リアルタイム 3D クリエイターと、2022 年に起きた社会への変革を賞賛しよう

心の病に対する偏見と闘う。社会的正義を推進する。森、海、野生動物を守る。2022 年は、リアルタイム 3D（RT3D）クリエイターが変革を推し進めた素晴らしい年でした。2023 年に私たちのクリエイターコミュニティが何を生み出すのか、今から楽しみです。この記事では、Unity Social Impact チームが、業界全体におけるこの 1 年のハイライトを振り返ります。

Game Awards は、「ビデオゲーム産業における創造的・技術的な卓越性」を表彰する、年に一度の祭典です。Games for Impact 部門は、「社会のためになる意味やメッセージ」を持つゲームに焦点を当てるものです。2022 年は、この部門にノミネートされた 6 本のゲームのうち、5 本が Unity で作られたゲームでした。ゲームを利用して変化をもたらそうとしているクリエイターの創造性とビジョンが評価されたことに、私たちは大きな喜びを感じています。

そして、大賞を獲得した『As Dusk Falls』と Interior/Night チームの皆さん、おめでとうございます。

昨年 11 月、世界中のクリエイターが参加し、より持続可能で、より包摂的で、より良い世界を目指す画期的なプロジェクトを祝いました。サミットのセッションでは、持続可能性に貢献するデジタルツインの力 、社会正義に貢献するアート、アクティビズム、RT3D 、海洋保護に貢献する XR などについて、お話を伺うことができました。

俳優で活動家の Rosario Dawson 氏も参加し、技術が導く創造の未来像について語り合いました。「メディスンウーマン、戦士、母親、父親、子供、動物や食べ物を扱う人など、昔はみんな火を囲んで生活していました。その火を囲んで、誰もが平等な空間を持ち、コミュニティとして団結していたのです。しかし、産業が発展するにつれて、やがてそのコミュニティはピラミッド型になり、上に一握りの人間が、下にすべての労働者がいるようになったのです」と、彼女は教えてくれました。「今注目すべきことは、このテクノロジーで、私たちはその扉を開き、顔に光を当て、再びかつて火を囲んでいたように生活できるということです。皆さんの腕時計、皆さんのタブレット、皆さんのスマートフォンを通じて、です」。

基調講演の全編は下のリンクからご覧いただけます。

この 1 年、私たちは多くのクリエイターにインタビューを行い、リアルタイム 3D がどのように世界を変えていくのかを学びました。

SYBO と『Subway Surfers』

テクニカルディレクターの Murari Vasudevan 氏は、SYBO のチームがレディー・ガガの Born this Way Foundation と提携し、人々に日常生活の中で思いやりのある行動を取ることを促し、「Play 2 Plant」と題したイベントをゲーム内で開催して 50 万本以上の植樹を支援するなど、その社会貢献ミッションを『Subway Surfers』に織り込んでいると説明しました。

Soft Not Weak、Kitfox Games、Tribe Games

Soft Not Weak、Kitfox Games、そして Tribe Games。この 3 つのスタジオがそれぞれ GDC のステージに立ち、ゲームデザインにおける多様性、インタラクティブ性、アクセシビリティへのアプローチについて話しました。

Cat Ross、Felix Bohatsch 氏 を招いての Changemakers Showcase

Changemakers Showcase インタビューシリーズの第 1 回は、『Gone to Water / Ido al Agua』のデザイナー兼リサーチャーである Cat Ross 氏を迎えて行われました。この作品は、ロサンゼルスのトンガランドにおける環境不正の実体験を伝える没入型ドキュメンタリー作品です。ブログで、彼女は社会正義のためのツールとしてのリアルタイム 3D の未来についてのビジョンを語っています。

「私たちは、VR を共感を呼び起こすツールとして、また仮想空間におけるデジタルインクルージョンを促進するツールとして活用したいと考えています。」 － Cat Ross 氏（Love Death Design）

