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韓国初の「Made with Unity」TV アニメーションシリーズ『Bugsbot G』

2021年6月17日 カテゴリ: Industry | 6 分 で読めます
Man sat next to a plant and sitting in-front of large wall mounted screen
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Cocktail Media 社は、Unity で制作された韓国初の TV アニメーションシリーズ『Bugsbot G』の制作を担当した会社です。豊富なゲーム開発経験を持ち、Unity で制作されたプロジェクトのリードを何度も経験してきた Cocktail Media 社のアート・テクニカル部門のリードディレクター、Min Seok Kang 氏が、『Bugsbot G』の制作秘話を紹介します。

『Bugsbot G』と Unity

2018 年に『Bugsbot』シリーズの制作に Unity を導入して以来、Cocktail Media 社は Unity のリアルタイムレンダリング技術を活用して、開発現場に大きな改善をもたらしました。アニメーション制作のプロセスを 50% 以上短縮し、制作パイプラインを根本的に改善したのです。その結果、Cocktail Media 社は、アセット制作のリードタイムを 5 週間から 2 週間に、ポストプロダクションのリードタイムを 4 週間から 2 週間に、レンダリング時間を 30 分からわずか 5 秒に短縮しました。Kang 氏は、Unity を使って制作された『Bugsbot G』プロジェクトを、アニメーション制作プロセスの変化の可能性をはっきり示すことに成功した例と考えています。

Bugsbot』シリーズの制作においては、Unity を活用することでアニメーション制作のプロセスを 50% 以上短縮することができました。ゲーム制作で広く使われている Unity エンジンをアニメーション制作に取り入れてイノベーションを起こしたことが、韓国技術保証基金(KOTEC)の投資パートナーに選ばれた最大の理由だと思います。Cocktail Media 社は、革新的で堅牢な技術を基礎として最高のコンテンツを作る「コンテンツテクノロジー企業」の典型となるべく努力しています。

 

Min Seok Kang 氏(アートディレクター、Cocktail Media 社)

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アニメーションのビジュアルを向上させた機能

UTS(ユニティちゃんトゥーンシェーダー)2.0

UTS 2.0 のメリットは、まずそのスピード。そして安定した品質を確保できることです。繊細なシャドウのグラデーション設定、リムライトの設定、アニメーションで動く眉毛を表現するステンシルマスク機能などを用いて、2D アニメーションのセルスタイルの実装を簡素化しました。また、アニメーション制作においては、仕上がりの確認が早くできることや、テクスチャ周りの作業がしやすいことが大きなメリットでした。

editor screenshot

リアルタイムプラットフォーム

Unity を導入する前は、絵や背景などの各要素の全体にエフェクトをかけることに 100% 集中しなければなりませんでした。今は、リアルタイムレンダリング技術を使って、シーンにエフェクトをかけ、その結果をすぐに確認できるようになっています。編集が必要なシーンの一部を描き直すことなく、スプライト、エフェクト、背景などの作業を同時に進めることができます。これにより、多くの制作作業が簡素化され、チームがより効率的に作業できるようになり、Cocktail Media 社はプリプロダクションからポストプロダクションまでのアニメーションパイプラインを 1 つにまとめることができ、その結果、作品の質につながりました。

Cinemachine

Cinemachine の導入により、2D アニメーションでは不可能とされていたダイナミックで多彩なカメラの動きが可能になりました。現在でも、簡単なパンニング、ドリー、キャラクターに焦点を合わせたカメラ、自然な揺れの効果を入れた、豊かなシーンを作ることはできます。Marvelous Designer を使うことでクロスの品質を向上させ、スプリングボーンを使用することで、髪の毛などのディテールを繊細にシミュレーションすることができます。

Bugsbot editor screenshot

シェーダーとエフェクト

高度な VFX を使って高品質なエフェクトが実現され、安定性が向上したシェーダーグラフを使用することで、シーンに多様な雰囲気と豊かな効果を与えることが可能になりました。

私たちは、ミュージックビデオのような短いプロジェクトや、様々なエフェクトを使用できるプロジェクトに取り組むことを計画しています。また、大学生向けに、Cocktail Media 社の制作チームが作った基本的なアセットを提供して制作に参加してもらうようなカリキュラムの開発も検討しています。独創的なアイデアを持つ学生と経験豊富なプロデューサーのコラボレーションにより、オリジナリティある成果が生まれることを期待しています。Cocktail Media 社は、このような社内外の「トイプロジェクト」を通じて、広く社会とのつながりを作ることを目指しています。このようなプロジェクトを実現できるのも、Unity を使うメリットです。

Min Seok Kang 氏(アートディレクター、Cocktail Media 社)

 
Bugsbot editor screenshot

Unity はアニメーション業界にどのような可能性をもたらすのか

Kang 氏は、Unity の新機能やアセットを活用することで多種多彩な作品が生まれるだろうという希望的観測を示しました。一方で、Unity はアニメーション業界に無限の可能性を与えてくれるが、まだまだやらなければならないことがたくさんあるとも述べました。リアルタイム 3D 制作パイプラインを導入することで多くのメリットが得られますが、2D アニメの豊かな感情表現や派手な演出の中には、まだ実現が難しいものもあります。 

Cocktail Media 社は、今後のすべてのプロジェクトの基盤として Unity を使うこととし、『Bugsbot Open World』および『Bugsbot G』続編の制作や、『Constellation Idol』 (仮題、若い女性をターゲットにした PG-15 アニメーション)、『Galaxy X』などの将来の IP プロジェクトにおいて、Unity を最大限に活用していきます。 

現代のアニメーション業界では、Unity を使うかどうかは生き残りをかけた問題であり、選択の問題ではありません。予算が節約できるということにとどまらず、仕事の資産がさまざまな用途に再利用できるということは、この業界に大変革をもたらします。これまでアニメーションシーンでしか使えなかったアセットが、プロジェクト内の複数のシーンで使えるようになり、ゲームをはじめとするさまざまなメディアで活用できるようになりました。この特性は、いま社内で進めているメタバースプロジェクトでも大いに役立つと期待しています。 

Min Seok Kang 氏(アートディレクター、Cocktail Media 社)

2021年6月17日 カテゴリ: Industry | 6 分 で読めます

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