Unity は先週の Unite LA 2018 にて第 1 回の「Film and Animation Summit」を開催し、映画・エンターテインメント業界のクリエイターの皆様を Unity コミュニティにお迎えしました。本記事では、今回初開催の「Shorts Program」のハイライトや、基調講演関連のニュース、そして同サミットの各種セッションの一部概要をお届けします。
映画・テレビ業界のクリエイターにとって、いまはまさに Unity を使いはじめる絶好のタイミングです。Unity を使用すれば、従来のワークフローより遥かに迅速かつ直感的な方法でのナラティブ作成が可能となり、制作チームにとって大きな力となるでしょう。
Unity は、業界のクリエイターの皆様が成功を実現するための力となるべく真摯に取り組んでいます。私達はこの使命を、ハリウッドの受賞監督にも使用されているバーチャル・シネマトグラフィーツールや各種技術の提供者である Digital Monarch Media(DMM)をはじめとする、リアルタイム映画制作のパイオニア達と共有しています。ですから、DMM が Unity ファミリーに加わることを私達は非常に喜ばしく思っています。DMM チームを率いているのは、ゲーム業界・映画業界のシネマティクス分野で豊富な経験を積んだ、Wes Potter 氏と Habib Zargarpour 氏です。
また今回の Unite では、新しいワークショップ「Unity for Film: Tools for Linear Storytelling」も開催されました。これには、今月アセットストアから公開された『Film Sample Project』(Cinemachine や Timeline などのツールに親しみたい全てのクリエイターの皆様のために無料で入手可能)が使用されました。このワークショップをオンラインで再び開催しますので、Unity Connect に参加されるか、ソーシャルメディアで Unity をフォローして今後のウェビナーの開催日程の発表をお待ちください!
今回が初開催となるスペシャルなイベント「Unity Shorts Program」では、Regal Cinemas L.A. LIVE にて、Unity で製作された 10 編のショートフィルムの試写を行いました。大画面での Unity プロジェクトの視聴は、参加されたほとんどの監督・制作チームの皆様にとって、初めての体験となりました。
当日夜のゲストスピーカーは、Disney 初の VR 体験『Cycles』の監督を務めた、Walt Disney Animation Studios の Jeff Gipson 氏でした。『Cycles』は Unity で製作した美しい VR ショートフィルムです。Jeff 氏は、この唯一無二のプロジェクトの創作に影響を与えた自身の家族や個人的なエピソードも交え、本作品の制作背景を一部紹介しました。
この試写会では、『Mr. Carton』から 4 話、ショートフィルム『Baymax Dreams』全 3 話、Baobab が同社のシネマティックな VR 体験コンテンツを基に制作した『Crow: The Legend』の 2D レンダー版、『Golf Club Wasteland』(モバイルゲーム)のサウンドトラックのミュージックビデオ『Take My Hand』のほか、既に 20 の映画祭への出演が決定しており複数の受賞歴を持つ、情感溢れるショートフィルム『Sonder』が上映されました。
53 分間のプログラム終了後は、一部の監督やクリエイティブリードによる Q & A が行われました。『Sonder』を監督した Neth Nom 氏は、2D アニメーションを 3D 環境と組み合わせた同作の独特なビジュアルスタイルの創作について紹介しました。Baobab の最高技術責任者および共同創始者である Larry Cutler 氏は、VR 体験コンテンツを 2D レンダリングのショートフィルムに落とし込むに当たってのアプローチを解説しました。Demagog Studio の Igor Simic 氏は、ゲーム世界の背後のナラティブを紐解くとともに、それを一式の直線的なストーリーおよび音楽へと広げて行く手法が環境ストーリーテリングにどのような深みをもたらしたか説明しました。『Mr. Carton』の共同監督である Michael Bolufer 氏は、この洗練されたシリーズ作品の制作プロセスを紹介し、全てのオーディオとサウンドを人間の発声器官のみを使ってアニマティックに合わせて作成した手法について解説しました。
丸一日にわたる Film and Animation Summit は、Pixar、Magnopus、Digital Monarch Media、Baobab、『Sonder』、そして『Baymax Dreams』に携わった数多くのメンバーをスピーカーに迎えた豪華ラインナップで、好評のうちに閉幕となりました。会場は真に熱いエネルギーに包まれていました。リアルタイム映像製作者として全くの初心者からパワーユーザーまで驚くほど多くの Unity クリエイターの方々が、(エピソード物・ショートフィルム・バーチャルコンテンツなど制作物の種類に関わらず)ストーリーテリングに対する業界のアプローチを根本的に変えつつあるこの技術について学ぶためにイベントにお越しくださり、私達は身の引き締まる思いと感謝の念を新たにしました。
また本イベントでは、Unity の映像・TV 部門のシニア・テクニカルプロダクトマネージャーである Mathieu Muller が、アニメーションのストーリーテリングにおける Unity の今後の目標とロードマップを発表しました。見逃された方もご心配には及びません!このプレゼンテーションは Unity のYouTube チャンネルで、Unite LA 2018 のその他一部のセッション動画と共に公開されています。
この非常に意義深いイベントにご参加くださったコミュニティの皆様に深く感謝申し上げます。さらに詳しく学びたい方は、映像制作向け Unity に関するページや、アニメーションスタジオのための新しい Unity トレーニング・ワークショップをご利用ください。また、リアルタイム映像制作に関する詳しい解説はこちらでお読みいただけます。制作パイプラインへの Unity の導入をご検討中のアニメーションのプロや開発スタジオの皆様で、リアルタイム制作がワークフローにどんな利益をもたらし得るか知りたい方は、無料相談を是非ご利用ください。