Unity Teams を使用しているクリエイターは、より強力な新しいバージョンコントロールシステムで作業を開始することになります。そこで私たちは、プロジェクトオーナーやユーザーが Plastic SCM を使いこなし、その主要な機能を最大限に活用するための情報を幅広く収録したガイドを作成しました。
このアップグレードの詳細と個別のサポートに関する情報を知りたい方は、2022 年 1 月 19 日に開催されるライブウェビナーにぜひご参加ください。こちらからご登録いただき、視聴枠を確保しましょう。
2021 年 12 月、まず一部の Teams プランにおいて、バージョン管理コンポーネントを Collaborate から Plastic SCM にアップグレードしました。Plastic SCM は、Unity の機能豊富なバージョン管理システムで、あらゆる規模のチームがあらゆる複雑さのプロジェクトに取り組めるように作られています。
このアップグレードは、まず Plastic SCM でサポートされているエディターバージョンでプロジェクトを開発しているユーザーを対象として開始されます。今後数か月をかけて順次、他のユーザーも対象としてアップグレードが行われます。Plastic SCM でサポートされているエディターバージョンは以下の通りです。
2019.4.32f1 以降
2020.3.20f1 以降
2021.1.25f1 以降
2021.2.0b16 以降
2022.1.0a12 以降
アップグレード後、サポートされているバージョンのローカルの Collaborate プロジェクトは、自動的に Plastic SCM のワークスペースに変換されるので、作業の中断を最小限にとどめて制作を続けることができます。自動アップグレードの対象となるまで待たずに、すぐに Plastic SCM を使いたい場合は、Collaborate 移行ツールを使えば利用を開始することができます。
アップグレードは自動的に開始されますが、プロジェクトオーナーは移行ウィザードを使うことで、それより前に移行を開始することができます。
手動で移行する場合
作業しているプロジェクトで Unity Dashboard に移動し、「Migrating projects from Collaborate to Plastic SCM is now available」というタイトルの通知を探してください。見つかったら、Learn More をクリックします。
これにより、Collaborate Migration Wizard サイトが表示されます。Get Started をクリックすると、Unity 組織の Collaborate プロジェクトを移行するプロセスが実行されます。
Unity で同じ Collaborate プロジェクトを再度開きます。
サポートされている Unity のバージョン(上記参照)であれば、移行ガイドが表示され、Collaborate プロジェクトのローカルインスタンスを Plastic ワークスペースのローカルインスタンスに変換するプロセスについての案内が表示されます。
終了したら、Plastic SCM ウィンドウを使って、プロジェクトの作業や変更の確認を続けてください。
チームメンバーの追加方法
プロジェクトに参加するチームメンバーを招待するには、Options メニューをクリックし、Invite Members to Workspace を選択します。以下の動画では、Unity Plastic SCM でのこの作業の説明を行っています。
Collaborate で Cloud Build を使用している場合は、Cloud Build を Plastic SCM に再接続するための操作を能動的に行う必要があります。
Plastic SCM Cloud Dashboard にアクセスし、Triggers で通知を設定します。トリガーを使うと、Discord や Slack、あるいは Webhook を介して通知を送ることができます。
ローカルマシンに保存されているゲームプロジェクトにアクセスする方法を、以下の動画でご紹介しています。
Plastic SCM for Unity のサポートされているバージョンのいずれかを使用している場合は、Unity Hub を使用してプロジェクトにアクセスします。下のビデオでは、リモートプロジェクトを開く方法を紹介しています。
この短いチュートリアル動画で、Unity エディターでの作業方法と、Collaborate で以前に行ったタスクを Unity Plastic SCM で再現する方法を知ることができます。
移行を円滑に行うための注意点を以下にまとめました。
Unity エディターの Collaborate アイコンが、Plastic SCM のアイコンに変わります。
Collaborate で Publish アクションと呼ばれていた操作は、Pending Changes タブを使って行うことになります。Plastic SCM では、これは Checkin Changes と呼びます。
Changesets タブには、プロジェクトの履歴が表示されます。これまで Collaborate で行った変更は、Plastic SCM にも引き継がれます。
Plastic SCM のアップグレード前に Collaborate で作られたリビジョンにも戻ることができます。
プロジェクトに新しい変更があると、Plastic SCM のアイコンは黄色に変わります。誰が変更したか、変更内容の詳細、その他の関連情報を確認することができます。最新のバージョンを使用していることを確認するために、エディター内でワークスペースを更新してください。
ブランチエクスプローラーなど、Plastic SCM のより高度な機能にアクセスするためには、手動でクライアントをダウンロードする必要がありますが、これはエディター内のプロンプトで行うことができます。ただし Unity にエディターで直接ブランチを作成したり切り替えたりする機能を導入する予定ですので、ご期待ください(この後少し詳しく記述します)。
