ミシガン州デトロイトにあるカレッジフォークリエーティブスタディーズ(College for Creative Studies; CCS)は、110 年以上にわたってイノベーションの最前線に立ってきました。私たちはアートとデザインの分野で高い評価を受ける同校と提携して、中等教育を終えた学生に自動車業界のリアルタイムスキルをよりよく身に付けてもらうための一連の実践的なコースを作成しました。
私たち Unity は、より多くのクリエイターがいれば、世界はもっと良い場所になるはずだと信じています。これが、CCS と提携して、学生に刺激を与え、絶えず変化する業界に参入するために必要なスキルを確実に身に付けられるような教育を提供する理由です。先進的なデザイン教育機関である CCS は自動車の OEM 供給元と提携して、カリキュラムの一部として自動車の新しいアイデアを開発するプロジェクトに学生たちを取り組ませています。この学校を卒業した学生たちは、世界を代表する自動車メーカー、デザイン会社、Unity のようなテクノロジー企業などで活躍しています。
Unity のアカデミック・非営利団体向けソリューション部門の責任者である Anuja Dharkar は、最近、CCS の Transportation Design(車両デザイン)プログラムのコチェアマンである Paul Snyder 氏と、Entertainment Arts(エンターテイメントアート)プログラムの准教授である David Gazdowicz 氏と対談し、CCS、自動車デザインの未来、および大学で Unity を使った教育が行われる理由について語り合いました。
OEM 業界ではここ数年、そのワークフロー全体でリアルタイム 3D を活用するようになってきました。ボルボ、ホンダ、トヨタ、レクサス、BMW などの大手メーカーは、Unity をさまざまな方法で使用して大きな成功を収めています。これから業界に参入する新しい世代の自動車デザイナーたちは新しい考え方を持ち込み、また Unity のようなリアルタイムツールの使い方も心得ており、業界の中で抜きんでた存在となっています。
CCS は Unity と提携して以来、車両デザインおよびエンターテイメントアートの両プログラムに所属する学生に対して、半期かけて取り組むプロジェクト「Vehicles of the Future」を提供してきました。このプロジェクトで学生たちは独創的なアイデアを深く掘り下げ、リアルタイム 3D を使って未来志向の思考をする機会を与えられます。学生は 5 つのチームに分かれて 15 週間のコースに取り組みます。各チームは車両の内装・外装に取り組む自動車デザインを学ぶ学生と、近未来的な環境の中にどのように車を置くかを考えるエンターテイメントアートデザインを学ぶ学生で構成されます。
「非常に難しいプロジェクトですが、同時に想像力をかきたてるプロジェクトでもあります。プロジェクトが展開していき、学生に『未来はどうなるのか、人々はどうなるのか、そこでどんな車が必要になるのか』と問う段階まで進むと、学生たちは自身の想像力を限界まで働かせるようになります。」Snyder 氏はこのように語ります。
学生たちは、文化や環境について研究し、何度も考えたくなるような面白いトピックを見つけ出すことを奨励されました。これはデザインの基本原則にも通じることです。教職員や Unity スタッフからのフィードバックを受けつつ何度も修正を重ねる中で、学生たちは車両デザインを洗練させて機能向上を図ったり、車載体験などの組み込みテクノロジーの提案を行ったり、その他、デザイン全体に対する創意工夫をどんどん行っていきました。この反復プロセスは、Snyder 氏や彼の CCS の同僚が、学生の教育の基礎をなすものと考えているものです。
Gazdowicz 氏は、エンターテイメントアートを学ぶ学生がスケッチなど従来の方法で行われていたのと同様のプロセスを 3D モデリングで行うことに好意的な意見を表しています。
「Unity を使用することの素晴らしい点は、学生が(3D モデリングの)プロセスにすばやく到達し、より早くアイデアを出すことができるようになることです。そのため、ソフトウェアやゲームエンジンを使い込み、その中で再構築、設計、開発ができるようになればなるほど、最終的な成果物を確認できるようになるまでの時間も短縮されます。そして、学生はアイデア出しのプロセスの全体を見直し、何かピンとくるものはあるか、アイデアが得たい結果に照らしてつながるものであるかを確認することができます。」と Gazdowicz 氏は語ります。
先に述べた反復的なプロセスに加えて、Snyder 氏は学生がこうしたスキルを身に付けることが、実社会で成功するためのとても良い準備になっていると言います。「自動車業界は、それとは知らずに数年前から COVID-19 に対応する準備をしていたのです。そしてパンデミックが始まった後は、表面評価、テーマ評価、またはリアルタイムのバーチャルリアリティによるプレゼンテーションといった目的で、デジタルおよびリアルタイム 3D への切り替えが行われたのですが、そこにほぼ障害はありませんでした。」と Snyder 氏は言います。
Unity と CCS は現在、車載ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)のコンセプト開発に学生を参加させる新しいプロジェクトにおいて連携しています。このプロジェクトはリアルタイム 3D を使用して、未来の世界について考えることやコラボレーションを促進することに焦点を当てています。
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CCS の詳細や、学生たちに需要の高い仕事に就くための準備をしてもらう方法についてご確認ください。