Unity 2021.2 TECH ストリームリリースが公開されました。今回のリリースでは、皆さんのようなアーティストやデザイナーの制作ワークフローを最適化し、深い没入感を生み出せるようにするための新機能や改善点が数多く盛り込まれています。
2D に関しては、PSD のインポートや 2D キャラクターの作成におけるスムーズなワークフロー、タイルマップや 2D 物理のパフォーマンスや拡張性の向上のみならず、2D グラフィックスの新機能を搭載したことで、美しくパフォーマンスの高い 2D 体験のレンダリングに磨きがかかっています。
ぜひ続きをお読みいただき、今回のアップデートの詳細に触れてください。
2D Animation 7.0 では、スキニングエディターによってユーザー体験の向上を図っています。Sprite Influence ツールを利用して、選択したボーンが影響を与えるスプライトを検出できるようになりました。さらに、Visibility パネルに新しく追加されたカラーピッカーは、ボーンの色を修正するのに役立ちます。
この変更については、2D Animation 7.0 のフォーラムで議論されています。皆さんもぜひ議論に参加してください。
Unity 2021.2 に搭載された 2D PSD Importer 6.0 は、Photoshop やその他の画像編集ツールのワークフローを Unity で利用しやすくするために、レイヤー管理とマッピングに重点を置いて開発されたツールです。
特に、Photoshop ファイルのレイヤー ID ではなく、レイヤー名に Sprite Rect をマッピングする機能が追加されました。これは、レイヤー ID をエクスポートしないサードパーティ製の画像編集ツールで作成された PSD を繰り返し編集する際に便利です。
Photoshop ファイルのレイヤーグループ内のレイヤーを折りたたむことで、Photoshop で画像が描かれている複数のレイヤーをまとめて、Unity の1つのスプライトとして生成するワークフローが可能になります。つまり、事前に Photoshop でレイヤーを統合する必要がなくなったのです。
ユニバーサルレンダーパイプライン(URP)バージョン 12 に搭載された2D グラフィックスの新機能をご紹介します。
まず、2D URP プロジェクトテンプレートが Hub に追加されました。URP の 2D Renderer に合わせて設定された 2D プロジェクトをすぐに始めることが可能になっています。
また、シェーダーグラフに新しい 2D Light Texture ノードが追加され、2D Renderer で生成された Light Texture のサンプリングが可能になりました。これをシェーダーグラフの Universal ターゲットにある Sprite Custom Lit マテリアルと組み合わせることで、2D ライトとの相互作用を調整する必要のあるシェーダーの最終出力をカスタマイズすることができます。また、シェーダーグラフのメインプレビューには、回転を避けるための新しい Sprite オプションが用意されました。これにより、URP の Sprite シェーダーに強力なデフォルトのプレビュー機能が備わりました。
最後に、Light Explorer ウィンドウに 2D Lights タブが追加され、シーン内のすべての 2D 光源を選択・編集できるようになりました。
詳細については、フォーラムの投稿を参照してください。
このリリースに合わせて、URP バージョン 12 の 2D グラフィックスの能力を示すサンプルを更新し、いくつかの新しいサンプルを提供しています。2D Renderer のサンプルはこちらから入手してください。
サンプルは大きく 2 つグループに分かれています。
今回のリリースでは、以下のサンプルを組み込みました。
Visual Effect Graph
シンプルなシーンで 2D Renderer と Visual Effect Graph の連携について例示しています。
Emissive
このサンプルでは、シェーダーグラフの新しい 2D Light Texture ノードを紹介しています。スプライトのエミッシブマスクのセカンダリーテクスチャが、2D Renderer で生成されたライトテクスチャのサンプリングやモジュレーションに使用される様子をご覧ください。また、Bloom ポストプロセッシングで、スプライトのピクセルの外側にグローを拡張する方法も紹介します。
Renderer Features
2D Renderer で Renderer Feature がどのようにサポートされているかをご紹介します。このサンプルでは、フルスクリーンのぼかしを作成するために使用される Scriptable Renderer Feature を検証します。
URP の 2D Pixel Perfect Camera コンポーネントのインスペクターは、よりシンプルに進む開発体験を提供します。実際、Crop Frame と Grid Snapping のオプションの名前を変更し、再編成しました。
パフォーマンスの改善
Unity 2021.2 では、タイルマップの全体的なパフォーマンスを向上させるために複数の変更を行いました。タイルマップに複数のタイルを設定できるようになり、RuleTile のキャッシュも以前より高速になりました。また、スプライトエディターの Isometric Slicing オプションを使ってスライスしたテクスチャからスプライトを作り、そのスプライトからタイルを生成する場合について、タイルの配置を修正しました。
API の改善
上記の他に、タイルマップに加えられた拡張性にまつわる改善点を紹介します。
Unity 2021.2 では、2D 物理に 2 つの新機能を導入し、プリミティブな形状に直接アクセスできるようになりました。
Custom Collider 2D
実際のプリミティブ形状の作成、更新、削除に直接アクセスできる新しいコライダーをお試しください。
Physics Shape Group 2D
このグループは、プリミティブな形状のシンプルなコレクションを表しています。
2D Physics Samples の GitHub レポジトリにアクセスして、以下のシーンを開いて、CustomCollider2D と PhysicsShapeGroup2D の動作を確認してください。
最新の 2 つの 2D サンプルプロジェクト、『Lost Crypt』と『Dragon Crashers』をアップデートし、Unity 2021.2 で動作するようにしました。
これらのサンプルに関する公式フォーラムのディスカッションには、以下のリンクからご参加ください。
2021.2 TECH ストリームをダウンロードして、アーティストやデザイナー向けの最新機能にアクセスしましょう。また、2D ツールの概要も忘れずにご覧ください。
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