Unity 2017.3はUnity 2017の最後のリリースとなります。多数の新機能と改善が追加されました。
Unity 2017.3には様々な新機能が追加され、既存機能が改善されましたが、それらの詳細をご紹介する前に、Unity 2017のおさらいをしてみましょう。(先に新機能詳細を読みたい方は下の「Unity 2017.3の新機能」以降をご参照ください。)
Unity 2017のリリースサイクルでは、アーティストやデザイナーと開発者がUnityを使った制作においてコラボレーションできるよう、機能を充実させてきました。TimelineやChinemachine、Unity FBXエクスポーターなど、ドラッグ&ドロップで映像クリップを編集できるパワフルなツールやアーティストにとって作業しやすいワークフローが実現できるツールなどです。
グラフィックスの質を向上し、ランタイムの性能を上げるためにも、サポートするプラットフォーム(デスクトップ、ゲームコンソール、モバイル、VR、AR、スマートTV)の最新の機能を活かし、最新のGPUの性能とネイティブグラフィックスAPIを活かせるようアップデートを継続しています。 映像作品のAdam デモ及びショートフィルムはその事例となります。
他にも改善された2DツールやUnity Teamsのサービス開始など、生産性の向上に役立つ機能を追加しました。最後に、データを活用する新しい方法(Unity Ads、IAPとLive-Ops Analyticsなど)を提供し、ゲームの性能をリアルタイムに最適化し、売上げを最大化することをサポートしています。
Unity 2017.1、2017.2、2017.3にてこれらの機能をリリースしていますが、以下のスライドに機能リストをまとめました:
Unity 2017.xを使用して制作された作品をいくつかご紹介します(開発中のものも含む):
Unity 2017.3の詳細紹介に入る前に、Unity 2017.xで作られたゲームや作品と、新機能や改善のハイライトをまとめた動画をご覧ください。
2017年12月、Unity 2017リリースサイクルの総仕上げとしてUnity 2017.3がリリースされました!Unity 2017.3では開発者やアーティストに向けての様々な新機能や改善が追加されました。今回は特にインタラクティブな360度動画を作るツールセットの改善がハイライトです。
主な新機能と改善は以下の通り:
パノラマ360度/180度動画
パノラマ360度/180度動画や2D/3D動画を制作するワークフローが改善されました。 様々なスタイルの2Dや3Dの動画をUnityに取り込み、スカイボックスで再生してスタンドアロンデバイスやモバイルやXRランタイムをターゲットに360度動画体験を作り出すことが簡単にできます。
パーティクルシステムの改善
改善は主にUnlitとSurfaceパーティクルシェーダーとパーティクルのリボン状のトレイル(軌跡)です。パーティクルが発生した後の経過時間を考慮するようになり、リボン状のトレイルの各点はそれぞれパーティクルにて表現されているため、アニメーションすることが可能で、例えばNoise Moduleと共に使うことも可能です。
プロジェクト内のスクリプトのコンパイル - ユーザー定義のアセンブリにより効率化
アセンブリ定義ファイルを使うと、フォルダー内のスクリプトに基づいて定義されたマネージドアセンブリに分割することができます。プロジェクト内のスクリプトを複数のアセンブリに分割することにより、Unityエディター内のスクリプトのコンパイル時間が、大きいプロジェクトほど大幅に削減できます。
メモリープロファイラーのサポート
APIのMono/.NET 2.0 サポートにより、管理メモリーのスナップショットが取得できるようになったので、Unityエディターから直接メモリーのスナップショットを取得することができるようになりました。
Crunchライブラリーの改善
CrunchライブラリーのDXTテクスチャー圧縮が最大で2.5倍早く、圧縮率が10%向上しました。さらにETC_RGB4とETC2_RGBA8テクスチャー圧縮に対応し、iOSとAndroidでも使用できるようになりました。
グラフィックスの改善
PC、Xbox One、PlayStation 4にてHDR圧縮ライトマップ(BC6H)がサポートされました。GPUインスタンシングにも多数の改善が行われ、エンジンの機能としてDynamic ResolutionをXbox Oneプラットフォーム向けに追加しました。他のプラットフォームに向けても今後対応する予定です。
