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Unity と Furioos を使った House by Urban Splash の住宅問題への取り組み

2021年8月18日 カテゴリ: Industry | 8 分 で読めます
3D blueprint of a house that allows you to see inside almost like a dollhouse.
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House by Urban Splash が Unity と Furioos をベースにしたコンフィギュレーターを使って、どのようにイギリスの住宅購入体験に革命を起こしているかをご覧ください。

House by Urban Splash はイギリスを拠点とするハウスメーカーで、持続可能で、適応的で、さまざまに構成を変えることができる、最新式の住宅を提供しています。住宅不足が深刻化しているイギリスにおいて、House by Urban Splash はモジュール型建築システムを用いて住宅購入にまつわる体験の再構築を目指しました。これにより、工事完了までの時間の短縮や廃棄物の削減だけでなく、家を買う人が住宅のデザインについてより多くの選択肢を提示され、そしてデザインに関する意思決定により深く関わることができるというメリットが生まれました。

このベンチャー事業をサポートするために、House by Urban Splash は不動産や広場のための没入型体験を専門とするクリエイティブエージェンシーの Somewhere、デジタルエージェンシーの Tokyo Digital、ブランドエージェンシーの Smiling Wolf と提携し、Unity と Furioos を使用した住宅コンフィギュレーターを開発しました。

住宅問題の解決に向けて

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イギリスをはじめとするヨーロッパでは、住宅が不足しています。伝統的なスタイルの住宅を建てるためのリードタイムは長く、また悪天候やサプライヤーの問題など、外部要因に依存する部分が非常に多いためです。イギリスでは数十年前から「two-up two-down」と呼ばれる、各階 2 部屋ずつ、2 階建てで天井が低く、窓が小さいという形式を基本として住宅が作られてきました。

今後 10 年間で、イギリスで建設される住宅のうち、20% がモジュール型住宅になると予測されています。House by Urban Splash が作るモジュール型住宅は、工場で管理された環境で作られています。注文を受けてから現地で住宅を引き渡すまで、最適な条件であれば 4〜6 週間ほどで完了します。モジュール型住宅は、持続可能な最新式の建築手法を活用しており、環境にやさしく、従来の住宅に比べて、廃棄物の発生を最大 90% 削減できます。

House by Urban Splash はモジュール型住宅建築の最先端を行く住宅メーカーとして、業界で初めて大規模にバーチャル住宅コンフィギュレーターを提供する試みを始めました。House では、住宅の購入者はオンラインの 3D インターフェースを使い、好きな角度で細かいところまで見ながら、さまざまな間取り、機能、仕上げ、レイアウトのオプションを選択して、自分のニーズに合わせたカスタマイズを行うことができます。選択に合わせてバーチャル空間がリアルタイムで更新され、購入者は自分の家のモックアップを見て、自分の家がどのような姿になるかを確認することができます。

スケーラブルでハイエンドなバーチャル環境を構築

Screen cap of a 3D rendering of a room in Unity

Somewhere と House by Urban Splash は、コンフィギュレーターを開発するにあたり、住宅の購入者が簡単に操作でき、どのようなデバイスでも動作することが必要だと考えました。そのためには、ウェブストリーミングに対応しつつ、将来的には既存の販売システムや管理システムとの統合も可能な、拡張性のあるプラットフォームが必要です。

Somewhere の没入型体験部門のリードである Rob Deja 氏は、「Unity に決めたのは、他のシステムと簡単に統合できる柔軟性があり、Furioos を使ったクラウドストリーミングが可能で、パフォーマンスを落とさずにスケールアップして、リアルなディテールを追加することができるからです。」と言います。

House by Urban Splash が Unity を採用した理由は、当初の WebGL によるプロトタイプでは、リアルタイムのバーチャル環境で素材や照明などの住宅材料を十分に本物と思えるレベルで再現することができなかったからです。Unity の HDRP(HD レンダーパイプライン)は、バーチャル空間での体験のレベルを底上げし、Urban Splash が求めていた最高レベルの外観を実現することができました。インターフェースを Furioos ストリーミングプラットフォームに移行することで、ウェブユーザーインターフェースのアクセスしやすさを最大限に活かすこともできました。 

「従来のオフラインレンダリングに匹敵する品質をリアルタイムで実現するのは大変なことですが、コンフィギュレーターをオンラインで、ブラウザーを使って実行したいという考えにはこだわりました。そこに Unity と Furioos を組み合わせて使うことで、通常ブラウザーでは実現できないような高い品質と柔軟性を実現することができました」と Deja 氏は述べています。

カスタマイズされた住宅購入体験

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House by Urban Splash では、区画ごとに住宅を販売・構成する専用のサイトがあります。ユーザーはウェブサイトに来て、各々の住宅の建て方、建築計画、周辺の様子を見ていきます。Google Maps API を使って、どの区画が空いているかを見下ろし視点で表示し、地図上の各点をクリックして特定の住宅を選ぶことができます。 

「私たちにとって最も重要な要素の 1 つは、総体としてのユーザー体験でした。私たちはその時点では世の中にないものを作っており、その点において先駆者だったと言えるでしょう。」Urban Splash のデジタル部門のヘッドを務める Jason Byrne 氏はこのように語ります。「私たちが作っているものの技術的な部分を、お客様に理解していただきたいと思いました。そのために、読み込み時間のような要素はとても重要です。ユーザーは、何かが読み込まれるまで 3 分も 4 分も待ってくれません。」

ユーザーが土地を選ぶと、住宅コンフィギュレーターが起動し、モデルが表示されます。デフォルトのモデルは伝統的な住宅で、区画に応じて 2 階建てまたは 3 階建てになります。そこから、何階にキッチンがあるか、ホームオフィスは必要か、寝室の数はいくつかなど、さまざまな間取りを選ぶことができます。アプリ内でモデルを回転させることができ、フロアごとに切り分けて構成を変えたり、家具の表示を切り替えたり、床材の種類を選んだりすることができます。

静止画や建築図面ではなく、3D モデルに触れることで、住宅の購入者は空間や物の配置を理解することができます。すべての設定が終わったら、それを営業担当者に送り、営業担当者はそのデザインに基づいて実際の建築に着手することができます。オンラインでインタラクティブに設定を完了させることで、設計プロセス全体が簡素化され、手動で行う手順を減らすことができます。

業界の注目を集める

Image of a city apartment with white walls and a child sitting in the windowsill.

House by Urban Splash はこのような規模のバーチャルソリューションを初めて提供した会社です。そして、毎月 1,000 人以上のユーザーがこの 3D コンフィギュレーターを利用するようになり、同社は住宅建築業界における市場のリーダーおよびイノベーターとしての地位を確立しつつあります。

「マーケティング的にはかなり成功しています。多くの人々にコンフィギュレーターをお使いいただき、話題にもなっています」と Byrne 氏は言います。「私たちのウェブに流入するトラフィックのうち 10~15% がこのアプリケーションを実際に使用し、その中のほんのわずかの方が実際に住宅を購入するという結果を生み出せば、商業的にも大成功と言えるでしょう。」

 

自前の不動産コンフィギュレーターを作ったり、何かの製品向けにリアルタイム 3D でコンフィギュレーターを作ったりしたいとお考えでしょうか。Unity Forma をご検討ください。

2021年8月18日 カテゴリ: Industry | 8 分 で読めます

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