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Unity Reflect はどのように RETIMA の実現に貢献したか

2020年11月27日 カテゴリ: Industry | 5 分 で読めます
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ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)のリアルタイム管理システム「RETIMA」は、一瞬で高品質な描画を行い、ボリューメトリックライトやシンボリックな表現など、グラフィック設定を自在に行ったり、混雑度合いを調整しつつ自動的にその場にいる人たちを配置したりということもできるシステムです。SimRTR 社の開発者 Eduardo Pérez 氏は「RETIMA」の開発にどのように Unity Reflect を活用、カスタマイズしたのでしょうか。

スイスに拠点を置く SimRTR 社は、バーチャルリアリティ(VR)、拡張現実(AR)、およびファシリティ・アセットマネジメント(FM)システムにおける高度な BIM 統合のためのクラウドプラットフォームを構築しています。SimRTR 社は、高品質のレンダリング結果をリアルタイムに表示して、プロジェクトの編集、レビュー、調整、プレゼンテーションを行えるソリューション開発に取り組む際に、Unity Reflect を採用しました。

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SimRTR 社による「Made with Unity」アプリケーション「RETIMA」は、建築、エンジニアリング、建設(AEC)業界向けのリアルタイム BIM 管理システムです。現在、Unity Reflect プロジェクト向けに無料版をご利用いただけます。RETIMA 開発者の Eduardo Pérez 氏に、彼が Unity から得た体験と、Unity Reflect が AEC のためのリアルタイム 3D の可能性を解き放っていく様子について話してもらいました。

RETIMA 開発の動機

私は、AEC および BIM 向けのカスタムソリューションを開発に長いキャリアを持つ建築家です。2015 年から、ゲームエンジンを活用して、スイスの AEC 業界におけるリアルタイムプロジェクトを開拓してきました。この取り組みにおける初期のプロジェクトは、保護された歴史的建造物の改修プロジェクトにおけるさまざまなデザインの選択肢を示すプレゼンテーションでした。これは市当局の意思決定を支援する上で大きな役割を果たしました。

こうした成果は挙げつつも、一方でこのワークフローが最適ではないこともわかりました。デザインが変更されるたびに大規模な Windows アプリケーションを開発して配布するのは効率的ではありませんでした。その上、デザインチームはプレゼンテーションを使って直接デザインの反復修正を行うことができませんでした。2018 年、私はリアルタイム技術を AEC に活用することで、これまでとは異なるアプローチを取るという目標を立てて、SimRTR という会社を立ち上げました。RETIMA 開発の背景には、大きく分けて 3 つのコンセプトがあります。

  • 特定のモデルのためだけに開発された重いカスタムアプリではなく、さまざまなモデルを読み込むことができる使いやすいアプリを提供する。
  • さまざまなデザインの選択肢を作り出すことに主眼を置き、同じリアルタイム環境でモデルを編集・レビューできる豊富な機能を持たせる。
  • 複数のユーザーがどこでも同時に同じプロジェクトを編集・レビューできるオンラインプラットフォームを提供する。

RETIMA の開発において Unity がどう役立ったか

2018 年に開発を始めるまで、Unity を使ったことがありませんでした。以前使った経験のあるゲームエンジンがあるのに、それを使わないというのは、思い切った決断でした。しかし、私は Unity が最良の選択肢だと確信していました。.NET と C#で Autodesk Revit API を使ったプラグインを 100 個以上作っていたので、Unity を使った開発には親しみがあったのです。

今までほとんど Unity を使ったことがなかったにもかかわらず、複雑な機能を素早く効率的に実装できることにすぐに気づき、驚きました。(後から設定値の変更ができるような)パラメトリックな BIM オブジェクトとして内部的に定義されている編集可能な要素と、Revit との双方向接続を備えた作業用プロトタイプを作成するのに 1 か月しかかかりませんでした。そして、それから間もなく、カスタム開発されたオンラインプラットフォームのクライアントとして、実行時にモデルを読み込むアプリケーションのプロトタイプが完成しました。

2018 年の最初のプロトタイプ(左)。VRE と呼ばれていた。最近のリリース(右)と比べると粗削りなところはあるが、RETIMA の核となる部分はすでに出来上がっていた。

