Unity を検索

ゲームを通じて社会で弱い立場にある若者に経済的機会を提供する

2021年7月22日 カテゴリ: ニュース | 12 分 で読めます
Game heads logo
Game heads logo
シェア

Gameheads の共同創業者でありエグゼクティブディレクターの Damon Packwood 氏と(バーチャルで)対談し、同社が最近提供を始めたゲームデザインに関する教育の履修証明プログラムに関することや、ビデオゲーム開発が不可欠なスキルである理由、経済的機会へのアクセスの重要性などについてディスカッションを行いました。

Unity は、より多くのクリエイターがいれば、世界はもっと良い場所になるはずだと信じています。そしてバックグラウンドを問わず、世界中のクリエイターに力を与えたいと考えています。Unity クリエイターはストーリーテラーです。そして私たちの世界を最もよく描き出すストーリーは、私たちが最も耳にしていないもの、つまり社会的弱者の声によって語られるのです。このようなコミュニティからの声に耳を傾けることで、私たち自身をより深く理解し、世界をより良い場所にするための解決策を見出すことができます。 

このインクルーシブなストーリーテリングへのこだわりは、私が所属する Unity Social Impact チームにも深く刻まれています。多くの場合、社会的に低く評価されているグループは、創造性を経済的機会につなげるために必要なリソースを持っていません。また、ゲーム開発のような業界で長期的なキャリアを築くためのネットワークを持っていない人も多くいます。

この不公平な状況を改善するために、Unity は 2019 年に Inclusion チームを通じて、オークランドを拠点とする技術トレーニングプログラム Gameheads と提携しました。Unity Spotlight チームのテクニカルディレクターである Raymond Graham は Gameheads の役員を務めており、私自身も 2 年連続でメンターとして Gameheads と仕事をさせていただいています。Unity の Social Impact チームとの新たな取り組みではこの関係を拡大し、テクノロジー分野の他のリーダーたちとともに、カリフォルニア州立大学イーストベイ校の芸術学科と継続教育部でゲームデザインに関する教育の履修証明プログラムを共同開設しました。このプログラムは、低所得の学生や有色人種の学生が早期に卒業し、学費を節約できるようにするとともに、業界標準の教育を受け、ビデオゲームデザインや拡張現実の分野のメンターとつながりを持てるように設計されています。 

前回、Unity for Humanity Summit でお話を伺って以来、Gameheads の共同創設者兼エグゼクティブディレクターである Damon Packwood 氏と(バーチャルで)話す機会を持ち、このミッションがなぜそれほど重要なのかについてディスカッションを行いたいと考えていました。

私たちのディスカッションの内容をご覧ください。

James:またお会いできて嬉しいです、Damon。Unity for Humanity Summit でお話してから、ずいぶん経ちましたね。昨年の夏に私が Gameheads でメンターを務めたことをきっかけに知り合い、それからほぼ 1 年が経ちました。ですが、この記事の読者のために、あなたの経歴や Gameheads での仕事、そしてこの分野でどのように仕事を始めたのかを改めてお話ししてもらいたいです。 

Damon: 私は 3 世代にわたってサンフランシスコに住む家庭で育ちました。私は、自分の属するコミュニティである黒人コミュニティが、組織的に街から排除されていくのを見ていました。私たちは、ハイテク産業がベイエリアのジェントリフィケーションや不平等に与える大きな影響に対する備えができていなかったのです。

数学や科学に精通し、STEAM 産業で成功するためには、より良いキャリアへのアクセス、機会、そしてそのキャリア自体への認識が必要ですが、黒人や褐色人種のコミュニティでは、世代的および組織的な人種差別のために、これらすべてが不足しています。このような逆境に置かれているにも関わらず、黒人と褐色人種のコミュニティの人々は、テクノロジーの導入や芸術への関与において、大まかに言っても、あるいは基準をもって評価された数多くの結果を見ても、他のコミュニティと同等の水準にあると言えるでしょう。また、多くのハイテク産業や芸術産業がそうであるように、ビデオゲームも文化的な表現が非常に不足しています。

