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ライト、カメラ、アップデート:Cinematic Studio と Live Capture の最新情報

2022年11月30日 カテゴリ: Engine & platform | 17 分 で読めます
Lights, camera, update: The latest on Cinematic Studio and Live Capture | Hero image, version 2
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Unity は 2021 年に、バーチャルプロダクションとシネマティックツールのスイートをリリースし、その後、映画やテレビ番組の実現やアニメーションに必要なクリエイターに関する情報を収集するため、クローズドベータ版プログラムを開始しました。私たちの製品のユーザーが収めた成功に、私たちは感動しています。

一連の Unity 2022 のリリースでは、これらの機能の多くのアップデートやリフレッシュを行う機会がありました。この記事の続きをお読みいただき、RecorderSequencesPythonLive CaptureFBX Exporter の最新アップデートの情報をご覧ください。

Recorder > Accumulation Improvement > Shadow Map Filtering
Recorder > Accumulation Improvement > Shadow Map Filtering とたどると上の画像の機能を利用できる。

Recorder

フィルムシーケンス、アニメーション、シネマティックなどのリニアなコンテンツを制作する場合、最終成果物として望まれるのは多くの場合、動画です。そこで登場したのが Recorder です。

Recorder では、タイムラインゲーム ビューにあるものをエクスポートできます。これらは最終的には時間ベースのデータ、つまりほとんどの場合、動画と静止画となります。しかし、この機能ではアニメーションデータ、オーディオ、中間の Arbitrary Output Variables(AOV)をエクスポートして、コンポジットやエフェクトの作業を行うことも可能です。

主な機能改善点は以下の通りです。

  • 動画のエクスポート:H.264、WebM、ProRes
  • フレームのエクスポート:PNG、JPEG、EXR
  • 累積モーションブラー のサポート:HD レンダーパイプライン(HDRP)のみ
  • AOV のエクスポート:エフェクトおよび最終出力向け
  • アニメーションデータのエクスポート:DCC でのラウンドトリップ用に Anim、FBX、Alembic のエクスポートに対応
  • WAV オーディオのエクスポート:より高品質なオーディオ向け

Recorder の新機能

今回のリリースでは、動画の画質、コーデックのサポート、そして全体的なパフォーマンスに重点を置きました。また、最近いただいたフィードバックに基づき、累積モーションブラー機能をアップデートしました。

アップデートの概要は以下の通りです。

  • Encoder 公開 API:Movie Recorder の新しい Encoder 公開 API を使って、お気に入りの動画コーデックを実装できるようになりました。これには、API を使って FFmpeg のスタンドアロンインスタンスと統合する方法を説明する FFmpeg Encoder のサンプルが含まれています。サンプルは、パッケージマネージャーからダウンロードできます。
  • 改良されたコーデックオプション:Movie Recorder の高度な H.264 および VP8 コーデックオプションを使って、収録する動画の品質を微調整できます。これには、ビットレートや GOP サイズなどのオプションが含まれます。
  • アニメーション GIF:皆さんからの強い要望を受けて、アニメーション GIF のサポートを復活させました。また、Apple シリコンのサポートが強化されています。
  • ProRes:パフォーマンスが向上し、複数の高解像度 ProRes 動画をエディター内で制作することが容易になりました。
  • Accumulation の改善累積モーションブラー機能に関するフィードバックに対応する形で、以下の改善を行いました。
    • 使い始める際にわかりやすいよう、UI を刷新しました。
    • 累積のためのリソースの削減(累積は収録されたフレームのみに適用され、再生されているが収録されていないフレームは無視されるようになりました。)
    • 以下の具体的な要望に対処しました。
      • 累積利用時のオーディオ収録
      • タイムラインクリップからの収録時の累積に対応
      • シャドウマップフィルタリング
        • 累積が有効な場合、スポットライトによって生成された影は、追加のパフォーマンスコストなしでフィルタリングされ、より滑らかな影と時間的な安定性を実現します。
      • サブピクセルカメラのジッターをデフォルトで設定(アンチエイリアシング)
        • 累積が有効な場合、すべてのサブサンプルがカメラ位置をわずかに乱した形で収録されるため、アンチエイリアシングの結果がより良好になります。

Sequences

映画のタイムラインとゲームのタイムラインは異なります。ゲームでは、時間がいろいろな方向に枝分かれしていくことがあります。時には、複数のタイムラインを一度に起動したり、タイムラインを中断したりする必要が生じたりすることがままあります。そのため、つながりは複雑になることがあります。驚くことではないかもしれませんが、エディター内のタイムラインは、映画制作者が必要とするものとはまったく異なるユースケースに最適化されています。