ライティングの改善
Progressive Lightmapperにライティングモード(Baked Indirect、Shadowmask、Subtractive)が追加されました。LOD(Level Of Detail)サポートとリアルタイムプローブで、より直感的なワークフローが可能になりました。また、より高品質のビジュアルを表現するためにベイクされたライトマップのHDRエンコーディングをサポートしました。
VRデバイス情報
VRデバイスのリフレッシュレート、ディメンジョン、アスペクト率、HMDとコントローラーのトラッキングをデバイス情報やデバイスのステータスイベントとして取得でき、VRコンテンツやゲームの最適化やチューニングに活用できます。
フィジックス
Cloth(布)シミュレーションにおいてセルフコリジョンやインターコリジョンの改善、頂点の制限編集が改善されました。
アニメーション
Unity 2017.3では、Playableのスケジューリング対応を追加しました。これにより、実際に動作するまでの時間を事前に取得することができます。まずはAudioClipPlayablesに実装されます。今後は他のアセット、音声、動画やタイムラインにも実装を広げる予定です。アニメーターコントローラー内にて整数とenum型のアニメーションパラメーターをサポートしました。スクリプトからこれらの値を定義することができるので、アニメーションのステートマシーンのフローがより制御しやすくなります。新しく「2D」モードボタンをアニメーションプレビューウィンドウに追加しました。また、アニメーターウィンドウにてズームとフレームと自動フィットを追加しました。
Xbox One Xサポート
新しくMicrosoftのXbox One Xをサポートしました。Quality Settingsから4K HDRレンダリングを有効にすることができます。またはフレームレートを改善したりグラフィックスの再現性を上げるなどで同様の効果を得ることも可能です。Unity 2017.xのすべてのリリースにてXbox One Xをサポートします。
Xiaomi: 中国のXiaomiストアでAndroidアプリをパブリッシュするために、UnityエディターからターゲットにXiaomiを選択できます。
2016年11月に、UnityとXiaomiはパートナーシップを発表し、中国でAndroidストアとしては最大のXiaomiを利用する2億人ものユーザーに向けてゲームをリリースできるように協業を開始しました。それ以降、複数のゲームタイトルがXiaomiストアにてリリースされてきました。今年11月の終わりにはXiaomiの新しいストアへパブリッシュできるようになりました。詳しくは FAQとスタートガイド(英語)をご参照ください。
Standard Events
Standard Eventsが正式にリリースされました。Unity 2017.3からはエディターから直接操作することができます。またファネルテンプレートを提供しているので、Standard Eventsと使用することで共通ファネルを作成して数クリックでインサイトを得られるようになります。
Unityでは自動的にスクリプトにてアセンブリが定義されます。インタラクションのためのスクリプトをプロジェクトに追加していくと、Unityエディター内のコンパイル時間が長くなることがよくあります。
アセンブリ定義ファイルにより、フォルダー内のスクリプトに基づく独自のアセンブリを定義することができます。プロジェクト内のスクリプトを複数のアセンブリに分割する際は、依存関係に配慮して、スクリプトに変更を加えた際には影響を受けるアセンブリのみリコンパイルされるようにしてください。これにより、特に大きなプロジェクトについてはコンパイル時間を大幅に削減することができます。
分割されたアセンブリは、Unityプロジェクト内ではそれぞれライブラリーとして考慮されます。
上の図ではプロジェクト内のスクリプトを複数のアセンブリに分割している様子を表しています。Main.dll内のスクリプトのみ変更が行われるので、他のアセンブリはリコンパイルされません。また、Main.dllには少量のスクリプトのみ含まれるため、Assembly-CSharp.dllをコンパイルするよりも早くコンパイルが終わります。