こうしたデータから私が導いたアイデアは実に明白なものでした。つまり、ゲームデザインやゲーム開発を足掛かりとして活用することで、テック分野で真のダイバーシティを実現し、コミュニティが直面している成功への障壁も下げることができるのだと。

このアイデアについて何年も考え、またこれらの要素をすべて含むプログラムを構想した後、私は機会を得て Gameheads を創業し、そこにフルタイムで関わることになりました。あとはこれまでの出来事が説明している通りです。

James:あなたが関わってきた学生についてもう少し詳しく教えてください。また、オークランドを拠点とされていますが、ベイエリアの状況の変化がどのように学生たちに影響を与え、Gameheads は何を提供してきたかを教えてください。

Damon: 低所得の若者、有色人種の若者、15~25 歳の LGBTQ+ の若者を意図的に参加させています。黒人や先住民、有色人種の若者は、学校の卒業率が他のコミュニティの若者に比べて低く、また学校を卒業しても犯罪を犯し、刑務所に送られる割合が高くなっています。また、シリコンバレーのあたりで生活していたとしても ― もしかすると、だからなおさらなのかもしれませんが ― テック系やゲーム系などの高収入の仕事に就く可能性は低いです。

しかし適切なサポートがあれば、私たちが関わっているような若者たちはどんどんと可能性を広げていきます。その勢いは止めることができないほどです。こうした若者たちの多様な経歴や経験はそのまま、テック業界が成長し続け、実際にコンテンツを消費している多様な人々のことを正しく評価したコンテンツを制作するために必要な、スマートな才能や視点として受け止められるのです。

若者たちの新しい世界へのビジョン、新鮮な声、大胆な創造性は、業界が重要で、かつクールであり続けるために必要なものです。私たちが関わっている学生たちは、USC、NYU、UC バークレーなど、米国で最も競争力のある大学に合格しており、すでにテック業界の未来を形成しつつあります。そしてこの学生たちは、XBox、Riot Games、EA といった業界のトップ企業で、有給のインターンシップやフルタイムの雇用を得ることにも成功しています。そして、次世代の有色人種コミュニティの若者たちに、彼ら、彼女らにもこの業界で活躍できる場があることを示しているのです。

James:Gameheads が最近締結した Unity とのパートナーシップについて、また、この取り組みがあなたが関わっている学生にどのように役立つと考えているのか、詳しく教えてください。

Damon: Gameheads を立ち上げたのは、若い人たちにゲームや技術に関するユニークなカリキュラムを提供し、テック業界が主導する雇用市場で競争力をつけてもらおうと考えたからです。

Unity、Facebook の Oculus、Niantic と提携して、カリフォルニア州立大学イーストベイ校の芸術学科と継続教育部を通じて立ち上げたゲームデザインに関する教育の履修証明プログラムは、そのパズルの大きなピースとなっています。これは、有色人種の学生や低所得の学生に、ビデオゲームデザインや拡張現実に関するアカデミックな教育と業界標準に沿った教育の両方を提供し、学費を抑えて早期に卒業できる機会を与えようというものです。

学生たちにプロのメンターと一緒に仕事してもらい、その才能と創造性を引き出そうというのが、私たちのアプローチの中核になっています。自分自身の生の経験として業界に触れることは、就職活動において非常に大きな足がかりとなります。カリフォルニア州立大学イーストベイ校の履修証明プログラムの中で提供されるすべてのコースに、ゲーム業界のパートナー企業で働くプロフェッショナルが担当する部分を設けています。

3 つあるコースのうち 1 つ目にあたる「Introduction to Unity」には特に期待しています。このコースで学生は、Unity を使って完全なゲームをデザインし、コンセプト開発、プロトタイピング、プログラミングの課題、小テスト、個人プロジェクトなどを繰り返し行いながら、ビデオゲームが社会に与える文化的な影響について考察することになるからです。

James:ビデオゲーム開発が若い学習者に教えるべき重要なスキルだという意見をお持ちですが、これはなぜでしょうか?