また、『Gibbon: Beyond the Trees』のゲームディレクターである Felix Bohatsch 氏にもお話を伺いました。 のゲームディレクターである Felix Bohatsch 氏に、東南アジアのテナガザルの窮状について認識を高めるためのゲーム制作の動機について話を聞きました。こちらの記事で Felix と『Gibbon: Beyond the Trees』の話をさらにお読みください。

「ゲームの力は、世界やその問題を、別の視点からプレイヤーに見せることができること。」－ Felix Bohatsch 氏（Broken Rules）

3 月には、2022 年度の Unity for Humanity 助成金と Imagine 助成金の助成対象に選ばれたプロジェクトを発表しました。リアルタイム 3D を活用した世界の社会問題の解決への取り組みが特に目覚ましいクリエイターに対して、そのプロジェクトを支援する目的で助成が行われました。

『Darkening』は制作者の Ondřej Moravec 氏のうつ病に関する個人的な経験を基にした没入型バーチャルリアリティ（VR）映画で、Unity for Humanity 助成金の対象の 1 つに選ばれました。この作品は、精神疾患に対する世の中の認識を高め、うつ病にまつわる偏見と闘うことを目的としています。

「私はうつ病を患っていても、単に悲しい日を過ごすだけではないことが人々に広く理解されている世界を望んでいます。うつは病気です。誰だって、何もなく『大丈夫』と思われたいものですが、そうでない時だってあります。そして、それは悪いことではありません。」 － Ondřej Moravec 氏

Unity for Humanity 助成金は、リアルタイム 3D を活用して、社会に良い影響を与え、世界をより良い場所にするクリエイターを支援できるよう設計されています。2023 年度の Unity for Humanity 補助金の審査は現在進行中です。社会を変革させるプロジェクトに取り組んでいて、来年のご応募をお考えの方は、2024 年度の Unity for Humanity Grant 助成金に事前登録すると、募集開始とともにお知らせが届きます。

仮想現実は、ゲーム、ソーシャルネットワーキング、エンジニアリング、ファッションなど、さまざまな分野の未来を変えます。VR 開発スキルの需要が高まる中、私たちは VR 教育をより身近なものにするというミッションに着手しています。

昨年、VR Development パスウェイをリリースしました。この 6 週間のオンラインコースは完全無料で、誰でも簡単に効果的な VR 体験の作り方を学ぶことができます。パスウェイでは、8 つのユニークなプロジェクトを作成し、VR の仕事に必要な基礎をすべて学ぶことができます。

VR Pathway を始めましょう。また、こちらの記事で VR 分野で仕事を得るために必要なことをもっと知ることができます。

私たちは学術機関による次世代の VR 開発者育成の支援にも力を注いでいます。2022 年には Meta と提携し、没入型学習の推進と混合現実（XR）クリエイター人材の多様化を目指し、100 万ドルの資金と 5000 台の Meta Quest 2 VR ヘッドセットをアメリカ国内の学校に寄贈しました。

2022 年にイェール大学気候変動コミュニケーションプログラムと提携し、アメリカ国内のビデオゲームプレイヤーの地球温暖化に関する知識、態度、政策選好、行動などを調査しました。この調査により、気候変動に対するゲーマーの考えや、業界の持続可能性を増すための取り組みについて、より深く理解することができました。調査参加者の 22% が過去 1 年間にゲームやゲーム配信で地球温暖化に関するコンテンツを見たことがあると回答したことは重要な事実の 1 つです。より多くの開発者がリアルタイム 3D の可能性を認識し、意識向上や変革を促すツールとして、今後、気候変動をテーマとしたゲームがさらに増えていくことを期待しています。

ここまで取り上げたものは、私たちの 2022 年のハイライトのほんの一部です。Unity クリエイターが世界をより良い場所にするために行っている仕事について、もっと情報が欲しい方は、Social Impact メーリングリストに登録しましょう。こうした素晴らしい活動に関するニュースや最新情報を定期的に入手することができます。