ショートカットマネージャー、プリセット、クイックサーチなどを使って、これまでより多くのことをより短時間で実現できます。
皆さんの日々の集計作業を効率化し、生産性を向上させ、クリエイティブな作業に集中できるよう、常に努力しています。経験豊富な Unity 開発者でも、これらの改善点のいくつかを見逃しているかもしれません。そこで、Unity 2020 LTS のワークフローを加速させるための 70 以上の時間節約のヒントを集めた e ブックを作成しました。この e ブックに収録されたヒントを紹介する全 3 回のシリーズの第 1 回となるこの記事では、中核となるエディターのワークフローを高速化する方法をご紹介します。
ショートカットマネージャーは、エディターのホットキーを管理できるインタラクティブなビジュアルインターフェースです。ここでは、さまざまなコンテキストにショートカットを割り当てたり、頻繁に使用するツールの既存のバインディングを視覚化したりすることができます。
Unity エディターのコマンドには、任意のキーやキーの組み合わせを割り当てることができます。例えば、R キーは、デフォルトでツールコンテキストの拡大縮小ツールに割り当てられています。
Binding Conflict カテゴリには、同時に実行できる 2 つのコマンドに割り当てられているショートカットがないかを確認できます。このような衝突を解決するには、インターフェイスを使用します。注:異なるコンテキストにあり、同時に実行されないコマンド同士の場合は、複数のコマンドに同じショートカットを割り当てることができます。
Unity のメインメニューからショートカットマネージャーにアクセスするには、以下のようにします。
UnityEditor.ShortcutManagement 名前空間で提供されている API を使用して、独自のスクリプトやパッケージでカスタムショートカットを定義します。
この機能を使えば、インスペクター内のあらゆるもののデフォルトの状態をカスタマイズすることができます。プリセットの作成では、コンポーネントやアセットの設定をコピーしてアセットとして保存し、後で同じ設定を別の項目に適用することができます。
プリセットを使用して、新しいアセットを標準となる設定に従わせたり、適切なデフォルト設定を適用したりすることができます。これにより、チーム全体で一貫した標準に従うことができるようになり、見落とされがちな設定を調整し忘れたことでプロジェクトのパフォーマンスに影響を与えることが無くなります。
コンポーネントの右上にあるプリセットアイコンをクリックします。「Save current to...」をクリックしてプリセットをアセットとして保存、また、そこにあるプリセットの 1 つをクリックすると、値のセットが読み込まれます。
他にも便利なプリセットの使い方があります。
シーンの規模が大きくなると、ゲームオブジェクトの選択や編集を簡単にするために、特定のオブジェクトを一時的に隠すことがあるでしょう。
この時、意図しない動作を引き起こす可能性のあるゲームオブジェクトを無効にする代わりに、SceneVisibility コントロールを切り替えます。これにより、実際のゲーム内での可視状態を変えずに、シーンビューだけでオブジェクトの表示・非表示を切り替えることができます。
ヒエラルキーウィンドウのツールバーを使って、ビューポート内のゲームオブジェクトのシーンでの表示制御を切り替えることができます。
なお、ヒエラルキー内では、親オブジェクトと子オブジェクトのどちらが非表示になっているかによって、状態アイコンが変わることがあります。
Isolation ビュー を使って、特定のオブジェクトとその子だけを表示できます。ヒエラルキーウィンドウでゲームオブジェクトを選択し、Shift + H を押すと、オンとオフを切り替えることができます。この設定は、終了するまで他のシーンの表示制御よりも優先されます。
なお、Shift + スペースバーのショートカットを使えば、ビューポートを最大化してエディターの他の部分を隠すことができます。
シーンでの表示制御と同様に、ゲームオブジェクトの選択制御を変更することができます。ツールバーを使って、シーンビューで特定のゲームオブジェクトが選択されないようにすることができます。これは、大きなシーンで意図しないゲームオブジェクトを選択して編集してしまうことを避けるために有効です。
選択制御はゲームオブジェクトの階層構造全体にも、その中のオブジェクト 1 つだけに対しても設定することができるため、いくつかのゲームオブジェクトが選択可能でも、その子や親が選択可能でないということがあります。選択制御がどの状態にあるかは、以下のアイコンで区別されます。
エディターには、シーンビュー、ヒエラルキーウィンドウ、プロジェクトウィンドウの検索機能が備わっています。
名前での検索だけでなく、型での検索も可能です。ドロップダウンを使って、「Type」を選ぶか、短縮形の「t:」を使います。
アセットのラベルを使用している場合、短縮形の「l:」使って、ラベルでフィルターすることもできます。
この例では、Camera 型のすべてのオブジェクトをシーンで検索しています。
ここで説明したウィンドウ以外にも検索を拡張したい場合は、QuickSearch パッケージを使って Unity 内のあらゆるものを検索することができます。
Unity 2021.1 ではこの機能がエディターに組み込まれているので、別途パッケージをインストールする必要はありません。Edit > Search All(Windows では Ctrl + K、macOS では Cmd + K)で検索機能を立ち上げられます。
パッケージマネージャーからインストールしたら、Help > QuickSearch または Alt + ' ホットキーの組み合わせで QuickSearch を有効にします。
QuickSearch では、アセット、シーンオブジェクト、メニューアイテム、パッケージ、API、設定など、Unity の複数の領域を検索することができます。
ここでは、「Camera」を対象としたクイックサーチの例をご紹介します。
必ずセットアップウィザードを実行して、最適な検索結果が得られるように条件を設定してください。
Unity の内部、外部どちらの検索にも使うことができます。詳しくは QuickSearch ガイドをご覧ください。
今後のブログ記事でもワークフローを高速化するためのヒントをご紹介していきますのでご期待ください。無料の「70+ tips to increase productivity with Unity 2020 LTS」ガイドをダウンロードしていただくと、今すぐすべてのヒントをご覧になることができます。e ブックをお届けするためには、簡単なフォームにご記入いただく必要があります。
また、他にも取り上げてほしいテーマや機能がありましたら、コメントでお知らせください。