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ゲームを遊ぶ人たちは地球温暖化についてどう考えているか

2022年8月30日 カテゴリ: ゲーム | 7 分 で読めます
Still from Gibbon: Beyond the Trees, a game by Broken Rules.
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画像クレジット:Broken Rules のゲーム『Gibbon: Beyond the Trees』のスチル画像。

最近では、イェール大学気候変動コミュニケーションプログラムと提携し、アメリカ国内のビデオゲームプレイヤーの地球温暖化に関する知識、態度、政策選好、行動などを調査しました。今回はその調査結果の中から、Unity クリエイターが持続可能性の向上をリードしている事例をいくつかご紹介し、重要なポイントを皆さんと共有したいと思います。

プロジェクトの背景

ビデオゲームは人々が最も好むエンターテインメントの 1 つであり、業界アナリストによれば、カジュアルにゲームを遊んでいる人も含めると、世界中で約 30 億人がビデオゲームをプレイしていると推定されています。年齢、国籍、性別、社会経済的な地位などに関わらず、さまざまな人がゲームを楽しんでいます。このように幅広い層で遊ばれているゲームには、気候変動に対応できる大きな可能性が秘められています。

ここ数年で、研究者たちは、ビデオゲームを気候変動問題についての教育、関与、エンパワーメントに利用できるかどうか、またどのように利用できるかを模索し始めています。インディー開発者、AAA スタジオ、そして国連が支援する Playing for the Planet Alliance国際ゲーム開発者協会(IGDA)気候 SIG(Unity は両グループのメンバー)などのグループは、これらの問題と、気候危機への対処においてゲーム業界が果たすことのできる幅広い役割について真剣に考え始めています。いま、気候変動に対するアクションは「全員参加」の 10 年のさなかにあり、ゲーム業界を含む社会のあらゆるセクターが重要な仕事を担っています。ゲーム会社は自らの経営を脱炭素化する必要に迫られていると同時に、文化的な規範や知識を転換させる素晴らしい機会を得ているとも言えます。「What Do Video Gamers Think About Global Warming?」と題された報告書は、この機会に対する思考と創造力を喚起することを目的としています。

イェール大学気候変動コミュニケーションプログラムの研究は、気候変動に関する人々の認識を追跡・理解するために行われているトップクラスの研究活動の 1 つです。そのため Unity のチームが、ゲーム業界がこのトピックに真正面から効果的に取り組むにはどうしたらよいかと考えたとき、すぐに思い浮かんだのがイェール大学の縦断的研究でした。そして、IGDA 気候 SIG の Paula Escuadra 氏、Atlantic Council の Adrienne Arsht-Rockefeller Foundation Resilience Center の Grant Shonkweiler 氏、マイクロソフトの Jerome Hagen 氏、そして Ubisoft の Sebastien Dore 氏というメンバーを招集して小規模ながら強力な諮問グループを結成し、彼らに業界の知識と展望を惜しげなく提供してもらいました。

研究のポイント

この研究が、環境のことを考えるゲーム開発者、気候変動に対処するプランナー、アドボケイト、コミュニケーターにとって、世界を変える魅力的で有益なゲームコンテンツを作成するための基礎となることを期待しています。報告書の全文をぜひお読みいただきたいと思いますが、この記事では、私たちのチームから 3 つの重要なポイントを示します。

ビデオゲームを遊ぶ 10 人に 7 人が地球温暖化を懸念していると回答している

地球温暖化の原因、影響、および解決策に関する素晴らしい手引きとして、私たちのパートナーである Project Drawdown の動画をご覧ください。

ゲームを遊ぶ人の 56% がゲーム業界には地球温暖化に対して行動する責任があると考えている

ゲームを遊ぶ人の半数以上が、ゲーム会社は他の企業と同様に地球温暖化に対して行動する責任があると理解していることは、心強いことです。これは、顧客がゲーム業界に対して、例えば事業全体にわたる温室効果ガスの排出削減、データセンターでの 100% クリーンエネルギーの調達、ハードウェアの長寿命化、Adaptive Performance などの技術を活用したエネルギー効率の向上など、有意義な行動を求めていることを明確に示すものです。

22% が過去 1 年間にゲームやゲーム配信で地球温暖化に関するコンテンツを見たことがあると回答している

ゲームは、新しいアイデアを開拓し、コミュニティをつなぎ、知識を共有するための強力なツールです。この統計は、ゲーマー教育におけるポジティブな傾向を示していますが、この分野にはまだ開拓する余地が多く残されています。開発中のゲームに、持続可能性のためのアクションや教育の要素を取り入れようと考えたことはありますか。私たちのパートナーである Atlantic Council の Adrienne Arsht-Rockefeller Foundation Resilience Center は、気候に焦点を当てたゲーム開発者をサポートするためのトレーニングやリソースを用意しています。

ライブタイトルについては、Playing for the Planet Alliance が毎年開催している Green Game Jam があります。今年のイベントから生まれた素晴らしいアイデアをチェックし、2023 年のイベント参加への関心を表明しましょう。過去には『Angry Birds 2』、『Riders Republic』、『June's Journey』、『Monument Valley II』などのタイトルが参加しました。

研究に参加した人の半数以上が、地球温暖化対策に取り組む団体に、署名活動、政府代表への連絡、ボランティア活動、寄付を行うと回答している

2021 年には、Unity CEO の John Riccitiello が 1:1 でマッチングした Humble Bundle を皆様にご購入していただいたおかげで、350,000 米ドルを超える寄付を Oceana および Carbonfund.org に対して行うことができました。これらの資金は、海洋の保護と回復を目指す Oceanaや、クリーンエネルギーへの移行を促進する Carbonfund の活動を直接支援するものです。ボランティア活動、寄付、オンライン誓約書、あるいはネットワークでリソースを共有することを通じて、これらの団体をさらに支援することができます。

継続的な影響

地球温暖化は、特に世界の貧困層、将来の世代、および動植物種に脅威を与えています。これらの問題に関心のある方向けに、このような影響について情報を与え、前向きな変化を促すことを目的とした Unity 製のゲームをご紹介します。

  • Ahi Kaa Rangers』:このモバイルゲームと一緒に野外を探検し、重要な生態系データを収集しながら、生きた世界の中で先住民族の物語を体験することができます。
  • SAMUDRA』:汚染された海を冒険し、水中生物から海洋世界を脅かす「地上生活者(surface-dweller)」の行動を学ぶ、受賞歴のあるゲームです。
  • Jungle Heroes』:Studio Birthplace の数ある持続可能性に関わるプロジェクトの 1 つで、野生動物の保護について学びながら、現実世界に木を植える支援をすることができます。
  • Gondwana VR』:デインツリー熱帯雨林にどっぷりと浸り、生物多様性とこのかけがえのない生態系の重要性について学びましょう。
  • Wildeverse』:このゲームはプレイヤーを自然保護の最前線に直行させてくれます。長編のドキュメンタリを見るのと同じくらい環境に関する知識を広げ、態度を改める効果が期待できます。

私たちが行っているアクションや、Unity クリエイターが行っている仕事についてもっと知りたい方は、持続可能性について情報発信するニュースレターをご購読ください。また、11 月 2 日に開催される Unity for Humanity Summit にもぜひご参加ください。このイベントでは、世界中からソーシャルインパクトのビジョナリーを集め、刺激的な講演やネットワーキングセッションなどを行います。

2022年8月30日 カテゴリ: ゲーム | 7 分 で読めます

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