コミュニティの素晴らしい開発者の皆さんと直接お会いできるイベントとして Unite を最後に開催してから、もう 2 年が経ちました。皆さんのおかげで、今年の Unite の参加者は過去最多となる見込みです。まだ基調講演をご覧になっていない方は、その内容をまとめたこちらのまとめをぜひお読みください。
CEO の John Riccitiello は「私たちが『より多くのクリエイターがいれば、世界はもっと良い場所になるはずだ』と言うとき、それは文字通りの意味を表しています」と語っています。「なぜなら、クリエイターは人と人を繋ぐからです。なぜなら、私たちは作る喜びを知っているし、この喜びをより多くの人に味わってもらいたいからです」。
彼は、「さて、私たちは創造が難しいことだと知っています」と続けました。「ゲーム制作は、プログラミング、デザイン、アート、ライティング、キャラクター制作、アニメーションなど、多くの分野にまたがり、技術にも精通することが求められるため、非常に難しいものです。私たち Unity の役割は、クリエイターである皆さんがビジョンを実現しやすくするためのツールを作ることです」。
私たちが取り組んでいることの最新情報や知見を提供するために、コミュニティの皆さんに集まっていただくことは、私たちにとってとても重要です。今回のイベントはハイブリッドイベントです。オンラインで、またオースティン、ブライトン、コペンハーゲン、モントリオール、サンフランシスコの各地域では対面で皆さんにお会いして、皆さんのニーズに合ったツールや機能を構築するために、皆さんからのご意見を伺う機会としたいと考えています。
基調講演全編をぜひご覧ください。また、皆さんが素晴らしいゲームを作り出し、それをスケールさせ、成長させていけるように、Unity がゲームエンジンへの投資を継続している主要な分野のハイライトをこの記事の続きにまとめましたので、ぜひご一読ください。
DOTS は Data-Oriented Technology Stack の頭文字をとったもので、Entity Component System(ECS と略される)、Burst コンパイラー、C# Job System の 3 つのパーツで構成されています。壮大なスケールを持つゲームにおいて、DOTS は安全なマルチスレッドコードを書くことができ、パフォーマンスを向上させることができるため、オブジェクト指向のコーディングフレームワークに代わる素晴らしい選択肢となります。簡単に言うと、DOTS を使えば、広大で複雑な世界を構築し、プレイヤーに素晴らしい体験を提供することができるのです。
Unity で DOTS とマルチプレイヤーテクノロジーの開発を統括する Laurent Gibert が発表したとおり、「ECS はついに実験的機能の段階を脱しました。つまり、近日公開予定の Unity 2022.2 TECH ストリームでは、他の機能と同様に、ECS が皆さんのプロジェクトでサポートされることになります」。
Gibert は、データ指向とオブジェクト指向のどちらかを選ぶ必要はない、と強調しました。この 2 つは共存できるものです。つまり、(DOTS を使って)困難なスケーリングの問題を解決しつつ、それ以外の部分についてはこれまでのワークフローに頼ることができるのです。
皆さんに DOTS のスキルをより早く向上させていただくために、ECS ではグラフィックスパッケージ、物理演算機能、Netcode に加え、完全なドキュメント、サンプル、チュートリアルが提供されています。
「ECS はついに実験的機能の段階を脱しました。つまり、近日公開予定の Unity 2022.2 TECH ストリームでは、他の機能と同様に、ECS が皆さんのプロジェクトでサポートされることになります。」
優れたビジュアルの制作には時間がかかります。そこで、私たちのチームは、ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)と HD レンダーパイプライン(HDRP)の両方で、より効率的にビジョンを達成するためのいくつかのアップデートにスポットライトを当てました。
テクニカルアーティストリツールのマーケティングマネージャー Nancy LaRue は、「プロジェクトの初期にレンダリングパイプラインを選択するのは難しいことだというのは分かっています」と言います。「そして、あとから切り替えると複雑な作業になる可能性もあります。そこで、同じプロジェクトで URP と HDRP の両方を使えるように、レンダリングワークフローを修正する作業を行っています」。
