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Unity の新しいリリースプラン:TECH ストリームと長期サポート(LTS)ストリームの導入

2018年4月9日 カテゴリ: テクノロジー | 6 分 で読めます
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GDC にて、私たちは Unity の新しいリリースプランを発表しました。新しいリリースプランは TECH ストリームと長期サポートストリーム(LTS)の 2 つのストリームで構成されます。TECH ストリームでは毎年 3 回のメジャーリリースがあり、各メジャーリリースには新機能が盛り込まれます。その年のうち最後にリリースされた TECH ストリームでのリリースがその年の LTS ストリームでの最初のリリースとなり、翌年へと持ち越されます。このブログ記事では、新しいリリースサイクルの思想を説明し、続けてよくある質問への回答を提示します。

TECH ストリームと LTS ストリームの導入により、それぞれのリリースを 1 年間サポートする現在の体制から大きく転換することになります。新しいリリースサイクルでは:

  • TECH ストリームでの、あるメジャーリリースのサポートは、そのメジャーリリースの次のバージョンがリリースされると同時に終了します。
  • LTS ストリームでのリリースは 2 年間サポートされます。

それぞれのリリースへの Unity のアプローチは上記に述べた以外の点でも変化します:

リリース回数が 4 回から 3 回に変更:これまでの年 4 回リリースを行う体制から、年に 3 回 TECH ストリームでのリリースを行う体制に移行します。

その年の最初のリリースは春に行う:TECH ストリームは毎年春に開始するものとします。今年のリリースバージョンは 2018.1 から始まります。春にリリースを行った後は、夏と秋にそれぞれリリースを行います。

バグフィックスの頻度:TECH ストリームでは毎週バグフィックスをリリースします。これに対して、LTS ストリームでは隔週でバグフィックスをリリースします。

パッチからアップデートに変更:毎週リリースされるパッチには「.p#」サフィックスが付与されなくなります。これはパッチに対するテストを改善して、リリースするものはパッチではなくすべてのユーザーにお使いいただけるアップデートになると判断したためです。

新しいストリームの運用

最初の LTS ストリームでのリリースは 2017.4 となります。これは 2017.3 に最新のアップデートを適用したリリースです。「2017.3」から「2017.4」へのバージョン番号の変更は、新しい LTS サイクルが開始したことを示します。つまり、「xxxx.1」「xxxx.2」「xxxx.3」というバージョン番号がつけられたリリースは TECH ストリームでのリリース、「xxxx.4」というバージョン番号がつけられたリリースは LTS ストリームでのリリースであることを示しています。

TECH ストリーム、LTS ストリームの両方で行われる定期アップデートでは、連続したバージョン番号がつけられます。たとえば、2017.4.0 の次は 2017.4.1、2017.4.2、2017.4.3、...のように、アップデートごとにバージョン番号が上がっていきます。

下の図は 2 つのストリームがどのように運用されるかを示したものです。青いボックスは TECH ストリームを、緑のボックスは LTS ストリームの開始を示します。

新しい TECH ストリームと LTS ストリーム

よくある質問

なぜ Unity は現在の体制を変更するのですか?

リリースを TECH ストリームと LTS ストリームとに分けることで、顧客のニーズに沿って、私たちの製品の価値を最大化できると考えたからです。開発サイクルのどのフェーズにいるかにより、新しい機能(TECH ストリームのリリース)を試したいか、新しい機能の追加は必要とせず、いま使っているバージョンのバグフィックス(LTS ストリームのリリース)だけ受け取りたいかが決まると思われますが、これらのニーズに各々対応できるメリットもあります。

開発の初期段階や途中段階にあるチームや、最新機能について調査されている方に向けては、TECH ストリームでのリリースという形で新しい機能をすべて盛り込んだ最新バージョンの Unity をリリースします。開発の終盤にあるチームや、すでにリリースされたゲームを運用されているチームに向けては、LTS ストリームからバグフィックスのみを追加したバージョンをリリースします。

この変更の背景にある最も重要な思想はどのようなものでしょうか?

サポート対象とするストリームを 2 つに絞り、LTS ストリームからのリリースではバグフィックス以外行わないよう厳密に管理することで、顧客へのサポートをより効果的で、より効率のよいものにすることに注力したいという考えがあります。TECH ストリームで次々に出てくる新技術にフォーカスし、LTS ストリームで成熟した機能を搭載したバージョンへの長期サポートを提供すれば、ユーザーからの多様なニーズの大半に応えられると見込んでいます。ただ、ユーザーからのフィードバックは引き続き受け取りますし、この体制の運用を行っていく中でプロセスは継続的に改善していきます。

TECH ストリームと LTS ストリームとのつながりは何でしょうか?

