インターネットはすべての人のための場所ですが、そこにあるすべてのコンテンツをすべての視聴者に見せてよいわけではありません。特に、教育や娯楽のためにアプリを利用することが多くなっている若い人たちにとってはそうでしょう。
Unity にとってキッズセーフなモバイルネットワークの最大手パートナーである Kidoz 社は、COPPA(Children's Online Privacy Protection Act; 児童オンラインプライバシー保護法)に準拠したデマンドサイドプラットフォーム(DSP)とソリューションプロバイダで、モバイル広告の世界を未成年者にとって安全にすることを使命としています。Kidoz 社のブランド広告キャンペーンを Unity の高品質な COPPA 対応したサプライにつなぐために両社は提携をしています。
Unity のプログラマティック運用担当パートナーマネージャーである Connor Esraelian は、Kidoz 社の CEO である Jason Williams 氏と、目まぐるしく変化する COPPA モバイル広告と規制環境の行方について議論しました。
モバイルゲームのパブリッシャーや広告主が、プラットフォームや規制当局からの監視強化にどのように備えるべきか、また、Unity と Kidoz 社が協力してブランドの安全性をサポートし、子供たちにとってより安全なデジタル空間を作りながら、コンプライアンスに則った収益化を促進する方法について説明します。
Kidoz 社のチームは、COPPA に準拠したモバイル広告ネットワークを運営するために、常に変化する規制や技術環境を理解することに努めています。従来の広告ネットワークとは異なり、Kidoz 社はデータターゲティング、リターゲティング、広告キャンペーンの実行における個人識別情報(PII)やインターネットプロトコル(IP)データの共有を一切行わない安全な DSP、サプライサイドプラットフォーム(SSP)、エクスチェンジを構築したと Williams 氏は述べています。
Kidoz 社のネットワークは拡大を続け、広告主のデマンドは SDK だけでの供給を上回っていたため、ここにモバイルリーチとサプライにおけるグローバルリーダーと提携する機会を見出したのです。
「Unity は Kidoz にとってぴったりの相手でした」と Williams 氏は言います。「私たちのパートナーシップにより、広告主は、ブランドの安全性を維持し、何よりも若いユーザーを保護しながら、広告デマンドが確実にコンプライアンスを守るようにできるプライバシーツールを使ってパブリッシャーを保護する、新しい子供にとって安全なサプライへのアクセスを提供することができます」。
Williams 氏はこう付け加えます。「アプリ内広告は、驚異的なリーチとユーザーエンゲージメントを見込める素晴らしい場所です」。
このインタビューでは、Kidoz 社と Unity が、急速に進化する広告の世界で、広告主やパブリッシャーがコンプライアンスを維持するために、どのような支援をしているかについて、Williams 氏に語ってもらいました。
Jason Williams 氏(以下 JW):Kidoz は最初、13 歳以下の子供たちに特化したアプリやソフトウェアの開発会社としてスタートしました。その中で、広告主やパブリッシャーにとって、若年層へのリーチと収益化が最大の課題の 1 つであることを見出しました。
例えば、Google や Apple の規制方針は、それらの会社がプライバシーやセキュリティを強化していく中で、時間の経過とともに強化され、より厳しくなっていくのが見て取れました。
このとき、自社でカスタムビルドした SDK を使ったプロプライエタリな広告ネットワークを立ち上げ、子供たちをターゲットにしたアプリ開発者と提携する機会がありました。
JW:私たちは Kidoz SDK を使うか、直接やり取りしているサプライパートナーを通じて、リーチした何千ものアプリの中でユニークなセグメントを識別するためにのみ、コンテキストに基づくターゲティングを使用します。
COPPA、GDPR、Google、Apple への対応がビジネスやブランドにとって重要な広告パートナーのために、特別なキャンペーン企画を実施します。このようなコンプライアンスとパフォーマンスへの取り組みにより、Kidoz は子供たちにとって安全なモバイルネットワークとしてナンバーワンの座を獲得しています。
Kidoz は、Kidoz の在庫をグローバルに展開する販売とエージェンシパートナーからなる大規模なネットワークを持っており、2021 年だけで 58 か国で取引を開始させました。
JW:私たちは、子供や家族向けの広告を出すほとんどのグローバルブランドと直接、または販売パートナーを通じて取引をしています。これらのブランドは、コンプライアンスを順守した子供にとって安全なメディアを優先しており、Kidoz が大規模なオーディエンスの獲得に貢献できることを知っています。
玩具業界では、レゴ、マテル、ハズブロ、プレイモービル、MGA、スピンマスターなどのブランドと取引しています。エンターテインメント分野では、ディズニー、Netflix、ユニバーサル、パラマウント、ワーナー、ソニー、Amazon Prime、ニコロデオンなど、多くの企業と取引をしています。