このセグメントでは、Forward+ レンダリングや、新たに提供されるデカール機能など、URP の新しいツールをいくつか取り上げ、ビルトインレンダーパイプラインで達成できることと同等か、それ以上のものを達成しました。制作における URP ツールの有効性を示すために、Obsidian Entertainment 社のアートディレクター Hannah Kennedy 氏に登壇していただき、11 月 15 日に発売される同スタジオの新作ゲーム『Pentiment 』について話してもらいました。Hannah のチームが Unity と URP を選んだのは、最初から柔軟なアプローチが必要だったからです。
彼女は、「また、URP の幅広い直接・間接照明ソリューションにより、ゲームの雰囲気を素早く実現し、ドラマ性を高めることができました」とも述べています。
次に、物理ベースの空、雲層、ボリューメトリックフォグ、アダプティブプローブボリューム、Volume システム、そして驚くような忠実度の新しい水システムを使ってダイナミックな環境を作るための HDRP ワークフローを説明するデモを紹介しました。
最後に、この数か月間に皆さんが Unity で実現した、感動的で目を見張るような豪華なゲームの数々を紹介し、グラフィックスのセッションを締めくくりました。下のシズル動画もぜひご覧ください。
シニアテクニカルプロダクトマネージャーの Kiki Saintonge は、「私たちは、マルチプレイヤーゲームの制作からライブ体験の継続的な管理まで、あらゆる側面をカバーするエンドツーエンドのソリューションを目指しています」と説明しました。また、彼女からはマルチプレイヤーサービスの今後の展開についても説明がありました。
マルチプレイヤーゲームの開発・運営は非常に難しいことです。私たちは、皆さんが今までになかったようなマルチプレイヤー体験をデザインする支援をしたいと考えています。そのため、Netcode ソリューションの改良や、マッチメイキングやゲームホスティングなどのサービスをエディターに直接取り込むなどの取り組みを行っています。
その可能性を示すために、Triangle Factory 社の創設者兼 CEO である Timothy "Timo" Vanherberghen 氏に登壇していただきました。彼からは、同社のマルチプレイヤー VR ゲーム、『Hyper Dash』と『Breachers』について、Unity の Matchmaker と Game Server Hosting ソリューションを活用した事例の紹介をいただきました。
Timo は、彼のスタジオが UGS のサービスを選択した理由について、次のように述べています。「自分たちでソリューションを構築することもできましたが、それは私たちのゲームプレイの核の部分とはまったく関係のない機能の構築とメンテナンスに多くの時間を費やすことを意味します。Triangle Factory はゲームを作るためにこの業界にいるのであって、ゲームを取り巻くシステムを作るためにいるのではないということです」。
Triangle Factory 社の次回作である『Breachers』は、今月末からアルファ版のオープンテストを開始する予定です。
「Triangle Factory はゲームを作るためにこの業界にいるのであって、ゲームを取り巻くシステムを作るためにいるのではないということです。」
今日の基調講演では、Vinci Games 社の『Blacktop Hoops』の例も含め、Unity が XR Interaction Toolkit によって VR 開発をいかに簡素化しているかについても紹介しました。アップデートを重ねてついに IMGUI との完全な機能パリティを実現した UI Toolkit を使って、エディターのカスタマイズを容易にする方法が紹介されました。さらに基調講演では、ライブゲームのコンテンツを単一のプラットフォームから継続的に微調整・テストすることで、プレイヤーの満足度を高め、離脱を減らす方法についても言及されました。
次に、近日公開予定の TECH ストリームからのリリースである Unity 2022.2 における DirectX 12 への対応を発表するとともに、デジタルヒューマンパッケージ、ヘアシステム、パペットベースアニメーションなどを含む Unity のアート・VFX ツール群を広くリアルタイムで利用できるようにし、皆さんがこれらのツールをゲームで使用できるようにするための取り組みについて説明しました。
Unite 2022 では今日この後もテクニカルセッションやロードマップを詳しく解説するセッションなどが行われます。これらのコンテンツについては、年内にオンデマンド配信する予定です。また、基調講演はその全体を下のリンクからご覧いただけます。最後になりますが、明日は Unity for Humanity Summit 2022 が開催されます。こちらのイベントにもぜひご参加いただき、クリエイターがリアルタイム 3D 技術を使って世界をより良い場所にしていく素晴らしい取り組みをご覧いただければと思います。
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