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Unity 2021.1 の新しいパッケージマネージャー体験

2021年3月22日 カテゴリ: Engine & platform | 5 分 で読めます
Unity Gen Art
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パッケージマネージャーとは、Unity が開発した機能をオプションのパッケージとして提供することで、ワークフローを高速化し、ランタイムのサイズを最適化するために設計されたモジュラーシステムおよび API のことです。

すべての機能がコアとなるエディターの一部として組み込まれていたモノリシックなアーキテクチャーからの脱却により、目的や求めるパフォーマンスに合わせて開発環境をカスタマイズできるようになりました。

私たちはこれまで、パッケージマネージャー利用時の体験を改善するために数年間にわたり投資を続けてきました。本記事では、Unity 2021.1 TECH ストリームリリースでの変更点をご紹介します。

パッケージの準備状況、サポートされているパッケージ、および品質に関する懸念が明確でないことが、皆さんのワークフローにどのような影響を与えているのかについて、私たちははっきりとお聞きしました。そこで、パッケージを明確にラベル付けして分類することで、サポートされているパッケージとプレリリースのパッケージを簡単かつ迅速に識別できるようにします。今回の変更により、パッケージが各フェーズをどのように通過するのか、また各フェーズのパッケージに何を期待するべきなのかを理解することができ、最終的には Unity におけるパッケージ配布の確固とした標準的手続きが出来上がることを願っています。 この変更が意味すること

パッケージは、エディター上で「リリース済み(Released)」または「プレリリース(Pre-release)」という新しいカテゴリに分類されます。実験的(Experimental)パッケージ(3 つ目のカテゴリー)は、手動でインストールしない限り表示されません。また、視覚的なアイコン表示により、プロジェクトに最適なパッケージが一目でわかるようになります。

実験的(Experimental)

実験的(Experimental)フェーズのパッケージには、手探り的なものや、最先端の機能を含むパッケージが含まれます。これらのパッケージは、製品としてテストされておらず、必ずしもロードマップに含まれているわけではありません。実験的パッケージは、個人やチームがユーザーに直接サポートを提供することもありますが、Unity の公式サポートチャンネルではメンテナンスされません。実験的パッケージは、リリースされずに非推奨とされる可能性があります。

本制作段階に入っているプロジェクトで実験的パッケージを使うことには潜在的なリスクが伴うため、エディターのパッケージマネージャーからは実験的パッケージが見つからないようになっています。しかし、現在進行中の実験的パッケージに関する情報は、フォーラムUnity のベータ版コミュニケーションで見つけることができます。また、テストプロジェクトに追加して開発者と議論する方法についても説明されています。

下の図は、この新しいライフサイクルにおける各フェーズの意味と、フェーズ間の遷移をまとめたものです。

Screenshot showing where the package manager fits in with the releases.

プレリリース(Pre-release)

プレリリースパッケージは開発がアクティブに進められているパッケージで、アーリーアダプターからのフィードバックを必要としているものです。これらのパッケージは、その年の次の Unity LTS(長期サポート)リリースまでに安定した状態になり、リリース段階に達することが期待されています。プレリリースパッケージは、Unity によって公式にサポートされており、ロードマップの一部となっています。これらのパッケージをパッケージマネージャーで検出するには、プロジェクト設定で必要なオプションを有効にする必要があります。プレリリースパッケージに関する情報は、Unity のベータ版に関する各種情報発信チャンネルでも共有されます。

「実験的」および「プレリリース」のフェーズにあるパッケージは、パッケージマネージャーでデフォルトでは見つからなくなります。ただし、これらのパッケージを引き続きご利用いただくことは可能です。パッケージの初期バージョンに対する皆様のフィードバックは、私たちにとって非常に貴重なものであり、パッケージのライフサイクルプロセスの重要な部分を占めています。実験的およびプレリリースパッケージの最新情報をお伝えするために、専用のフォーラムとウェブページを立ち上げています。また、ベータ版の各種情報チャンネルでもこの件に関する詳細をお伝えする予定です。

Screenshot showing how to enable pre-release packages

リリース済み(Released)

リリース済み(Released)は、従来のライフサイクルにおける「検証済み(Verified)」フェーズに相当します。リリース済みパッケージはパッケージマネージャーでデフォルトで検出されるようになっています。これにより、パッケージマネージャーでデフォルトで検出されるパッケージはすべて Unity によって完全に検証されるようになっており、本制作段階のプロジェクトで安全に使用できる環境が実現します。 これは、リリース済みパッケージがテストされ、検証され、Unity のチームの厳格なリリース基準を満たしていることを意味しています。安心してリリース済みパッケージを制作にご利用ください。

リリース済みパッケージやリリース候補のパッケージに関する情報は、Unity マニュアルに掲載されています。

よくある質問

プレビュー版(Preview)としてすでに公開されているパッケージはどうなるのですか。

Unity 2021.1 では、すべてのプレビュー版パッケージは「実験的」に分類されます。Unity のチームは、これらのパッケージが Unity の次の LTS リリースまでにリリースされ、安定した API のセットが提供できる見込みがあると判断した場合、プレリリースに昇格させます。

パッケージは無期限に「実験的」のフェーズにとどまることもあります。こうしたパッケージはサポートされず、リリースされない可能性もあります。

 

実験パッケージを見つけてテストするにはどうすればいいですか。

実験的パッケージの情報は、ベータ版の各種情報チャンネルやフォーラムを通じて得ることができます。これらのパッケージは、リスクが高く、テスト目的にのみ使用されます。これらは通常、製品のフィードバックや特定のテストのニーズを充足させるために発表されます。

 

パッケージが非推奨になったことはどうやって知ることができますか。

実験的パッケージに関する情報は、そのパッケージ専用のフォーラムスレッドで共有されます。

リリース済みのパッケージのうち、非推奨となるものは、一般的な情報発信の一環として広く告知されます。

 

どの Unity のバージョンでどのライフサイクルが使われるのですか。

Unity 2018 から Unity 2020 では、ライフサイクルバージョン 1(プレビュー版、検証済みのフェーズ)が使われます。

Unity 2021 以降は、ライフサイクルバージョン 2(実験的、プレリリース、リリース済みの各フェーズ)が使われます。

 

リリースされたパッケージの新しいバージョンを見つけて、テストする方法を教えてください。

パッケージの新バージョンがリリースされた段階では、「プレリリース」のフェーズにあります。これらのパッケージは、プロジェクト設定で当該のオプションを有効にしている場合に検出することができます。

(※訳注:Project Settings > Package Manager の「Advanced Settings」で「Enable Pre-release Packages」のチェックをオンにしてください。詳細はこちらのフォーラムの最初の投稿をご覧ください。Unity 2021.1.0b12 で確認。)

 

リリースされていないパッケージで、現在利用されていないものはどこで見つけることができますか。

パッケージがプレリリースの段階に至らなかった場合、Unity はそのパッケージの利用可能性やサポートを保証できません。このような場合は、フォーラムのスレッドにアクセスしていただき、状況をご確認いただくことをお勧めします。

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新しいパッケージマネージャーについて、皆様からのご意見をお待ちしております。また、これまでにいただいたご意見にも感謝いたします。ご質問やご意見がございましたら、フォーラムまでお願いいたします。

2021年3月22日 カテゴリ: Engine & platform | 5 分 で読めます

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