モバイルマーケティング用語には頭字語や数式が多く使われているため、アルファベットのスープのように見えることも時々あります。
皆さんに広告キャンペーンに精通していただけるよう、Unity の専門家がまとめたモバイルゲームのマーケティングで知っておくべき 10 の重要な用語をご紹介します。専門用語の知識を深めるために使ったり、ブックマークしておき、すぐに参照したいときに便利な資料として手元に置いておいたり、さまざまな形でご活用ください。
ARPDAU とは、1 日のアクティブユーザーあたりの平均売上高(average revenue per daily active user)の頭文字をとったもので、収益化キャンペーンの成功度合いを測る指標として使われます。アクティブユーザーが、アプリやゲームに毎日どれだけの収益を生み出しているかを測定するものです。ARPDAU は、1 日の売上を 1 日のアクティブユーザー数(DAU)で割って算出されます。
ARPDAU は平均値であるため、DAU の変動は影響せず、日々のアプリの収益化パフォーマンスを明確に表す指標となります。
Cost per mille(CPM)とは、1,000 回の広告インプレッションごとに広告主がパブリッシャーに支払う金額です。Cost per thousand という用語が使われる場合もあります(「mille」はラテン語で 1,000 の意味)。この指標は、開発者やパブリッシャーが、ポートフォリオを全体でプラスに保つために割り当てるべきリソースの量を把握するのに役立ちます。
CPM キャンペーンの効率を判断する一般的な方法は、クリック率、つまり全体のインプレッションと比較して広告が受け取ったクリックの比率を見ることです。
CPM を測定するには、キャンペーンの総費用をインプレッション数で割るだけです。その結果を 1,000 倍したものが CPM の数値で、CPM 率とも呼ばれます。
コンバージョン率(conversion rate; CVR)とは、広告を見た人のうち、特定の行動(リンクのクリックや購入など)を取るに至った人の割合を示す指標です。
アプリ内広告(IAA)において CVR とは、アプリインストールの広告を見て、それをクリックし、あらかじめ指定された何らかの行動を取ってコンバージョンしたユーザーの割合のことです。CPI(cost per install)型のキャンペーンでは、コンバージョンはアプリのインストール数で測定されます。
CVR の計算式は、コンバージョンしたユーザー数を広告をクリックしたユーザー数で割り、100 を掛けるというものです。
CVR は、マーケティングにおいて広告のパフォーマンスを測定するために不可欠な指標で、広告がどれだけユーザーをコンバージョンさせたかを示すものです。
アプリ内広告(in-app advertising; IAA)とは、モバイルアプリの収益源で、アプリの「不動産」、すなわち表示領域の一部を使ってユーザーに広告を表示するものです。言い換えると、広告のバイヤーは、アプリ内で広告を表示するためにお金を出すのです。
IAA は、アプリ内の表示領域の一部を他の広告主に販売することで収益源を確保したいアプリ開発者に人気のある収益化戦略です。
その仕組みは、開発者が SDK を組み込んで広告ネットワークに接続し、ユーザーフレンドリな広告ユニットを実装し、ユーザーが広告にアクセスしたときに収益を得るというものです。
そして、モバイルアプリの広告は、広告主と開発者をつなぐ広告ネットワークを通じて配信されます。アプリはネットワークに広告を依頼し、ネットワークはアルゴリズムを用いて最も報酬の高い広告を特定し、リアルタイムでユーザーに配信します。
広告キャンペーンのインストール率(install rate; IR)は、パーセンテージで表され、広告を何回クリックしたらアプリのインストールにつながるかを測定します。主にスマートフォン向けの CPI (cost per install:インストール単価)キャンペーンを最適化するために使用されます。
しかし、ユーザーが広告をクリックしたからといって、CTA(コールトゥアクション)をクリックし、アプリのインストールに至るとは限りません。
そのため、IR は有用です。この指標を使って、アプリ開発者は 1 つのクリックがどれだけのインストールにつながるかを把握することができるのです。
IR は、測定された全インストール数を測定された全クリック数で割り、その商に 100 を乗じて算出します。
顧客生涯価値(lifetime value; LTV)は、1 人のユーザーがアプリ内で生涯を通じて生み出す収益を推定するものです。LTV は、アプリ内課金(IAP)とアプリ内広告(IAA)の両方を考慮して算出され、ユーザーが長期的にもたらす金銭的価値を予測するのに役立ちます。
この数字はリテンションと直接的な結びつきがあります。プレイヤーのリテンションが長いほど、IAP や広告の視聴などでゲームに費やす金額も増えるためです。
モバイル LTV は、アプリ開発者が収益化とリテンションに関する戦略の有効性を知るためのものです。その目的は、LTV の高い健全なユーザーベースを維持し、アプリを長く使ってもらい、アプリの収益に大きく貢献してもらうことです。
リテンション率とは、あるアプリを一定期間使い続けたユーザーの割合のことです。通常、ユーザーが最初にアプリをインストールしてからの日数で測定されます(7 日(D7)や 1日(D1)など)。
モバイルアプリのリテンション率は、アプリ開発者がアプリのライフサイクルのどの時点でユーザーが減少し始めるかを判断するのに役立ちます。ユーザーの離脱の原因を理解し、その離脱とリテンションの低いユーザーとを関連付けることで、リテンション向上のためのアクションを決定することができます。
一般的には、コホートを使ってアプリ開発者が行動データを使ってユーザーを観察し、離脱の原因を突き止めるという分析が行われます。
広告の費用対効果(return on advertising spend; ROAS)は、デジタル広告の費用と効率とパフォーマンスを計算するために使用される収益ベースの指標です。
モバイルの世界では、アプリ内課金(IAPs)、広告インプレッション、アプリのサブスクリプションによる収益額を特に指すことが多いです。
ROAS は、さまざまな広告、広告キャンペーン、広告プラットフォームの収益性を比較し、ある広告セットに対する費用を増やした見返りにどれだけの利益が得られるかを予測するのに有効な指標です。
ROAS は、広告キャンペーンが生み出した収益額を、その広告キャンペーンに費やした金額で割って算出されます。
メディエーションは、広告メディエーションとも呼ばれ、開発者が複数の広告ネットワークを一元的に管理・最適化できるアプリのマネタイズソリューションです。
メディエーションプラットフォームは、開発者にとって最適なインベントリを広告ネットワークで検索し、決定した広告戦略にとって意味のあるプレイスメントのフィルレートを高めるように広告リクエストの送信を管理します。
また、広告メディエーションプラットフォームでは、開発者が広告ネットワークに対して優先順位を付けられるため、収益化の取り組みの効果を増幅させることができます。広告メディエーションプラットフォームは、上位の広告ネットワークが広告リクエストに応えられない場合、下位のネットワークをデフォルトとして、他のネットワークでリクエストに応えられるか試みます。
モバイルマーケティング用語についてもっと知りたいですか。私たちがお手伝いします。収益化やユーザー獲得に役立つ用語や定義については、Unity Ads Glossary をご覧ください。