Unity を検索

FBX Exporter ― Autodesk 3ds Max・Autodesk Maya とUnity とのラウンドトリップ

2018年11月13日 カテゴリ: テクノロジー | 5 分 で読めます
取り上げているトピック
シェア

Is this article helpful for you?

Thank you for your feedback!

昨年は、Autodesk の 3ds Max や Maya と Unity との間でラウンドトリップによるシーンの作成を可能にする「Unity FBX Exporter」の発表が行われました。本記事では、本日(2018 年 11 月 13 日)行われた Autodesk との更に一歩踏み込んだ提携に関する発表と関連して、現在進行中の、Shotgun ソフトウェア・Revit・VRED などの Autodesk 社製ツールと Unity との間における画期的な相互運用性の構築に関する詳細をお届けします。

もうご存知かもしれませんが、Unity の FBX Exporter はゲーム開発における 2 つの一般的なユースケースに対応します。1 つ目は、Unity エディター内でステージのグレーボクシングを行ってから Maya あるいは 3ds Max に切り替え、リリース可能なアセットを使用してステージを完成させるケース。2 つ目は、Unity エディターでゲームプレイを記録し、アニメーションを Maya にエクスポートしてアニメーターがブラッシュアップを行い、その後 Unity に戻ってアニメーションを Timeline トラックに追加するケースです。

この 2 つのユースケースについて詳しく見て行きましょう。

静的シーンのエクスポート

「グレーボクシング」というのは、白い(あるいは灰色の)ボックスを使用してゲームのステージを作成する手法に由来する言葉です。このように早期においてコストの高いモデルやテクスチャーを避けることで、ゲームデザイナーは、ゲームの最終的な見た目がどうなるかを必要以上に気にすることなくゲームメカニクスだけに注力することができます。グレーボクシングは、Unity エディター内で、デザイナーが Unity の多彩なゲームコンポーネントを全て利用できる環境で行われるのが理想的です。ProBuilder(2017 年に Unity に統合済)は、グレーボクシングのための人気のツールで、壁・床・階段などの単純なジオメトリだけでなくプロップや乗り物、キャラクターアイテムなどの動的オブジェクトの構築にも使用できる一貫性のあるツールセットをゲームデザイナーに提供するものです。

デザイナーは、ステージのスケッチング(大まかな構築)を行う際に、物理やナビゲーション、ゲームプレイスクリプト、カメラ、オーディオ、入力コントローラーを追加してステージをプレイ可能な状態にすることができます。他の部署からのアセットの提供を待たずして、この段階での迅速なイテレーションが可能となります。ステージが目標の完成度に達したら、Unity FBX Exporter を使用して、シーン(あるいは個々のアイテム)を FBX 形式でエクスポートできます(これは 2017 年 10 月に対応が開始された機能です)。

エクスポートされた FBX ファイルを Maya あるいは 3ds Max に読み込めば、3D アーティストが、テクスチャーやマテリアル、プロップのアセットを使用してディテールを追加したり、シーンの主要な要素を事前作成されたモデルに差し替えたりすることができます。

Unity の便利な DCC 統合ツール(Maya および 3ds Max 内で利用可能)のお陰で、複雑なオプションやディレクトリ内をあれこれ探すことなく、ワンクリックで FBX ファイルの読み出しや書き出しが行えます。またこの統合により、各ファイルに関してどのオブジェクトがエクスポートされるべきかの情報もトラッキングされるようになっています。アーティストは、エクスポートセットを使用してこの情報を簡単に最新の状態に保つことができます。Unity の DCC 統合ツールは FBX Export Settings 内からインストール可能です。

また FBX Exporter では非破壊的なワークフローも利用可能になります。これは、FBX ファイルへの変更を、レベルデザイナーの追加した Unity 固有のコンポーネント(物理、ナビメッシュ、オーディオソースなど)のすべてを破壊することなく、自動的にプレハブ内にマージし戻すものです。ゲームステージの開発が 3D 担当の作業段階に入るまで命名規則を定めない開発スタジオも多くあります。この場合、グレーボクシングされたステージ内のオブジェクトの名前は、ほとんどが最終版ではないということになります。このような場合でも、FBX Exporter では、Auto-Updater を無効にして、ユーザー自身で未知の FBX オブジェクトを対応する Unity ゲームオブジェクトに一致させて、シーンの編集に対応することができます。

Unity に戻ったら引き続きイテレーションを行うことができます(レベルデザイナーから 3D 担当へ新しい FBX を送り戻すか、あるいは、更新された FBX ファイルを 3D 担当から提供し続けるかのどちらかになります)。ラウンドトリップが可能になることで、アーティストは、目的に適したツールを使ってイテレーションを行うことができるようになります。

アニメーション付きのキャラクターや小道具のエクスポート

FBX エクスポート(2018 年 3 月から対応)のユースケースとしてもうひとつ一般的なのが、ゲーム内のシネマティックシーケンス(カットシーン)用のゲームプレイアニメーションのエクスポートです。

カットシーンにはゲームプレイと同じアセットが使用されることが多いですが、アニメーションを更にブラッシュアップすることができます。キャラクターをゼロから手で作るのは時間が掛かるので、ゲームプレイからアニメーションを録画してそれを Maya でブラッシュアップするのが一般的です。また FBX Exporter は Unity の Physical Camera プロパティにも対応しており、アニメーターは、シーンの正確なフレーミングの文脈を Maya 内で確認することができます。

Unity Recorder のアニメーションクリップ対応機能を使用すれば、ゲームプレイをアセットに録画できます。

この新しいアニメーションクリップを Timeline に追加したら、それを FBX クリップとしてエクスポートします。

エクスポートした FBX クリップを Maya 内にインポートします。これでアニメーターは強力な Maya アニメーションツールセットを使用してアニメーションのブラッシュアップを行うことができます。

最終的なアニメーションを FBX ファイルとして再エクスポートし、カットシーンの Timeline に追加します。下のアニメーション動画で、ラウンドトリップ作業の手順をご覧いただけます。

このコンテンツはサードパーティのプロバイダーによってホストされており、Targeting Cookiesを使用することに同意しない限り動画の視聴が許可されません。これらのプロバイダーの動画の視聴を希望する場合は、Targeting Cookiesのクッキーの設定をオンにしてください。

以上の通り、今回の一歩進んだ提携は、マテリアルの相互運用性の更なる向上、Unity と Maya・3ds Max のより密接な連携、そして FBX ファイル形式の改善を実現する機会をもたらすでしょう。

---

ゲーム開発、映像制作、自動車産業、建築設計・エンジニアリング・建設(AEC)業界におけるワークフローを向上させる Unity と Autodesk の提携についての詳細はこちらをご覧ください

Unity と Autodesk の提携 ― ワークフローの効率化で没入型の体験を強化する

リアルタイムデザインによる BIM データのビジュアライゼーション

Autodesk の VRED データでリアルタイムのユーザー体験を実現

Shotgun テンプレート、2019 年に公開予定

2018年11月13日 カテゴリ: テクノロジー | 5 分 で読めます

Is this article helpful for you?

Thank you for your feedback!

取り上げているトピック