データから、ゲームの成功に役立つ新たな知見を学びとりましょう。
ここ数年、ゲームは私たちを結び付け、人々が離れ離れになり孤独が広がる時代にあって、私たちに人と人とのつながりをもたらしてきました。
パンデミックの中で屋外で行う娯楽はほとんど提供されなくなりましたが、それに代わってゲーム産業が旺盛な娯楽への需要を満たすために立ち上がりました。
今年のレポートでは 2021 年の最重要トレンドを取り上げ、また今年以降の予測も行っています。ゲーム業界がどのように変化しているのか、オリジナルのデータをもとに明らかにしたレポートとなっています。
より良いゲームを作り、より強いビジネスを行うための戦略を洗練していただくために、この記事では今日のゲーム業界の現状に関する 5 つの知見をご紹介します。
ゲームの数、クリエイターの数、そしてプレイヤーの数が増え、ゲーム業界は新たな局面を迎えています。
パンデミック初期に制作がまったく立ち行かない場面もありましたが、すでに遠い過去のことです。現在は開発者数、ゲーム数ともに増え、業界全体が伸びています。上に示した図のデータから、2021 年に Unity で作られたゲームの数は、2020 年の約 2 倍となったことがわかります。さらに、Unity を使用するクリエイターの数は、昨年 1 年間で 31% 増加しました。
この 2 年間は娯楽の選択肢が限られていたため、プレイヤーはこれまで以上にゲームにお金を費やすようになりました。
ゲーム内でのプレイヤーの消費額を測る IAP(アプリ内課金)は、上のグラフからわかるように、2020 年以降大きく伸びています。パンデミックの間、日本、中国、韓国では IAP による収益は横ばいでしたが、アメリカ、ヨーロッパ、中東、アフリカ(EMEA)、アジア太平洋(APAC)では IAP の売上が増加しました。
このデータは、プレイヤーの活動に起因する収益の伸びを示す一方で、プレイヤーの体験を妨げない限り、アプリ内課金の導入が成功する可能性があることを示唆しています。
モバイル向けタイトルの広告収入も、参加プレイヤーの増加に伴って増加しました。上のグラフが示すように、モバイル広告収入の増加は、ほぼ南北アメリカが牽引していますが、EMEA 地域でも大幅な増加が見られました。
開発者の中には、広告のリンクをたどってゲームに戻らなくなる人がいるかもしれないので、広告がプレイヤーをゲームから追い出してしまうのではないかと心配する人もいるかもしれません。しかし、広告、特にゲーム内の報酬を提供する広告には、実際にはユーザーの定着率を高める効果があります。この傾向は、Unity の調査でも同様に報告されています。
ターゲットを絞った収益化戦略は、どのゲームカテゴリでも有効ですが、昨年はハイパーカジュアル、カジュアル、アクション、アドベンチャー、スポーツゲームなどのジャンルでより大きな成長が見られました。
2021 年はほぼすべてのジャンルで IAP と広告収入が伸びましたが、このグラフが示すように、パズル、カード、アドベンチャー、カジュアル、ハイパーカジュアルゲームで総収入の伸びが特に高くなりました。一方、アクションゲーム、ロールプレイングゲーム、アーケードゲームの売上は伸び悩みました。
また、ジャンルによって利益の出し方が違います。上の図が示すように、ハイパーカジュアルやワードゲームなどのジャンルでは、広告収入が大きな役割を担っています。RPG など他のジャンルのゲームでは、アプリ内課金が収益につながることが確認されています。
マルチプラットフォーム開発により、ゲームメーカーは、これまで異なるデバイスで遊んでいるプレイヤーを隔てていた障壁を取り払おうとしています。
※上の図表はマルチプレイヤー、永続アカウント等のクロスプラットフォーム機能を使ったゲームについて示したものです。2 つ以上のプラットフォームでこれらの機能を使っているゲームをカウントの対象としています。各プラットフォームで Unity を使って作られたゲームの数を示したものではありません。
学生時代にどのゲーム機が優れているかと議論しながら育ってきた人々にとっては、プラットフォームへの忠誠心の重要性が薄れてきているように見えます。上の図が示すように、マルチプラットフォームゲーム開発はその形態を問わず、今後も成長を続けるものと思われます。
サードパーティーのサービスやデータ分析ツールの増加により、あらゆる規模の開発者やスタジオが最高レベルで競争し、さまざまなジャンルのゲームをより多く発表できるようになり、金銭面で大きなプラス効果をもたらすことができるようになりました。
また、1 日の収益について、2 種類のスタイルのゲームを公開している開発者は 1 種類しか公開していない開発者に比べて 78% 高く、さらに 3 種類以上のスタイルのゲームを公開している開発者は、2 種類のスタイルのゲームしか公開していない開発者に比べて 119% 高いという調査結果も得られました。つまり、1 つのジャンルしか扱わないパブリッシャーに比べて、3 つ以上のジャンルを扱うパブリッシャーおよそ 197% 高い収益を挙げているということです。
このためにインディー開発者はこれまで以上に優れたツールを利用するようになっています。そしてそうした開発者の多くがそうしたツールを必要とするのは、競争に勝ち抜き、より多くのゲームを作るためです。
2021 年は、ゲームビジネスにとって素晴らしい年でした。より多くのゲームが作られ、ゲームソフトの収益が上がり、プレイヤーは苦しい世の中でも好きなゲームを遊ぶことで気持ちを楽にすることができたのです。私たちがパンデミックの動揺から徐々に立ち直る中、ゲーム業界は前進を続けています。
レポート本編(日本語版はこちら)では、それぞれのトピックをより深く掘り下げるとともに、2022 年以降のトレンドに関する 6 つの予測についてもすべて触れています。
ゲーム制作に役立つツールの利用を始めたいなら、ぜひ Unity の導入をご検討ください。開発チームが非常に小さくても、他の専門家たちの力を借りることができます。たとえば、アセットストアで制作に使えるアセットやツールを揃えることができます。テストや DevOps ソリューション を強化したり、Unity ゲーミングサービスでゲーム運用を管理したりすることもできます。また、無料の学習リソースにアクセスしてスキルセットを向上させることもできます。
Is this article helpful for you?
Thank you for your feedback!