上記の項目に関してご不明な点がございましたら、サポートチームまでお問い合わせください。皆さんへのご支援ができれば幸いです。
変更を簡単に取り消すことができる
Plastic SCM では、ファイルに加えられた変更の全履歴を見ることができるようになりました。右クリックして View file history を選択するだけでこれを行うことができます。また、必要なら特定のリビジョンに戻すこともできます。
Collaborate ではプロジェクト全体に加えられた変更しか見ることができず、個別のファイルの履歴は見ることができなかったために、複数のチームメンバーと作業するときに理想的な状況とはなっていませんでした。それが可能になったことは Plastic SCM の大きな利点です。また Unity Collaborate は、他のチームメンバーが行った保留中の変更をアセット上に「In-Progress」バッジを表示して監視していました。Plastic SCM にはこの機能はありません。
Plastic SCM の Unity プラグインの最新版ではブランチ作成機能が追加され、エディター内で直接ブランチの作成や切り替えができるようになりました。ブランチは Plastic SCM がもたらす最大の利点の 1 つであり、全員のニーズに合ったワークフローによって、あらゆる規模のチーム(数百人規模の大規模なチームであっても)のコラボレーションを大幅に改善することができます。
スピード感のあるスケール
チームやファイルのサイズに応じてスムーズにスケーリング可能です。Plastic SCM は、大量のファイルやレポジトリをかつてないスピードで処理します。他のバージョン管理システムよりも信頼性が高いのは当然のことです。
更新しながらエディター内で作業を継続
Unity Collaborate では、更新を実行すると上の画像のようなボックスが表示され、決まってエディターからロックされてしまいます。つまり、Collaborate が変更をチェックしている間、ボックスが消えるまで何もできないということです。そしてそれまで時間がかかることもありました。
一方、Plastic SCM では、更新のために時間を費やす必要はありません。更新が完了するまで、エディターがロックされたり、影響のあるシーンの再読み込みを促されたりすることがないので、集中して作業を進めることができます。
Unity は、役割や技術的な専門知識に関係なく、すべてのチームメンバーを受け入れ、互いに協力できる環境を作り出すために、DevOps とバージョン管理のソリューションの開発に取り組みます。
これまでにリリースされた製品、現在進行中の製品、そして今後の予定については、製品ロードマップのページをご覧ください。
なぜ Plastic SCM はより強力なバージョン管理システムと言えるのか
Plastic SCM は、強力なコラボレーション機能とソース管理機能を備えており、すべてのチームメンバーが安全かつ迅速に、大規模な作業を行うことができます。Plastic SCM は Collaborate とは異なり、ブランチ、マージ、ロックの機能を持っているため、チームメイトは作業成果を失うことや、作業をしていると発生する衝突を恐れることなく、同じコードに対して作業することができます。
プロジェクトの規模が大きくなると、ファイルサイズも大きくなります。そのため、Plastic SCM は、大量のファイルを扱う際にも迅速な対応ができるように設計されています。また、視覚的なブランチ機能を持つ唯一のバージョン管理システムでもあります。そのため、幅広い職業の方にとって親しみやすくなっています。
Plastic SCM がどのようにチーム全体をサポートするかについては、こちらのブログを読むか、以下の動画をご覧ください。
Plastic SCM を使い始めるために追加料金が必要か
いいえ、Plastic SCM を使い始めるにあたり、追加料金は一切かかりません。
アップグレード後、Unity Teams Basic のユーザーは、Plastic 3 シートと 5GB のストレージを受け取ることができます。
Unity Teams Advanced のユーザーは、Plastic 3 シートと 25GB のストレージを受け取ることができます。アップグレード後に、同じ使用量に対してアップグレード前よりも多くの料金を支払うことはありません。
Unity はこの無料アップグレードを提供する理由
来年には、Unity Teams と Collaborate は提供されなくなります。具体的なスケジュールはまだ検討中ですが、今後も密に情報をお出しし、正確な日付をお伝えしていきます。
Plastic SCM が今後の Unity におけるバージョン管理のためのサービスとなります。これが今回皆さんにできるだけ早くアップグレードを受け取っていただくようにした理由です。このアップグレードの一環として、アーカイブされていない Collaborate プロジェクトが Plastic に移行されます。Collaborate にアーカイブされていないプロジェクトが保存されている場合は、2022 年 2 月 28 日までにデータを抽出していただきますようお願いいたします。それ以降、データは永久的に削除されます。
また、2021 年末に向けて、Cloud Build のスタンドアロン版をローンチし、新たな従量課金制を導入する予定です。これにより、Teams Advanced が終了しても、Cloud Build を使用できるようになります。
古いバージョンの Unity でアーカイブされていないプロジェクトの扱い
Plastic SCM に対応していない Unity のバージョンで作られたアーカイブされていないプロジェクトがある場合でも、Collaborate からアップグレードされます。ただし、エディターでは Plastic SCM for Unity を使用することはできません。Plastic SCM for Unity でサポートされているバージョンにアップグレードしないと、Plastic クライアントの GUI しか使用できません。