これらのブランドはグローバルリーダーであり、子供向けメディアに関しては最も積極的である一方、広告コンプライアンスにも深く取り組んでいるため、Kidoz のソリューションと当社のネットワークパートナーは、技術とオペレーションにおいて完全にコンプライアンスに準拠している必要があります。
JW:何よりもまず、広告主やパブリッシャーは、最新のポリシーに沿った COPPA や GDPR に準拠したパートナーと協力し、その技術を最新の状態に保つ必要があります。子供向け広告の場合、コンプライアンスに違反した場合の罰則が大きくなる可能性があるので、失敗は許されません。
アプリのトラフィック全体に占める子供の割合が大きいことから、開発者の間では、現在 13 歳未満の COPPA ユーザーと、13 歳以上の非 COPPA ユーザーにセグメントした年齢ゲートを設けてアプリを運用する傾向が強まっています。
年齢制限を設けることで、パブリッシャーは 2 つの収益化技術を運用することができ、両方のユーザーセグメントを区別して扱うことができます。このアプローチにより、両者のユーザーセグメントで、コンプライアンスに基づく収益化を促進することができます。
JW:ここ数年の進化で最も重要な点は、連邦取引委員会(FTC)による取締りの強化と違反に対する罰則の発布です。そのため、ゲームパブリッシャーやブランド、プラットフォーム自体が COPPA や GDPR への対応を導入・実施する必要に迫られています。
ブラジル、インド、中国など他の多くの国でも同様の政策が制定され、デジタルメディアに触れる未成年者のデータプライバシーへの注目が高まっています。業界が新しい法改正を理解し、技術的に対応するには時間がかかります。
Apple と Google は、データプライバシーと子供向け広告を取り巻くポリシーを最も重要視しており、プライバシーとセキュリティの強化に伴い、ポリシーの更新と新たな施行が行われています。
JW:Unity がセキュリティとプライバシーを第一に考えていることは知っていました。Kidoz にとって、革新的な技術を持ち、高い評価を得ている信頼できるパートナーの存在は重要でした。
CE:Unity では、開発者のニーズを中心に考え、新しい課題に直面した開発者をサポートすることを重要な価値観の 1 つとしており、ユーザーのプライバシーは私たちにとって非常に重要な分野となっています。
JW:これは長期的なパートナーシップであり、データとプライバシーのコンプライアンスの要件に対応し、さらに広告主やパブリッシャーの目標達成を支援する最高のテクノロジーを実現・構築するという点で、私たちの価値観はよく合致しています。
Unity は、膨大な種類のゲームやアプリに対応し、信じられないほどのリーチと素晴らしいパフォーマンスを持っています。Kidoz の安全なデマンドをユニークなセグメントに拡張する機会は、広告パートナーへのサービスを新たなレベルに引き上げ、将来的に Kidoz を COPPA アプリ市場のリーダーとして強化するキャンペーンデザインを作成する能力を拡張するものです。
JW:Unity ネットワークは、さまざまなユーザータイプを提供するアプリの詳しいカタログを見ることができるため、コンテキストターゲティングの新しい機会を生み出します。また、Unity のパフォーマンスは非常に優れており、大規模で多様なオーディエンスにリーチを広げることを志向したキャンペーンに付加価値を与えることができます。
JW:私たちのネットワーク上のアプリやリーチするユーザーの数が増え続けても、私たちのソリューションが完全にスケーラブルで豊富な機能を持つことを保証することで、私たちは次世代の COPPA 導入に備えています。
若いオーディエンスに対して個別の対応をするというのは、メディアの世界では新しい話ではありません。しかし、私たちはまさに今、パブリッシャーが渇望している広告収入を得る機会を犠牲にすることなく、デジタル世界がどのように子供たちに接していくかを構想する機会を得ているといえます。
私たちは、年齢ゲートがアプリ内で一般的になると信じています。データプライバシーにおけるこの変化の一翼を担い、アプリ開発者がデータのコンプライアンスポリシーの導入を自信を持って決断できるようになるのは、とてもエキサイティングなことです。
Unity は、デジタルプライバシーのビジョンを次の段階に進めるうえで、私たちの重要なパートナーです。今後も、子供たちを守り、アプリのエコシステムの安全な収益化を拡大するために、共に協力し合えることを期待しています。
CE:子供たちは、教育用から娯楽用まで様々なアプリケーションを使いこなします。そのため、この若いオーディエンスとより安全なブランドコネクションを築くことが最も重要です。
私たちは、Kidoz 社とのパートナーシップと、子供たちの安全を守り、子供たちが探検し、学び、遊ぶことができるより安全なデジタル環境を作るために同社が行っていることを高く評価しています。Unity チームは、COPPA の規制下でパブリッシャーや広告主を継続的にサポートするための技術やツールを提供できることを楽しみにしています。