Unity コミュニティの皆さん、いまこそ車載向けエンターテイメントの未来を形にし、車に乗っている時の退屈を吹き飛ばすコンテンツを作り、人々に届けるときです。ゲーム、ウェルビーイング、生産性向上、教育など、移動体向けのまったく新しいメディア形式に合わせた、さまざまな拡張現実(XR)アプリケーションを作り、収益化をする方法を学びましょう。
車載デジタルディスプレイとそれを動かすテクノロジーが進化したことで、車のドライバーや車に乗っている人たちに向けた没入型のナビゲーションシステムや車載向けゲームなど、より魅力的な車載コンテンツを作る機会が無限の広がりを見せています。世界中の人たちが毎年車の中で過ごす時間を合わせると、4000 億時間にもなると言われています。そして人々は車に乗っている間、車の中で退屈な時間を過ごすしかない「囚われた聴衆」になってしまいます。これまでこうした人たちは自動車産業の中に閉じ込められていて、コンテンツ制作者がコンテンツを提供する相手として関わる機会は限られていました。
本日、GDC 2021 にて、holoride 社は holoride Elastic SDK を発表しました。これはコンテンツ制作者と車に乗る人の間に横たわる溝を埋めるための製品で、Unity クリエイターにも新しい方法で車に乗る人を楽しませる力を与えてくれるものです。
「車載向けエンターテインメントの未来を Unity と、Unity に関わる人たちの素晴らしいコミュニティと力を合わせて作っていけることをとても嬉しく思います。車を没入型コンテンツ制作にとって無限の可能性を秘めたキャンバスにしていく試みも合わせて進めていきたいと思います。」holoride 社の CEO 兼共同創業者 Nils Wollny 氏はこのように述べています。
holoride は、車に乗る人に holoride アプリを Pico Neo 3、Neo 3 Pro、または G2 などのバーチャルリアリティ端末(これらの端末は holoride による体験をサポートする最初のヘッドセットとなります)にインストールしてもらい、動きや位置に同期した没入型の車載 XR 体験を楽しんでもらう仕組みになっています。
holoride の車両位置管理ソフトウェアが、車両の動きに合わせてコンテンツを制御します。ソフトウェアで使われる位置および地図データはリアルタイムに更新されます。この結果、コンテンツは車に乗る人の動きに完全に同期し、車内で映像付きのコンテンツに触れた人の多くが経験する、コンテンツが動くことで生じる気分の悪さを軽減してくれます。
holoride では完全に透明性のあるブロックチェーン技術に基づいたシステムを使って、クリエイターがコンテンツを配布し、またユーザーがそのコンテンツをどれだけ楽しみ、評価したかに応じてクリエイターが報酬を受け取れるようにしています。Schell Games のようなゲームスタジオはすでに holoride のツールを活用して、斬新なエンターテイメント体験を作り出しています。こちらの動画では、同社 CEO の Jesse Schell 氏が holoride を「これまで見た中で最も刺激的で、最も没入感のあるビデオゲーム体験」と評する理由を説明しています。
holoride がクリエイターに提供する新しいエコシステムの中心は Elastic SDK で、ここに Unity が活用されています。Elastic SDK は holoride が移動体向けに提供する新しいコンテンツカテゴリ「Elastic Content」にちなんで名付けられています。開発者は Elastic Content を、Unity シーンに投影された現実空間の地図や地理情報を再解釈したものと考えればよいのです。ゲームをプレイしている時、Unity のカメラは VR ヘッドセットと車に積まれたセンサーの両方で制御されます。
Elastic SDK にはさまざまな機能が搭載されています。中核となるのはオブジェクトがどのように置かれ、地形がどのように見えるかを定義するノードグラフです。この中には重要なノードタイプが 2 つあります。マップノード(2D テクスチャに相当)とポーズノードです。これらのノードは位置と回転の組のコンテナーを表しており、どこにオブジェクトを出現させるかの情報として機能します。
ノードは地図をダウンロードしフィルターして情報を抽出し、POI をダウンロードしてそれらをプレハブに置換します。拡張性があるので、Unity 開発者は独自にノードを書いてレスポンシブなゲームオブジェクトを作ることができます。holoride プレイヤーのプレハブは、加速度、位置、速度などの車のセンサーデータを供給します。
車載コンテンツを実際に作るために、クリエイターは holoride 向けにコンテンツをゼロから開発する方法を学ぶ必要はありません。スポナーがプレハブの実体化を行うので、レンダラー、アニメーション、リジッドボディ、スクリプト、オーディオソースなど、ほぼすべての要素が普通のやり方で作ることのできるプレハブの中にラップされています。
Elastic SDK についてもっと詳しく知りたい方は、holoride の Creator Space を訪ねてみてください。ここには、holoride での開発に必要なツールがすべて手に入ります。
holoride および Audi of Amerca と協力して、Unity は 8 月上旬にロサンゼルスからサンフランシスコを巡業する California roadshow を開催します。holoride のテクノロジーをご自身で体験し、Schell Games が現在開発している holoride 体験のデモを車内で体験してみてください。Unity のソーシャルメディアチャンネルでは今後さらに情報を出していきますので、こちらも忘れずにチェックしましょう。
ゲームおよびヒューマンマシンインターフェイスのウェブサイトで、これらの分野に向けた Unity のソリューションの詳細をご確認ください。
車載向けエンターテイメントを根底から変えようとしている holoride 社の取り組みについて詳しく知りたい方は、同社のウェブサイト(英語)をご覧ください。
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