新しい TECH ストリームが始まったとき(たとえば、バージョン 2019.1 がリリースされたとき)、その前のバージョン(この例では 2018.3)には 2018.4 というバージョン番号がつけられ、LTS ストリームからのリリースとなります。

TECH ストリームからのリリースに対しては、どの程度の頻度で更新があるでしょうか?

TECH ストリームでは毎週更新がリリースされます。TECH ストリームの開発リソースの大半が TECH リリースを可能な限り早く安定させ、改善するために注入されます。

LTS ストリームについて、リリース後に出た要件に応じた開発や機能の統合はどのように進められますか?

LTS ストリームを 2 年間サポートすることの意義は、顧客が使いたいバージョンを使い続けられるようにすることです。LTS リリースの後に生じた、サポートを必要とする変更はケースバイケースで追加対応を行います。

なぜ「.4」というバージョン番号を使ったのですか?

2 年間のサポート期間の始点をはっきり示したかったからです。また、新しい LTS ストリームを新しい TECH ストリームとほぼ同時に始めるようにしたかったという面もあります。

LTS とは何の略ですか?

LTS は「Long-Term Support(長期サポート)」の略です。

LTS ストリームのサポート期間はいつまででしょうか?

LTS ストリームからのリリースは、それぞれ、リリースがアナウンスされた時点から 2 年間サポートされます。

LTS ストリームの対象ユーザーはどのようなユーザーでしょうか?

LTS ストリームは安定したバージョンでゲームやコンテンツの開発、リリースを引き続き行いたいというユーザーに向いています。

TECH ストリームの対象ユーザーはどのようなユーザーでしょうか?

TECH ストリームは最新機能を試したり、最新の Unity が提供する機能にキャッチアップしたいユーザーに向いています。

LTS ストリームで対処される主な問題は何でしょうか?

LTS となったバージョンには、新機能や API の変更または改善などは盛り込まれません。LTS ストリームのアップデートでは、クラッシュ、リグレッション修正、コミュニティの広範囲にわたって影響する問題、コンソール機向けの SDK/XDK、多数のユーザーがゲームのリリースを行えなくなる可能性がある大きな変更などに対処します。

TECH ストリーム、LTS ストリームの両方にアップデートはありますか?

はい。どちらのストリームにもアップデートがあります。

TECH ストリームでは毎週アップデートがリリースされます。ただし、TECH ストリームからリリースされたあるバージョンへのアップデートは、次のバージョンがリリースされると終了します。たとえば、2018.2 がリリースされると、2018.1 に毎週行われていたアップデートは終了します。また、2018.3 がリリースされたら、2018.2 へのサポートは終了します。

LTS ストリームからリリースされたバージョンに対しては、最短で 2 週間に一度、アップデートがリリースされます。アップデートは 2 年間続けられ、バージョン番号は、たとえばバージョン 2018.4.0 から始まる LTS ストリームでのアップデートの場合は、2018.4.1、2018.4.2、...、2018.4.24 のようになります。

TECH ストリーム、LTS ストリームのそれぞれからのリリースにおけるアップデートにつくバージョン番号に変更はあるでしょうか?

TECH ストリームと LTS ストリームの両方で、すべてのアップデートには「.f」サフィックスが付与されます。これは両方のストリームからリリースされるバージョンが、パッチではなく完全にテストされた、すべてのユーザーにお使いいただけるものであることを示します。

各ストリームでリリースされるものをパッチとは呼ばずアップデートと呼ぶのはなぜですか?

私たちはこれまでパッチに付与してきた「.p」サフィックスを「.f」サフィックスに付け替えます。これは各ストリームから定期的にリリースされるものがパッチに対するテストからより拡張したテストを経てリリースされているためです。アップデートの作業にあたっている Sustained Engineering QA チームでは少し前まで行っていた、パッチリリースに入れるバグフィックスの検証に追加したテストを実施するようになりました。この拡張されたテスト工程(リリース受け入れ試験と呼ばれるもの)は、さまざまな領域をまたいで行われる手動テストのホスト全体を使って実施されています。このため、パッチリリースと公開リリースにまとめる作業の両方を行う必要がなくなりました。

5.6、2017.1 などの古いバージョンはどうなるのでしょうか?

これまでに述べた通り、2017.3 が 2017.4 となり、同時に 2017 バージョンの LTS の初期バージョンとなります。これまでに告知している通り、古いバージョンには「.p」サフィックスがつけられたパッチリリースによるサポートが、それぞれのバージョンがリリースされた時点から 1 年間にわたり行われます。

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