同様に、Stuff.dllにのみ変更が加えられた場合には、Main.dllとStuff.dllだけリコンパイルされます。
アセンブリ定義ファイルについては新機能プレビューブログ(英語)をご参照ください。
2015年に実験的な機能としてIL2CPPをサポートするメモリープロファイラーをリリースしました。Unityハックウィークプロジェクト(社内ハッカソン)から生まれたこの機能は、BitBucketにてオープンソースプロジェクトとしてリリースされてきました。BitBucketのメモリープロファイラープロジェクトのページにて機能の詳細とデモ動画をご覧いただけます。
APIにMono / .NET 2.0サポートを追加し、メモリーのスナップショットを取得できるようにしました。これにより、Unityエディター内でメモリーのスナップショットを取得することができます。
Transformツールは、複数の機能を含むツールで、標準的な3つの機能、移動、回転、縮小・拡大の機能が含まれています。これらの既存の3つの機能を置き換えるものではなく、これらの3つの機能を同時に使いたい時にツールを切り替えずに一つのツールで操作・編集できます。
ワールドgizmo
ピボット回転を「Global」モードにすると、ゲームオブジェクトをグローバル座標軸に沿って回転させたり変更することができます。
ローカルgizmo
ピボット回転を「Local」モードにすると、ローカルの座標に沿って縮小・拡大することができます。
スクリーンスペースGizmo
キーボードにて「SHIFT」キーを押したままにすると、スクリーンスペースモードになります。
このモードでは、スクリーンスペース内で変更・回転ができます。
スナッピング
キーボードにて「CTRL」キー(Windows)または「Command」キー(MacOS)を押したままにすると、 ユニットでの以下のスナップが可能になります:
頂点スナップ
キーボードにて「V」キーを押したままにすると、頂点スナップモードになります。これは複数のゲームオブジェクトの頂点を揃えることができます。
Cinemachineはゲーム内のカメラで、映画のようなカメラ演出やカットシーン、映像を事前にビジュアライズしたりできる機能で、多数の新機能と改善が追加されました。
改善は以下の通り:
他の新機能や改善にはドリーカメラ、POV、ファーストパーソンシュータータイプ、エイムコンポーネントなどがあります。
新機能や改善のリストは公式フォーラムのスレッド(英語)をご参照ください。
Cinemachineの機能はUnityアセットストアから最新版をダウンロードしてご利用ください。
Unityでは、ライティングの事前計算処理と構成を制御でき、達成したいレベルの効果をライトに複数のモード(Realtime、Mixed、Baked)を割り当てることで得ることができます。Mixedモードではリアルタイムシャドウディスタンスを大幅に削減でき、パフォーマンスが向上します。
また、グラフィックスの再現性を高めるより長いシャドウディスタンスもリアルタイム鏡面ハイライトと共にサポートされました。
Unity 2017.3では、Progressive Lightmapperでも同様に以下のライトモードを割り当てて同じことができます:
Baked Indirect モードでは、Mixedライトはベイクされたライトマップとライトプローブをサンプルした追加の間接ライティングと共にリアルタイムな動的ライトのように振る舞います。霧のような効果はリアルタイムシャドウディスタンスの届かない範囲でも使用できます。
Shadowmask モードでは、Mixedライトはリアルタイムで、静的オブジェクトからの影はシャドウマスクテクスチャーとライトプローブにベイクされます。これにより影を離れた距離から描写できキャストされる影の描写を大幅に減らすことができます。この機能はQuality SettingのShadowmaskモードの設定に基づきます。
Subtractiveモードでは、直接ライティングはライトマップにベイクされ、静的オブジェクトはMixedライトからの鏡面ハイライトや光沢のあるハイライトは持ちません。動的オブジェクトはリアルタイムに光を発し、ライトプローブを通じて静的オブジェクトから事前に計算された影がかかります。メインの指向性ライトにより動的オブジェクトは静的オブジェクトにサブトラクトのリアルタイムの影を落とすことができます。