Unity Reflect が開発に与えた影響

元々 RETIMA は、固定されたベースとパラメトリックな BIM オブジェクトのライブラリから生成された編集可能なモデルで構成されたプロジェクトの一部をベースにしていました。固定されたモデルとライブラリは、特定のプロジェクトを選択すると、実行時にダウンロードされます。両方の部分の準備は、SimRTR がカスタムのプロジェクトサービスとして提供しています。このカスタムメイドのソリューションというアプローチは、様々なケースでの活用を考えた場合、興味深いものです。しかし、最終的な目標は常に、ユーザーがリアルタイム環境で使うために特別な準備を行うことなく、オーサリングツールから直接モデルを持ってくることができる、使いやすいソリューションを作ることでした。2019 年に Unity Reflect がリリースされたとき、それはまさにこのビジョンを実現するために必要な技術だと感じました。

私が Unity Reflect で最も気に入っているのは、異なるソースからのモデルを組み合わせて、巨大なモデルを簡単に、かつリアルタイムに実現できることです。また、Unity Reflect は、オンプレミスでもクラウドでも、好きな場所でプロジェクトをホストできる柔軟性を持っています。Autodesk Revit や Rhino からクラウドにモデルをすぐにエクスポートでき、どこにいても複数のリモートユーザとライブで同期できることは、かなり印象的です。

Unity Reflect を使うことで、RETIMA がオリジナルのオーサリングツールからモデルを同期できるようになったため、照明やポストプロセッシングのための特別な準備が不要になりました。RETIMA は、ユーザーがグラフィカルな外観を可能な限り直接コントロールできるように進化してきました。太陽の角度や太陽光の強度の制御から始まり、現在ではジオロケーション関連機能を備え、あらゆるグラフィック設定やポストプロセッシングエフェクトを直接コントロールできるようになりました。

太陽の角度と太陽光の強度の設定だけ(RETIMA 0.5)だった頃から、あらゆるものが設定可能となった現バージョン(RETIMA 0.9)への進化。

Unity Reflect ユーザーにとって RETIMA とは何か

RETIMA は、64 ビット版 Windows デバイス用のデスクトップアプリケーションです。リアルタイムでのレンダリング品質に重点を置いていますが、高速なパフォーマンスやシンボリックな建築物の表現といった機能とのバランスも重視しています。Unity Reflect プロジェクト用には、無料版と標準版の 2 つのバージョンがあります。無料版は、ローカルに保存されたカスタム設定やプリセットを持つビューアーです。標準版では、レビューやコメントのための機能を追加で利用可能で、ロードマップには編集機能も乗せられています。RETIMA のオンラインプラットフォームに接続しているため、レビュー時のやり取り、カスタム設定、プリセットは自動的にオンラインで同期され、すべてのプロジェクトユーザーが利用できます。無料版、標準版とも、高品質なレンダリング結果の瞬間的な表示、ボリューメトリックライトやシンボリックな表現などのグラフィック設定、人物の自動生成、プリセットなどの機能は共通して搭載されています。

Revit モデルから直接データを引き出し、人物や環境内の建物の自動生成結果を乗せて、レンダリングを瞬間的に表示させた例。RETIMA の豊富なグラフィック設定により、リアルなものから抽象的なもの、シンボリックなものまで、幅広い外観上の表現を実現したレンダリング結果が得られる。左下と右上の画像は BIM Facility AG 社のモデルをベースにしたプロジェクト例。

標準版は現在プライベートベータ版として提供中で、近日中にパブリックベータ版がリリースされる予定です。無料版では、すでに RETIMA 0.9 のオープンベータ版が公開されています。今回のリリースでは、オンラインのリソースを使用した環境の自動生成や、自動生成された人物の編集機能など、多くの改良が加えられています。

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RETIMA が Unity Reflect ユーザーの方全員にご利用いただけるようになりました!

こちらのウェブサイトで、AEC 企業がどのようにリアルタイム 3D を活用して、建物の設計、建設、運用の方法を変えているかをご覧ください。

 

Unity Reflect のトライアルを利用する

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