リニアなストーリーの場合は違います。すべてが予測可能な順序で起きるので、多くのプロセスを自動化し、また多くの複雑な手順を省くことができます。Sequences が行うように、プロジェクトを業界で標準的に使われる用語とフォルダー構造を使って整理することができます。シネマティックの制作を加速させると同時に、柔軟性を維持します。

Organize your project with Sequences
Sequences でプロジェクトを整理する

主な機能改善点は以下の通りです。

  • ショットとシーケンスの作成:数回クリックするだけで、裏の複雑なしかけの部分がすべて自動的に処理されます。
  • 並行作業:各シネマティック要素は個別に編集可能なプレハブアセットである ため、上書きなどの競合を回避できます。
  • 非破壊的な変更:同じプレハブワークフローに乗っているために、非破壊的に変更を試すことができます。
  • Recorder の統合:レンダリング出力が簡素化されます。
  • アセットの整理:タイムラインとプロジェクト構造を整理できます。
  • タイムラインの Scene Activation Track:ストーリーの進行に合わせてシーンのオンオフを切り替えることができます。

Sequences の新機能

今回のリリースでは、スケーラビリティ、特に、多数のアセットを含む大規模なプロジェクトでの共同作業に関するユーザーからのフィードバックへの対応を開始しました。

アップデートの概要は以下の通りです。

  • 無制限のネスト:元々の実装では、シーケンスのネストは 3 階層までしか行うことができませんでした。現在は、エディトリアルで必要なだけのネストを作成することができるようになっています。例えば、Episode 1 > Scene 1 > Sequence 1 > Shot 1 というネストを作ることが可能です。
  • UX の改善
    • Sequences TreeView:よりスケーラブルな UI Toolkit を使うようになりました。
    • Sequence アセット ヒエラルキー:別ウィンドウで表示されるようになり、プロジェクトでこのレベルの設定が必要ない場合は、より軽いレイアウトを使えるようになりました。
    • ヘルプボタン:ドキュメンテーションに簡単にアクセスできるように、ウィンドウの上部に配置されています。
    • コンテキストメニュー:さらに効率的な体験のために磨きがかけられています。
    • Sequences ウィンドウでの削除 :対象を複数選択できるようになりました。
  • スケーラブルなエディトリアルデータモデル
    • 以前のバージョンの Sequencesでは、シーケンスは TimelineAsset とは別物でした。そこで、TimelineAsset を直接使うようにして、認知負荷とエンジニアリング上のオーバーヘッドの両方を取り除きました。

Python for Unity

Python は、その柔軟性とシンプルな構文により、アニメーションや VFX 業界で最も広く使用されているスクリプト言語です。スタジオパイプラインにおいて、ツールチェーンは Python を使って接続されているというケースが大部分を占め、また、すべての主要なデジタルコンテンツ制作(DCC)アプリ(例えば、Maya、Blender、Houdini、Nuke)には Python スクリプト API が同梱されています。

Unity エディターで Python を使うと、以下のようなことができます。

  • シーンやシーケンスの組み立てや、多数のアセットの複製や修正など、時間のかかる作業を自動化できます。
  • PySide2shotgun-api3NumPy などの Python ライブラリと対話するカスタムエディタツールを C# で記述できます。
  • 既存のパイプラインとの統合を強化し、重要な DCC との連携も強化することで、より利便性を得ることができます。
Python scripting in Unity
Unity での Python スクリプティング

主な機能改善点は以下の通りです。

  • C# と Python 間の双方向のブリッジ :C# から任意の Python API を呼び出す、あるいは Python から任意の C# API を呼び出すことができます。
  • Python Script Editor ウィンドウ:これは主に、プロトタイプを作成したり、短いスクリプトを実行したり、Python コードを実行する新しいメニュー項目を作成したいテクニカルアーティストを対象としています。
  • プロジェクト設定:サイトパッケージパスをカスタマイズして、同じ環境でコマンドラインを起動できます。
  • pip を使った Python パッケージのインストールと読み込み:Python パッケージのエコシステムをフル活用できます。
  • スタジオで使っているスクリプトやお気に入りの Python モジュールのインポート:これについては、エディターで直接作業することができます。
  • Python のプロダクションコードベースの再利用:エディター内で素早く作業を完了されられます。
  • 定期的なタスクの自動化:アセット変換や日次での提出作業を想定したものです。
  • サードパーティの Python ライブラリの利用:すべてエディター内で利用可能です。