Progressive Lightmapperの各ライトモードを試す際には、シーンにてがMixedライトがあるか確認し、 Lighting WindowにてLightingモードを選んでください。
ベイクされたライトマップに加えて、リアルタイムライトプローブでもLOD(Level Of Detail)のためにライティングを生成できるようになりました。これによりユーザーはより直感的なワークフローでライティングを編集できます。LODではカメラが遠い場所にあると複雑でないメッシュを、近い場所にあると複雑なメッシュを持ちます。これにより遠い場所にあるオブジェクトを描写する計算コストが削減できます。UnityのLODシステムをベイクされたライティングとリアルタイムGIのシーンで使用すると、LODグループの中から最も詳細なモデルをライトし、それが通常の静的モデルであるかのように振る舞います。直接ライティングと間接ライティングのためのライトマップを使用し、リアルタイムGIでは別のライトマップを使用します。
LODグループの中でもより低レベルのLODでは、ライトプローブまたはライトプローブプロキシボリュームからのベイクされたライトマップとリアルタイムGIと組み合わせることができ 、これらはLODグループの周囲に配置する必要があります。
Unity 2017.3にてベイキングシステムがリアルタイムまたはベイクされたライトマップを生成するには、関連するゲームオブジェクトのRendererコンポーネントでLightmap Staticが有効になっていることを確認してください。
このアニメーションではリアルタイムアンビエントカラーがより低レベルのLODによって使用されたリアルタイムGIにどのように影響しているかを表しています:
HDR圧縮ライトマップ(BC6H)サポートをPC、Xbox One、PlayStation 4にてサポートしました。これにより、より美しいシーンを表現できます。High Qualityライトマップを使用すると、ライトマップ値をRGBMでエンコードせず、16ビット浮動小数点値を使います。その結果、サポートされる値は0〜65504に広がります。BC6Hフォーマットはまた、DXT5とRGBMの組み合わせで使うと効果的で、RGBMエンコーディングに由来する縞模様のようなアーティファクトを生成せず、カラーのアーティファクトはDXT圧縮に由来します。HDRライトマップをサンプルする必要があるシェーダーのALU演算が2、3つ分短いのはサンプルされた値をデコードする必要がないためで、BC6HフォーマットはDXT5と同じくらいGPUメモリーが必要です。
HDRの設定は簡単で、Player SettingsからLightmap EncodingオプションをHigh Qualityに設定してください。
GPUインスタンシングはUnity 5.6で導入され、メッシュの複数のコピーを同時に描写するため、シーン当たりのドローコールを削減できます。これによりレンダリングのパフォーマンスが大幅に改善されます。
GPUインスタンシングには多数の改善が加えられました。例えばインスタンス毎のプロパティは構造データタイプに格納され、インスタンシングの定数バッファにはこの構造の1つのアレイだけ含まれます。
多くのプラットフォームでは、インスタンシングのアレイサイズは自動的に計算され、ユーザーが定義する必要はありません(前述の構造タイプの定数バッファは最大まで使用できます)。
インスタンシングのバッチサイズはバッファサイズの拡大によりOpenGLとMetalにて改善され、インスタンシングシェーダーのバリアントのコンパイルがより早くなり、CPU-GPUデータ帯域という観点で計算コストが下がっているかもしれません。
Unity 2017.3で改善されたCrunchライブラリーでは、 DXTテクスチャーを最大で2.5倍早く圧縮でき。圧縮率は10%程度改善されます。さらに、ライブラリーはETC_RGB4とETC2_RGBA8のテクスチャー圧縮することができ、Crunch圧縮をiOSとAndroidで使えます。
Crunchはデータの劣化を伴う不可逆の圧縮方法で、DXTテクスチャー圧縮とともに使用されます。Crunch圧縮テクスチャーのサイズを小さくし、ダウンロードの時間を削減できます。オリジナルのCrunch圧縮ライブラリーはRichard Geldreich氏により開発され、GitHubにて公開されています。CrunchテクスチャーフォーマットのサポートはUnity 5.3にて初めて追加されました。Unity 2017.3ではCrunch圧縮ライブラリーの更新版を追加しました。
