UI Toolkit は、グラフィカルユーザーインターフェースを開発するための機能、リソース、ツールを集めたものです。Unity 2019.1 で UI Elements として初めて登場した UI Toolkit は、Unity エディター拡張のカスタム UI の開発を可能にする保守モードの UI フレームワークを導入したものです。2021.2 バージョンでは、UI Toolkit がランタイム UI のオーサリングをサポートするので、これを使ってゲームやアプリケーションの UI を Unity で直接作成することができます。
Web 技術に着想を得た UI Toolkit は、そこから親しみやすく直感的なオーサリング体験を写し取り、アーティストやデザイナーが専用に用意された UI Builder や UI Debugger などのオーサリングツールを使って、より素早く制作に入れるようにします。
Unity 2021.2 では、UI Toolkit に TextMesh Pro のフォントレンダリング技術が統合されます。ユーザーは追加のプラグインやパッケージをインストールすることなくフォントレンダリング機能を使うことができます。つまり、UI Toolkit は、高度なスタイリング機能を持ちつつ、好みに応じたポイントサイズや解像度で、美しいテキストをきれいにレンダリングできるようになったのです。
現在、デザイナーはプロジェクトの UI トランジションを制作するために、複雑でリソース消費の大きいアニメーションツールを使用する必要があります。そこに専用の UI アニメーションシステムを追加することで、状態変化のトランジションを簡単に作ることができます。この新しいシステムでは、他のプロジェクトや要素に適用できる再利用可能なトランジションをすばやく効率的に作成できるオプションも用意されています。トランジションは、UI プロジェクトのアニメーションの大半を占めることが多いので、貴重なデザインのための時間を節約することができます。
UI Toolkit は、Unity UI と互換性があるため、ユーザーインターフェース全体を書き換えることなく、既存のプロジェクトを移行することができます。つまり、既存のプロジェクトの一部を UI Toolkit で作り直し、残りの部分は Unity UI のままにして、同じプロジェクトで両者を連動させることができるのです。
境界の半径、色、サイズ、およびテキストを設定して、UI Toolkit で直接テクスチャレスの UI を作成できます。Photoshop で画像を作成して取り込む必要がないため、ツール間を行き来するためにかかる無駄な時間を大幅に削減し、より迅速な反復が可能になります。これは、全体のメモリフットプリントとビルドサイズを下げて、より効率的にスケールすることを意味します。また、フルスクリーンでのアンチエイリアシングの必要性を減らすための新しいレンダリング手法を搭載し、品質を犠牲にすることなくパフォーマンスの向上を実現しています。
UI Toolkit は、様々な画面解像度で動作するスクリーンオーバーレイ UI を作成する時に、Unity UI の代替として使用することが推奨されています。以下のような方にお勧めします。
Unity UI は、3D ワールドでの UI の配置やライティング、カスタムシェーダーやマテリアルを使用した VFX、MonoBehaviour からの簡単な参照を必要とするユーザーにデフォルトのソリューションとして推奨されます。
最新のベータ版は Unity Hub またはダウンロードページから入手できます。ベータ版は本制作段階のプロジェクトでの使用を想定していないことにご注意ください。常にお伝えしている通り、既存のプロジェクトをベータ版でご利用になる際は、必ずバックアップを取るようにしてください。
Unity 2021.2 が皆さんのお手元で上手く動いているか、ぜひお知らせください。ベータ版フォーラムや UI Toolkit フォーラムをご覧いただき、ご意見やフィードバックをお寄せください。