい方は、開発者ダイアリーシリーズの最適化チームの記事や、「Quality of Life」チームの記事をご覧ください。

Unity 2020.2 は 2020 年に TECH ストリームからリリースする最後のリリースとなります。Unity 2020 バージョンとしての次のリリースは Unity 2020 LTS となり、現時点では 2021 年の春のリリースが予定されています。Unity 2020 LTS は TECH ストリームの Unity 2020.1 および Unity 2020.2 のリリース時に搭載されたすべての新機能と改善を含み、その後のアップデートで加えられた修正もすべて含みます。このようにして、長期サポート(LTS)では、近い将来にプロジェクトを出荷しようとしている方に向けて、最大限の安定性を提供するようにしています。

詳しい情報を得よう

リリースノートでは本リリースで利用可能な機能の概要がすべてお読みいただけます。また、Unity 2020.2 の概要ページにアクセスしていただき、関心のある領域についてより詳しい情報を掲載したページへとたどっていただくことも可能です。プログラマーツールアーティストツールエディターとチームのワークフローグラフィックス、およびプラットフォームサポートに関するページが個別に設けられています。

コミュニティからのフィードバックは Unity にとって最も大切なものです。Unity 2020.2 に関するご意見をぜひフォーラムにお寄せください。

Unity 2020.2 ベータ版のプレゼントご当選者発表

ベータ版のご提供期間中に、テストとフィードバックのご提供に貢献してくださったことについて、コミュニティへの感謝をここに表します。感謝のしるしとして、この期間中にバグレポートを送信してくださった方を対象にプレゼント企画を行っておりました。今回のプレゼントである Oculus Quest 2 のご当選者 8 名には、すべてのご応募を処理したのち、直接ご連絡を差し上げます。ご当選おめでとうございます!

今後数か月のうちに、Unity 2021.1 ベータ版に関するお知らせをいたします。Unity 2021.1 のアルファ版につきましては、すぐにお試しいただくことが可能になっております。

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