Crunch圧縮されたテクスチャーはまずDXTに解凍され、ランタイム時にGPUにアップロードされます。Crunchを使用したテクスチャーはサイズが小さくなるだけでなく、解凍も早く行われますので、Crunchフォーマットはテクスチャーを配布するのに適しています。しかし圧縮には時間がかかるのが短所で、Crunchを使用する際にはこれらを考慮する必要があります。(例えば大きなプロジェクトになると、Unityエディターで全てのテクスチャーをCrunchフォーマットで圧縮するのに数時間かかることもあります)
特にモバイルゲームでは、ビルドのファイルサイズを小さくできることで、アプリストアのサイズ制限をクリアでき、より多くのユーザーへリーチすることができるでしょう。
Crungh圧縮をAndroid、iOS、tvOSプラットフォームで使用する際にはインスペクターウィンドウでテクスチャーに「RGB Crunched ETC」または「RGBA Crunched ETC2」フォーマットを選択できます。「Use Crunch Compression」オプションをデフォルトタブで有効にすると、全てのAndroidプラットフォームのテクスチャーはデフォルトでETC Crunchで圧縮されます。
下の図は、デフォルトの品質設定でCrunch圧縮されたテクスチャーの例です。最終的なテクスチャーのアーティファクトはCrunch圧縮と選択されたGPUのテクスチャーフォーマット(DXTまたはETC)が使用されます。
![]() 24 bits/pixel | ![]() 4 ビット/ピクセル | ![]() 1.24 ビット/ピクセル |
![]() 24 ビット/ピクセル | ![]() 4 ビット/ピクセル | ![]() 1.33 ビット/ピクセル |
Crunchテクスチャー圧縮ライブラリーについて詳細はこのブログ記事(英語)をご参照下さい。具体例にてサイズや性能の比較がご覧いただけます。
今年はじめに追加された新しいビデオプレイヤーにより、360度動画を使い、CGオブジェクトやAmbisonicオーディオ、視覚効果などを追加することでよりインタラクティブな体験を作ることができます。
Unity 2017.3では、2Dまたは3D動画をUnityに取り込み、スカイボックスで再生してVRプラットフォームを対象にスタンドアロンの360度体験を制作することができます。
Unityでは180度と360度動画のビルトインサポートを追加し、Equirectangular形式(緯度と経度)、またはキューブマップ形式(6 frames)を使用できます。
Equirectangularの2D動画は、360度コンテンツでは縦横比2:1、180度コンテンツでは縦横比1:1でなければいけません。
Equirectangularの2D動画
キューブマップの2D動画は、顔のレイアウトによって縦横比が1:6、3:4、4:3または6:1です:
キューブマップの2D動画
Unityにてパノラマ動画機能を使うには、パノラマ動画クリップにアクセスできるか、クリップを作る方法を知っている必要があります。こちらの ドキュメント(英語)にパノラマ動画をUnityエディターで表示させる手順があります。
デスクトップのハードウェアビデオデコーダーは、4K解像度までの制限があり、モバイルのハードウェアビデオデコーダーは2Kまたはそれ以下の制限がある場合がよくあるため、リアルタイムの再生にそれらが影響することを考慮してください。
開発者向けのプレビュー版では、C API for Android NDK、ARセッションの一時停止とレジューム機能(アプリがレジュームした後にユーザーが一時停止してトラッキングを継続するできる)、ランタイム効率向上、トラック可能なものとアンカーインターフェース(アンカー、地面検知、ポイントクラウド)が改善されました。 詳しくはこちら(英語)をご参照ください。
Unity 2017.3ではVuforia 7をサポートし、クロスプラットフォームARアプリ開発がサポートされました。Vuforia 7 はModel Targetsが追加され、3Dモデルを使ってデジタルコンテンツを特定の物体の上に置く(表示させる)ことができます。また、Vuforia Ground Planeでは水平面、例えば床やテーブルの上にデジタルコンテンツを置く(表示させる)ことができます。Ground PlaneはiOSとAndroidデバイスをサポートし、ARKitなどを利用できるプラットフォームで利用できます。Unity 2017でのVuforiaサポートについてはこちらのサイトをご参照ください。