Python for Unity の新機能

このリリースでは、Python の安定化、依存関係の更新、pip へのアクセスの改善、クロスプラットフォームのサポート確保に重点を置いています。

アップデートの概要は以下の通りです。

  • Python を 3.9 にアップグレード2022 年の VFX Reference Platform 推奨事項に追従しました。
  • Python for .NET を 3.0.0 のカスタムフォークにアップグレード:rc4 に重大なバグの修正のバックポートを追加したものにアップグレードしました。
  • Ubuntu 18 および 20 のサポート
  • Apple シリコンの ネイティブサポート
  • pip の同梱:Python インストールに組み込まれました。

FBX Exporter

FBX は、Unity のエコシステムにモデルやアニメーションをインポートする際の中心となる存在です。しかし映像制作の環境では、このデータを Unity と他のプログラムの間でラウンドトリップする方が便利なことが多いのです。FBX Exporter は、ジオメトリ、ライト、カメラ、アニメーションデータを、FBX フォーマットをサポートするあらゆるアプリケーションに送信するためのワークフローを簡素化します。

主な機能改善点は以下の通りです。

  • 3D モデリングソフトウェアとの統合:Unity と Autodesk® Maya® や Blender などの広く使われている DCC との間で、アセットのインポートとエクスポートを簡単に行うことができます。3D モデリングソフトウェアは、ファイルの行き先と、どのオブジェクトを Unity にエクスポートして戻すかを記憶しています(現在、この機能は Windows と macOS でのみ利用可能です)。
  • FBX Exporter:ゲームプレイを記録し、ジオメトリ、アニメーション、ライト、カメラを FBX ファイルとしてエクスポートしてシネマティックを作成したり、ProBuilder でプレビジュアライゼーションやグレーボクシングを行ったり、最終版のアセットと入れ替える準備ができるまでゲームオブジェクトを FBX にエクスポートしたりできます。
  • FBX Recorder Unity Recorder を通してアニメーションをエクスポートします。エクスポートの対象には Cinemachine のカメラアニメーションも含まれます。
  • FBX のプレハブバリアントFBX Importer で FBX ファイルをモデルのプレハブとしてインポートし、そこからプレハブバリアントを作成することができます。プレハブバリアントは、元のプレハブに影響を与えることなくプロパティや子オブジェクトを上書きできるため、更新を行う際にファイルへのリンクを壊すことなく使用できるようになりました。

FBX Exporter の新機能

ユーザーからのフィードバックを受けつつ、今回のリリースでは Export API の拡張に焦点を当てることにしました。

アップデートの概要は以下の通りです。

  • Keep Instances および Embeded Textures のエクスポートオプションを有効にする新機能
  • 大きなバイナリ FBX ファイルのエクスポートを可能にするデフォルトのファイルバージョン
    • Blender ユーザー向けのご注意:これらのファイルを読むためには、必ず Blender 2.79 以降にアップデートしてください。
  • ドキュメント の改善バグ修正
    • FBX Recorder でブレンドシェイプアニメーションを正しく記録し、最大 8 つの UV をエクスポートできるようになりました。
FBX Exporter in Unity
Unity の FBX Exporter

Live Capture

Live Capture は、ライブパフォーマンスにおけるモーションキャプチャーをサポートするコアツールです。Live Capture パッケージは拡張性を持たせ、さまざまなモーションキャプチャーシステムのプラットフォームとして機能するように構築されています。

さまざまなシステムを協調させて動かせるよう、Live Capture には TentacleSyncNTP サーバーなどのソースをサポートするタイムコード同期機能があります。

Unity 2023.1 では、2 つのバージョンの Live Capture が利用可能です。

  • Live Capture 3.0.0 はフルリリースされたバージョンで、エディターにデフォルトで表示されます。また Unity 2022 LTS の一部であるため、その機能セットと API は安定したまま、時折バグ修正と小規模な改善が施されます。既存の機能セットに満足している場合、または安定した基盤を必要とする長期的なプロジェクトを開始する場合は、このバージョンを使用してください。 
  • Live Capture 4.0.0-pre.2 はプレリリース版で、プレリリース版パッケージをオプトインした場合のみ利用可能です。その機能は新しく、十分に検証されていないため、フィードバックを受けて修正が行われる可能性があります。Live Capture 4.0.0 の最終リリース版は Unity 2023.2 に搭載される予定ですが、現在のプレリリース版とは異なる可能性があります。新しい機能を使う準備をしつつ、初期のバージョンの頃からツールに対するフィードバックも行いたい場合は、こちらのバージョンを使用してください。

