Unity Mars は、AR 開発に弾みをつけ、さらに深いところまでサポートするためのツールです。この記事では 3 つの具体的なシナリオおよびユースケースを取り上げました。これらの事例を読めば、皆さんのチームで行う将来の AR プロジェクトを、Unity Mars を使って成功に導くことができるでしょう。
Unity Mars は、AR コンテンツを Unity エディターで直接制作できるようにするソリューションです。独自のサンプルセットを提供することに加えて、Simulation ビューでは、ドラッグアンドドロップで AR コンテンツを作成・配置したり、画像マーカーを使うタイプのアプリケーションのためのマーカーを目に見える形で表示することができます。
Unity Mars は AR Foundation をベースに構築されているため、スクリプトを作成する際には、プロバイダーインターフェイスを介してプラットフォーム固有の機能すべてにアクセスできます。スクリプトを使えば、Unity Mars コンポーネント、Unity Mars クエリおよびデータ API に直接リンクすることもできます。
Unity Mars オブジェクトが条件にマッチするものを見つけたときに、アニメーションをトリガーする 2 つの方法を見てみましょう。1 つ目は Unity Mars Component Action の使用する方法で、2 つ目は独自のスクリプトを使用する方法です。
ある条件にマッチした時にアニメーションを実行するには、最初に Match Action Unity Mars コンポーネントを任意のプロキシオブジェクトに追加します。そこから、Match Acquired、Updated、Lost、Timedout のイベントを追加できます。この例では、Match Acquired イベントにリンクして、アニメーターへの参照を保存し、Grow のトリガーを設定しています。
コードで同じことを実現するために、プロキシコンポーネントへの参照を格納し、MatchChanged イベントをサブスクライブできます。コールバックをチェックして、クエリ結果が null かどうかを確認します。null でない場合、これは条件のマッチングが見つかったことを意味します。そこから、Trigger Name を受け渡しつつ、アニメーターで SetTrigger を呼び出すことができます。
エディターに接続されたスクリプトは下の画像のように見えます。
この例は、Unity Mars が開発者とそうでない人たちの両方に、信じられないほど高い柔軟性を提供していることを示しています。ご覧のとおりこれらのユーザーは、特定のスクリプトを使う、あるいは Unity Mars インターフェースに高い割合で頼る、と、それぞれ異なる方法を取っていますが、どちらの方法でも同じタスクに対処することができています。これらのワークフローにより、皆さんのチームにいるクリエイターは、Unity Mars を使い、Unity エディターで直接作業するというやり方をより積極的に選ぶことができます。
多くの AR アプリケーションは、現実世界にデジタルコンテンツを配置することを優先しています。Unity Mars を使用すると、プロキシベースのワークフローとルールワークフローのおかげでコンテンツを表示する方法と場所を決定する条件を設定できるので、さらに多くのことができます。 言い換えれば、アプリは現実世界にコンテンツを配置できるだけでなく、環境をよりユニークな体験の場に高めることができるということです。Unity Mars は、AR コンテキスト内のナビメッシュや物理演算など、Unity のコアシステムとの統合も処理します。
Unity Mars を使用すると、スキャンしたさまざまなサーフェスに基づいて、ワールド内でコンテンツを素早く、プロシージャルに生成することができます。ナビメッシュのような機能の Unity Mars 拡張を使用すると、AR における Unity のコア機能をより簡単に利用できます。これにより、キャラクターは現実世界のさまざまなサーフェスをより動的に経路検索して移動できます。
昨年は、リモートワークをしている人たちが史上最も多い年でした。さまざまな場所やタイムゾーンから世界中のチームとコラボレーションすることがこれまで以上に一般的になっています。AR には空間を拡張する能力がありますが、信頼感を生み出したり、現実世界の自然な拡張のように感じてもらったりするには、現実世界とシームレスな形で動作する必要があります。特定の場所を前提とするアプリで作業している場合、または特定の場所になかなか行けない場合、Unity Mars Companion アプリ(ベータ版)は、キャプチャされた AR セッションを Unity エディターに戻すための優れたソリューションとして機能します。 コンパニオンアプリの AR キャプチャおよびデータ記録機能を使用すると、任意の環境をスキャンして、後で Unity Mars にインポートして Simulation ビューで使用できるサーフェスデータ、カメラパス、およびビデオを記録できます。エディターの Simulation ビューでは、パラメーターを繰り返し調整して、コンテンツを表示する方法とタイミングをより適切に制御できます。
魅力的な AR コンテンツを作成するには、アプリや体験が使用される場所でテストと反復修正を行うことが重要です。Unity Mars Companion アプリを使用すると、いつでもどこからでも複数の AR セッションを記録し、クラウドに保存して Unity Mars Simulation ビューに直接インポートできるため、コンテンツやアップデートがどのように見えるのかを現場で確認する必要はありません。
まずは Unity Mars の 45 日間の無料トライアルをお試しください。無料トライアルを開始したら、「First Steps in Unity Mars」の内容にぜひ目をお通しください。これは、Unity Mars の基礎を解説し、皆さんに AR アプリケーションを作れるようになっていただくために、Unity Learn に用意されたステップバイステップのコースです。