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『Death's Door』の複雑な環境を作り上げる

2022年9月23日 カテゴリ: ゲーム | 7 分 で読めます
Death's Door, hero image
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昨年ローンチされた Acid Nerve の最新プロジェクト『Death's Door』は批評家からも絶賛の声を受けました。スムーズな戦闘、皮肉の利いた文章、可愛らしさと暗さが混在する独特のアートディレクションなどでレビュアーから絶賛され続けており、これらの要素すべてが同作品を他から抜きんでた存在としています。

David Fenn 氏(作曲家、サウンドデザイナー、コデザイナー、プロデューサー、レベルデザイナー)と Mark Foster 氏(リードプログラマー、コデザイナー、アニメーター、ライター)は最近、Unity の Hasan Al Salman と Twitch でトークし、『Death's Door』のワールド構築に関する知見をシェアしてくれました。この記事の続きで、重要なポイントを紹介いたします。また、最後までスクロールしていただくと、イベント全編の録画をご覧いただけます。

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過去の成功体験を繰り返す

Acid Nerve は、Fenn 氏と Foster 氏が、『Fez』の作者である Phil Fish 氏の講演に参加する列に並んでいたときに、偶然出会ったことから始まりました。彼らはマンチェスターで一緒にゲームジャムに行くようになり、すぐにメトロイドヴァニアの Flash ゲーム『Leaf Me Alone』を、続いて PC・コンソール向けのボスバトルゲーム『Titan Souls』と、2 本のピクセルアートを使ったゲームをローンチしました。『Death's Door』は、Acid Nerve がこれまで手掛けた中で最大プロジェクトです。探検と戦闘を融合させ、それをまったく新しいビジュアルスタイルに仕立て上げました。

「これまでの作品より本格的なアドベンチャーを作るというビジョンを持っていました」と Fenn 氏は言います。「『Death's Door』の世界のアイデアを何年にもわたって練っていました。あまりに長い間アイデアを練ったので、もはや直接のインスピレーションの源泉が何かは分からなくなってしまいましたが、『ハウルの動く城』や『Hyper Light Drifter』が頭に浮かびます」。

Boss battle

レベルデザイン原則の確立

Death's Door』のレベルデザインは、フロム・ソフトウェアの『ダークソウル』のようなゲームからインスピレーションを受けており、プレイヤーは相互に関連するエリアを探索し、隠された近道を見つけることができます。「『ダークソウル』を初めてプレイしたときに驚かされたのは、ステージに 3 次元の空間が使われていることでした」とFoster 氏は説明します。「すべてが積み重なっているので、近道を見つけたときは本当にうれしくなります」。

Death's Door』の迷宮世界は、多くのソウルライクゲームと同様に、意図的に地図を排しています。Acid Nerve は、プレイヤーに向かうべき方向をより明確に示すために、世界のすべてのセクションが手作りで印象的になるように多くの時間を費やしました。「同じような見た目の通路を歩いて、ミニマップでどこに行くのかを確認するようなことはしてほしくないんです」。と Fenn 氏は言います。「本当に探検しているような、ステージを知っていくような感覚を抱いてほしいのです」。

Hookshot

エディター内で効率的な世界の構築を実現

Acid Nerve は ProBuilder を、『Death's Door』の環境を作るためのプランニングとデザインの両方のツールとして使用しました。彼らは ProBuilder を使ってラフなブロックアウトを作ることから始めました。Fenn 氏いわく、「紙とペンを使ってもできるようなことですが、これを 3D ツールで行うことの利点は、作っているものすべてが空間的に一貫していることがわかることです」。

ブロックアウトを作った後、彼らは各ステージを画面ごとに調べ、すべてが美的に美しく、そのエリアで起こることが仕組みにのっとってうまく機能することを確認したのです。「できるだけ早くプレイアブルなものを作り、その直後にできる限り洗練されたものを作ることが多いですね」と Fenn 氏は指摘します。「遊んでみないとわからないことはあります。この通路は、敵の数に対してちょっと狭すぎるかもしれません。そうなら少し広げないといけません。ProBuilder をエンジンに組み込むことで、その場で簡単に調整できるようになったのです」。

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環境の肉付け

ProBuilder でグレーボクシングを行うことで、Acid Nerve はアセットを作成・追加する前に各ステージの感触をつかむことができ、時間とコストの両方を節約することができました。Foster 氏と Fenn 氏は、『Death's Door』のプログラミング、ゲームデザイン、ライティングをすべて自分たちで行い、コンセプトアート、UI アート、3D アセットの制作は外注しました。

「3D の段階から、コンセプトやモデルに対してお金を払う必要が出てきます」と Fenn 氏は説明します。「私たちにとって、ステージを構築し、本当に細かいところまで作り込むことは、本当に時間のかかる作業でした。自分が作っているステージのことが正確に把握できるまで、それはしない方がいいです」。

完成した ProBuilder のブロックアウトは、一緒に作業していたコンセプトアーティストが基礎として使えるものでした。Fenn 氏はこの共同作業のプロセスについてさらに詳しく説明してくれました。「建築物のエレメント、岩、ディテール、その他の美術要素など、必要なアセットの良い事例があるゲームの画面を取り込んで、ProBuilder に描き込み、どのモジュールをモデリングすべきかを正確に把握し、各シーンに追加していきました」。

世界観が決まれば、アセットの作業に入ることができます。チームの 3D アーティストは、モデルに Maya、テクスチャに 3D Coat、リギングに Blender を使いました。「これらのアセットをすべて、手間なく Unity にインポートすることができました」と Foster 氏は語ります。

Swamp

小さなスタジオとしての野望を実現する

Acid Nerve のような小規模なチームにとって、俊敏に仕事をこなすことは不可欠でした。スマートなワークフローと効果的なプロトタイピングにより、Fenn 氏と Foster 氏は多くの仕事をこなしながら『Death's Door』を予定通りにローンチすることができました。「ツールのおかげで、2 人のコア開発者と 2 人の外部アーティストという非常に小さなチームで、野心的なゲームを作ることができました」。Foster 氏はこう結論付けています。

「本当に満足できることを 1 つだけ挙げるとすれば、それは自分たちが持てる力を発揮して、誇れるものを作れたということです」と Fenn 氏は付け加えます。「ゲームに取り組む際、生産性を高くして速さと勢いをもって非常にいい仕事をしたことが、翻ってみんなの士気を高めてくれたのだと思います」。

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『Death's Door』は PC、Xbox One、Xbox Series X/S、Nintendo Switch™、PlayStation®4、PlayStation®5 で発売中です。@AcidNerve の Twitter をフォローして、彼らの次のプロジェクトの最新情報を入手してください。インディーイノベーションハブで、ゲーム業界で活躍する Unity クリエイターを取り上げたストーリーをさらにご覧いただけます。

Nintendo Switch は任天堂の商標です。

2022年9月23日 カテゴリ: ゲーム | 7 分 で読めます

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