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Ground Plane (利用無料) 床やテーブルにデジタルコンテンツを配置します。 | Model Targets 新しいクラスのオブジェクトを形状で認識し、ARコンテンツを産業機械や車や家電の上に配置します。 |
先日、OTOY社のGPUベースのレンダリングエンジンがUnityから利用できるようになったことをお知らせしました。レンダリングに使用したいGPUが1つであれば無料で利用できます。また使用したいGPUの数によって、20ドルまたは60ドルのサブスクリプションのプランが用意されており、メジャーな3D編集ツールのプラグインも利用できます。プリレンダーのフォトリアリスティックなCGや視覚効果を映像作品やゲームのトレイラー制作に活用できます。OctaneRender for UnityはUnity 2017.1またはそれ以降でご利用いただけます。詳しくはこちらのサイトをご参照ください。
「Velocity over Lifetime module」は新しくカーブを含み、これでパーティクルのスピードをパーティクルのライフタイムによって制御することできます。またこれにより、パーティクルの動く方向を変えずにスピードを変えることが可能になります。また、速度のマイナス値もサポートし、重力や渦の効果を作ることができます。
パーティクルと使える「Surface」と「Unlit」シェーダーをリリースしました。標準的なパーティクルの機能をスタンダードシェーダーに似たインターフェースから利用できます。ブレンドモード、アルファテスト閾値、ソフトパーティクルディスタンス、など多くの機能を構成するのが簡単になります。ブレンドされたフリップブックと歪みエフェクトのサポートも含まれます。SurfaceシェーダーでNormal MappingとPBRライティングも簡単に利用できます。
Trails ModuleにRibbon Modeという新しいオプションが追加され、パーティクルが発生した後の経過時間を考慮するようになったため、パーティクルのトレイルが後に残るのを防ぐことができます。トレイルの各点はパーティクルなので、Noise Moduleと共に利用するなどしてアニメーショントレイルも作成することができます。
Shape Moduleでメッシュを使う際に、プリミティブタイプがLineまたはLineStripのメッシュも使用できるようになりました。これによりメッシュの表面だけでなく、ラインに沿ってパーティクルを発生させることが簡単にできます。
Unity 2017.3から32ビットメッシュがサポートされ、メッシュの頂点数を65536以下にする制限がなくなりました。これはパーティクルシステムに組み込まれ、頂点数65536以上のメッシュ上にパーティクルを発生させることができます。しかし計算量が増え、負荷が高くなる可能性があるので、パーティクルメッシュで32bitインデックスバッファーを利用することもできます。
Unityエディターでのエフェクト作成のワークフローが改善されました:
Cloth物理計算に多くの改善が追加され、NVIDIA社のPhysXエンジンを生かせるようになるにつれUnityエディター内での編集ツールが改善されます。コリジョンやセルフコリジョンなどにも多くのオプションが用意されています。Clothの制限をブラシベースのツールで編集することができ、また、インターコリジョンを有効にして複数の異なるクロスオブジェクトが衝突するようにできます。
Clothの改善について詳しくはスタートガイド(英語)をご参照ください。
FacebookのGame Roomにて新しいセグメントアップロード機能をサポートしました。以前は最大250MBサイズのファイル1つをアップロードできましたが、今後は変更された部分のみ(10MBに小分けにされて)アップロードされます。
Unity5.6からFacebookのデスクトップアプリであるGame Roomをサポートしており、Windowsネイティブのクライアントでゲームプレイヤーはウェブゲームとネイティブゲームの両方をこのプラットフォームで楽しむことができます。より詳しくはFacebookのこちらのページ(英語)をご参照ください。
