Unity でのマテリアル制作がこれまでにないほど直感的になりました。ArtEngine 2021.15 は、これまでで最も充実したリリースであり、完全なマテリアルを使ったクローンスタンプから、Baker、Plane Generator、さらには HD レンダーパイプライン(HDRP)リアルタイムレンダラーに至るまで、さまざまな機能が搭載されています。
この数か月、Unity ArtEngine チームの職人たちは、2021 年を最高の形で締めくくるために、特に忙しく働いてきました。その甲斐あって、ArtEngine の最も強力で機能豊富なバージョンが出来上がりました。
以下は、プロジェクトの 3D アセットをあらゆるレンダラーで輝かせるために使用できる新しいツールの一部です。
これまで最も要望の多かったツールの 1 つが、ArtEngine の完全なマテリアルを使ったクローンスタンプです。傷や不要な部分を AI で補正する Content Aware Fill ノードが確かにありますが、その一方でクローンスタンプのように手入力が可能な便利なツールも用意されているわけです。
ArtEngine のクローンスタンプは他のアプリケーションとは異なり、マテリアル内のすべてのマップを使って動作します。また、タイリングに必要なラップモードも備えています。つまり、アルベドレイヤーに加えた調整は、法線マップやハイトマップなどの他のビットマップにも反映されるということです。
マテリアルを作るためのフォトグラメトリは、タイル状の素材を処理するのに必要なソフトウェアパッケージの数が多いため、敷居が高いと思われがちです。そこで、Baker と Plane Generator ノードを追加して、ワークフローを凝縮することにしました。
Baker を使えば、一般的な種類のマップ(法線マップ、アンビエントオクルージョンマップなど)をワークスペース内でベイクすることができ、ベイクに使うパッケージの追加が不要になります。
Plane Generator は、高解像度のディテールを投影するためにベイクを行う面を作成するという、これまで手作業で行っていたプロセスを自動化します。このツールは、再構成された生のメッシュを受け取り、スキャンの最適な中間点に投影された平面を軸に沿って作成します。そうすることで、ベイクを行う面を作成するために別のモデリングアプリに移動する面倒な作業から解放されます。
また、コンテンツ制作ツールと Unity プロジェクトの間を行き来することの苦痛も、ユーザーとの会話の中で繰り返し耳にする話題です。あるアプリケーションで作ったコンテンツが、Unity では違うように見えてしまうのは、確かに悔しいですよね。そこで私たちは、ArtEngine のマテリアルを、ArtEngine を離れることなく HDRP シーン内で可視化する方法を考えました。
ArtEngine の任意のノードを右クリックし、View in HDRP Viewer を選択すると、Unity が提供するスタンドアローンの HDRP リアルタイムレンダラーを起動できるようになりました。このウィンドウは、ノードが更新されると反映され、マテリアルが最終的に Unity シーンでどのように表示されるかを知ることができます。また、さまざまなポストプロセッシングエフェクトをオン・オフすることもできます。
また、ArtEngine の UI も一新することにしました。ノードグラフ内ですでに実行されたノードを解析するのがより簡単になりました。実行、未実行、エラー状態のノードを色分けし、ボタンやトグルの色の使い方をわかりやすくし、2D ウィンドウおよび 3D ウィンドウのヘッダーパネルとフッターパネルをあらかじめ設定したものにしたことで、これまでの ArtEngine の中で最も見栄えの良いバージョンになりました。
シニアテクニカルアーティストの Victor Kam 氏が新機能を紹介するワークフロービデオをご覧ください。
ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、ここ数か月の間にいくつかの大きなリリースがありました。新しく Chrome Ball ノードが追加され、フォトメトリックステレオの力を活用できるようになっただけでなく、Output ノードの一部である Unity Direct Link 機能により、ArtEngine マテリアルが Unity に取り込まれ、ArtEngine で編集した結果が Unity プロジェクトに反映されるようになりました。
最後に、新しい Style Transfer ノードのベータ版を使えるようにしました。このノードは、皆さんが好きなシーンを望みのスタイルにしたいと考えたとき、AI と機械学習がどれほど強力な手段となるかを示しています。
2021 年を通じて、支援してくださったコミュニティの皆さんに感謝いたします。これからが楽しみです。