主な機能改善点は以下の通りです。

  • パフォーマンスキャプチャーのための iOS アプリが利用可能Unity Virtual CameraUnity Face Capture は、App Store で無料配布されており、リアルタイム 3D 映像制作の入門として活用することができます。
  • リアルタイムモーショントラッキング:スマートフォンからのリアルタイムなモーショントラッキングデータを使って、カメラやキャラクターの顔を動かします。
  • Take Recorder:このツールを使って、テイクを撮影し、再生し、素早くイテレーションを回すことができます。 
  • サードパーティツールの統合:サードパーティのモーションキャプチャシステムを Unity に統合することができます。

Live Capture 4.0.0 の新機能

タイムラインとの統合の改善や、カメラアニメーションを行う方法の簡素化によって、テイクの撮影やレビューがこれまで以上に簡単にできるようになりました。

Live Capture 4.0.0 では、以下の機能が活用できます。

  • カメラアンカー:バーチャルカメラをシーン内のトランスフォームに固定できるようになり、シーンの階層を変更することなく、手持ちカメラを他のオブジェクト(例えば、走行中の車)に相対的に動かすことができるようになりました。 
  • 範囲を絞ったテイク内の移動:タイムライントラックに複数のテイクが含まれ、トラックがかなり長くなることがあります。そうなると、スクラブが面倒になることもあります。そこで、範囲マーカーと巻き戻しボタンを使って、作業中のショット内に限定して移動する機能を用意しました。 
  • Take Organizer:この専用ウィンドウでテイク間を移動し、メタデータを編集して、評価することができます。
Take Organizer in Unity
Unity の Take Organizer
  • タイムコードなしでの同期:オーディオ、動画、モーションキャプチャデバイスの同期を容易にする新しい API セットを提供します。エンジンのゲンロックが可能になり、タイムコードに頼らずに機器の同期ができるようになりました。
Synchronization for mocap in Unity
Unity でのモーションキャプチャの同期

Live Capture 3.0.0 でできること

4.0.0 に先立ち、Live Capture 3.0.0 では、既存の機能をより強力かつ直感的に使用できるものにしました。現在、これは Unity 2022.2 TECH ストリームの一部となっています(エディターバージョンは最低 2020.3.16f1 が必要です)。

Live Capture 3.0.0 では、以下の機能が活用できます。

  • ゲームパッドのサポート:Virtual Camera iOS アプリでは、Made for iOS(MFi)コントローラーを使ってカメラを操作することができます。カメラワークでは、画面上のジョイスティックよりも精密なコントロールが要求されることがよくあります。
Gamepad support with Live Capture
Live Capture でゲームパッドのサポート
  • Generic Transform Capture デバイス:カメラや顔のアクターを記録するだけでなく、任意のゲームオブジェクトの変形をテイクの一部にすることができます。これにより、プレイヤーが操作するキャラクターと重力で動くボールなど、異なる入力を同じテイクで使用することができます。
  • 同期ウィンドウ:Live Capture のバージョン 2.0.0 から、TentacleSync デバイスなどのタイムコードソースによるタイムコード同期をサポートするようになりました。その後、同期を可視化するウィンドウを新たに追加し、バッファの調整作業を容易にするなど、サポートを強化しています。
Timecode Synchronizer in Unity
Unity の Timecode Synchronizer
  • Take Recorder の改善:ユーザー体験を向上させるために、さまざまな変更が行われています。例えば、テイクを再生するシーンでは、もう Take Recorder は必要ありません。また、クリップをロックすることで、現在作業しているショットを変更せずにタイムラインをスクラブすることができます。
  • キーフレームの削減 結果のカーブに誤差のマージンを持たせることで、アニメーションクリップのサイズを小さくすることができます。

最新のアーティストツールや機能にいち早くアクセスできるベータ版プログラムに参加し、Unity が次の制作にどのように役立つかを見極めましょう。オーダーメイドのサポートが必要な場合は、私たちのソリューションチームまでご連絡ください。

2022年11月30日 カテゴリ: Engine & platform | 17 分 で読めます

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