最新のOculus Riftのアップデートにて追加されたOculus DashメニューとUIに対して、UnityはOculus DashのDepthをサポートし、カメラ深度情報を提供し、Oculus Dashが部分的にオーバーレイを塞ぐことができるようになりました。
VRにおいてUnityの機能で地面に木を配置することが可能になりました。詳しくはドキュメント をご参照ください。
Unity 2017.2からPCベースのVRプラットフォームにおけるステレオインスタンシングを追加しましたが、これにPSVRサポートを追加しました。ステレオインスタンシングは、ハードウェアの機能を生かしてステレオ画像を描写するためのレンダリング方法で、フレームレートを保ちつつより多くの試みを実装することができます。
最新のDirectXのサポートに注力するために、Unity 2017.3では(Unityエディターとスタンドアロンプレイヤーの両方においてDirectX 9(2002年リリース)をサポートしません。詳細は こちらのブログ記事(英語)をご参照ください。
最後に、2017年10月に発表したようにUnity 2017.3ではサムソンのTizenとSmartTVをサポートしません。しかしながらUnity 2017.2リリース(2017年10月)から12ヶ月間は修正パッチとセキュリティアップデートを提供します。UnityのTizenとSmartTVのサポートについては こちらのサイトをご参照いただくか、サムソンのサポート窓口support@samsungdevelopers.comへ直接お問い合わせください。
Unity Teamsを購入してご利用いただけるようになりました。どのような規模のチームでも、Unityからプロジェクトを簡単に共有して作業することができます。 Unity Teams Basicは少数メンバーのチームで無料でご利用いただけます。メンバーの数が多く、より多くの機能をご利用されたい場合はUnity Teams Advancedにて月額9ドルで利用できます。使用できるメンバーを増やしたり、より多くのクラウドストレージを使うことができます。詳細はunity3d.com/teamsをご参照ください。
Unity Teamsの機能(Collaborate, Cloud Build)を現在無料でご利用いただいている場合は、2018年1月9日までご利用いただけます。2018年1月31日時点でアクティブなUnity ProまたはPlusサブスクリプションをお持ちの方は追加料金なしでUnity Teams Advancedを継続してご利用いただけます。詳しくはこちらをご参照ください。
Unity Analytics Standard Events ではゲームプレイヤーの振る舞いをトラックでき、制作されたゲームに特有の問題を解明するのに役立ちます。ユーザーエクスペリエンスに関する5つのカテゴリー、Onboarding、Application、Progression、Engagement、Monetizationでイベントが設定されています。Unity 2017.3では、Unityの標準機能としてStandard Eventsが実装されています。またファンネルテンプレートも追加されました。
Standard Eventsとともにファンネルテンプレートを使うと、共通ファネルを作成して数クリックでインサイトを得られるようになります。
詳しくはこちらをご参照ください。
Unity ProまたはPlusサブスクリプションをお持ちの方は、LiveStreamsにて直近30分の情報を見ることができます。IAP売り上げ情報は認証された後のものが表示されるので、データはより正確なものが表示されます。フィルターするオプションとして、新しくインストールされた数、セッション数、認証されたIAP売り上げをアクティビティビューから設定できます。
LiveStreamについて詳しくはこちらをご参照ください。
いつものように、リリースノート(英語)に全ての新機能、改善、修正のリストが掲載されています。
以上が今年最後のリリース、Unity 2017.3のご紹介でした。Unity 2017.3はこちらからダウンロードいただけます。
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