広く普及しているアナリティクスのベストプラクティスは、必ずしもゲームにあてはまるわけではありません。効果的なイベントトラッキングで運営中のゲームを成功に導きましょう。
アナリティクスとエンゲージメントツールを最大限に活用するには、適切なイベントを追跡し、適切なデータを収集することが不可欠です。
ゲームのアナリティクスには、他のメディアでうまく機能する特定の直観やプラクティスを無視した特定のアプローチが必要です。このブログ記事では、最適化を追求するアナリストやマーケターにぜひやりたいと思わせるやり方でイベントを追跡するためのツールを設定する方法を示します。
ゲームに特化したアナリティクスの経験がないと、開発者がウェブのアナリティクスからテクニックや方法論を借りてきてしまうことがよくあります。ウェブの分野では、すべてのクリックとページビューを追跡するのは良いプラクティスとされます。
ユーザーフロー
ゲームのユーザーインターフェース(UI)は、開発者にとって多くの頭痛の種となります。皆さんはクリーンでシンプル、かつ心地よいプレイヤー体験を確実に届けたいと考えていることでしょう。そのために、当然のことながら、プレイヤーがどのように UI を探索し、そのさまざまな分岐点でどのように進んでいくかを記録したいと考えます。しかし、それでは問題のあるデータセットができあがってしまいます。
ゲームでは、プレイヤーが同じようなアクションやタスクを実行するには、さまざまな方法があります。それらをすべて追跡すると、同じ結果に至るまでの経路を 100 万通りも記録することができるでしょうが、そこから意味のある洞察は得られません。
例えば、機械を作るゲームについて、プレイヤーが同じサブメニューを何回行ったり来たりしたか、それぞれの素材の上に何回カーソルをホバーさせたかということはまったく重要ではありません。開発者が実際に知りたいのは、プレイヤーが迷った末に最終的に何を作ったのかということだけです。
収集と収穫
開発者が特定のアクションを個別に追跡する必要がまったくないのに、追跡を行なっているということが非常によくあります。これは、ゲームプレイのコア要素として資源の収穫を伴うゲームでは特によく見られます(そして特に大きな問題となります)。
プレイヤーが 126 枚のコインを獲得したことを追跡するために、獲得したコインごとにデータポイントを送信することは一見、論理的な方法のように思えます。しかし、このレベルの詳細さで反復的なアクションを追跡することはまったく不要です。アナリストに 126 個ものイベントを個別に送って負担を与えるのではなく、コインの獲得が完了するまで待ち、「このプレイヤーは 『y』 の期間に 『x』 枚のコインを獲得しました」というデータポイントを 1 つだけ送るべきです。
また、すべてのアクションを記録するアプローチはゲームでは通用しません。すべてのアクションを追跡すると膨大な量のストレージが必要になることはもちろん、さらに重要なこととして、そうして追跡するとデータを分析することがほとんど不可能になるという問題があります。何百万ものデータポイントがあるものの、壊滅的にノイズの多いデータセットというものがいかに簡単にできてしまうかを示すために、よくあるアナリティクスの間違いの例を 2 つ見てみましょう。
優れたゲームアナリティクスの鍵は、重要な情報をピンポイントで指摘し、それ以外の情報は省く勇気を持つことです。その性質上、すべてのゲームには膨大な量の繰り返しが含まれています。そのため、個別のアクションではなく集約したデータを追跡することは、データセットのサイズとノイズを減らすために非常に効果的な方法です。
残念なことに、すべてを追跡して後から何かを見いだすことはできません。慎重な、「キャッチオール」の姿勢に基づくイベントトラッキングのアプローチは、有意義な分析の妨げになり、最終的にゲームの可能性を制限してしまいます。知っておく必要があることを洗い出し、集約されたデータを信頼し、ノイズを捨てる自信を持つようにしましょう。
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