Damon: 若者、特に有色人種の若者たちは、元々ビデオゲームに高い関心を持っています。調査によると、黒人、ラテン系、アジア人は、白人よりもゲーム関連のコミュニティに積極的に参加しています。

私はオークランドのダウンタウンに住んでキャリアを積んできましたが、そこは最も有名なテック系の非営利団体が設立された場所でもあります。私はこの運動の背景にある、テック業界のエコシステムのために有色人種の若者を育成しようというムーブメントに引き付けられ、Black Girls Code、The Hidden Genius Project、YesWeCode、Impact Hub Oakland といった先駆者たちから影響を受けました。しかし、こうした団体のプログラムやその影響力が大きくなっていくのを見ていたある時、誰もゲーム業界に注目していないことに気がついたのです。

ゲームは若者たちが以前からよく親しんでいるメディアであり、その作り方を学ぶことで、コーディングのスキルを大きく向上させるだけでなく、デザイン、制作、プロジェクトの管理、チームでの作業、リーダーシップ、重要なストーリーを伝える方法まで一緒に学ぶことができる、非常にユニークな機会を得ることができます。

James:Unity のようなハイテク企業に対して、あなたのミッションをよりよくサポートし、有色人種や低所得の学生が切に求めている教育の機会や経済的機会を提供するために、どのようなことを求めますか?

Damon: 今、有色人種の若者に対しては、自分たちが消費者として形成してきた数十億ドル規模の産業に入っていく道が閉ざされています。しかし彼らは、テック産業やゲーム産業のより大きく明るい未来への鍵を握っているのです。

有色人種の若者が、私たちが多様な人たちと共に歩む未来を形作るために必要なツールを持てるよう、業界のプロフェッショナルの方々に私たちのミッションに加わってほしいと考えています。私たちのプログラムを支援するための寄付はその第一歩となるサポートですが、テック業界のエコシステムを本当に作り替えるためにはまとまった資金提供が必要です。

プロフェッショナルの方々にメンターとして関わってもらう機会を提供してもらえれば、私たちが関わってきたような若者やその家族、そして私たち自身のコミュニティの生活に大きな影響を与えることができます。

そしてもちろん Unity のようなテック業界のリーダーには、Gameheads や私たちが関わっている優秀な学生たちと連絡を取り合い、インターンシップや正社員としての雇用を提供して、こうした学生たちが属するコミュニティが単に利益を提供するだけでなく、業界内で貢献できるコミュニティとして存在感を持てるよう、テック業界を作り替える手助けをしてもらいたいと考えています。

James:最後に、あなたが行っている素晴らしい活動に他の人が参加するにはどうしたらいいでしょうか?

Damon:Gameheads の活動に参加する方法についてはウェブサイトでご案内しています。寄付やメンターへの応募、およびゲームデザイナーを目指す人のためのプログラムへの応募についての情報を見ることができます。

また、ゲーム業界のパートナーの皆様にはぜひ、私たちの主催している「Gameheads.Classic Summer Accelerator」プログラムの締めくくりのイベントである「Annual Student Showcase」にご参加いただきたいと思います。このイベントでは、学生チームが夏の間にアイデアを出し合い、デザインし、開発したゲームを発表します。

7 回目となる Annual Student Showcase は 2021 年 8 月 28 日から開催されます。スポンサーとして協力したい方は、damon@gameheadsoakland.org までご連絡ください。

Gameheads についてもっと知りたい方は、同社のウェブサイト gameheadsoakland.org をご覧になったり、同社のツイッターアカウント @Wearegameheads をフォローして情報をキャッチしてください。Unity Social Impact についての詳細は、こちらをご覧ください。https://unity.com/ja/social-impact.

2021年7月22日 カテゴリ: ニュース | 12 分 で読めます